STARSHIP TROOPERS(4K UHD Blu-ray)/スターシップ・トゥルーパーズ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

STARSHIP TROOPERS(4K UHD Blu-ray)

STARSHIP TROOPERS 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 スターシップ・トゥルーパーズ
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1997年
上演時間 129分
監督 ポール・ヴァーホーヴェン
出演 キャスパー・ヴァン・ディーン、ディナ・メイヤー、デニース・リチャーズ
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語 / dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 ジョニー・リコという若者は、同級生のカルメンにアタックしていたが、カルメンは学校を卒業後、連邦の宇宙艦隊に入ることを決めていた。カルメンに好意を抱いているジョニーは、両親の反対を押し切り、連邦の軍隊に入隊し、訓練に明け暮れることになる。しかし、訓練の途中、臨時のリーダーになったジョニーは自分の不始末で仲間を失い、体罰を受ける。その件を気にしたジョニーは軍隊を除隊しようとするが、銀河の反対にあるクレンダスという惑星から、ジョニーの故郷に攻撃があり、両親を含む多数の死者を出してしまう。ジョニーは軍にとどまり、クレンダスにいるバグを撃退しようと戦いを挑むが、バグは予想外に強力で、歩兵たちは多数の犠牲者を出してしまう。ジョニーも負傷するが、命は取り止める。復帰したジョニーの隊のリーダーに学校の教師であったラズチャックが配置され、ジョニーたちは反撃を開始する。

レビュー

 SF小説の大家であるロバート・A・ハインラインの原作小説「宇宙の戦士」を実写映画化したのが、この「スターシップ・トゥルーパーズ」です。北米では製作費に105百万ドルもかけていながら興行収入が稼げず、55百万ドルのチケット売り上げにとどまっており、またRotten Tomatoesの批評家評価は65%、観客評価でも70%と、水準並みの評価しか得られていません。

 原作の「宇宙の戦士」と大きく異なる設定になっているのは、原作で登場するパワードスーツがこの映画では一切登場しないということに尽きます。SFXの予算と技術が1997年の時期では表現不可能だったことによりますが、パワードスーツが登場しないことにより、歩兵たちは単なる鎧を着た戦士に変えられており、そのためにバグたちの攻撃をもろに喰らい、手足や頭、胴体等をバッサバサとちょん切られる悪趣味な戦闘シーンがこれでもかと繰り広げられることになります。この辺は、監督であるポール・ヴァーホーヴェンの意図が働いていると言っても過言ではないでしょう。血まみれの死体も多数登場し、どう考えてもヴァーホーヴェンの嗜好が画面に現れているとしか言えません。

 また、連邦の作戦も馬鹿として言いようのない戦略で、バグに対して何も調査せずに突っ込み、自滅していく様は、笑うしかない展開になっています。多数の宇宙船がバグの故郷であるクレンダスに攻撃を仕掛けますが、宇宙船が密接しすぎで一隻が破壊されると他の船も誘発されて爆発するなど、戦略がなっていないとしか言いようがありません。それも一回だけならまあしょうがないと言えるのですが、何回も繰り返されるので、冗談のような攻撃となっています。

 映画は連邦のCMがところどころ挿入されていて、バグとの戦いを高揚させるような内容を流していますが、連邦のCMではかっこいいことを言っていながら、実際の連邦の軍隊はズルズルの組織で、バグに対してあっさり攻撃を喰らっているところなどは、CMがギャグかと思うほどです。バグをやっつけるという名目で、子供たちが虫を足で踏みつけるシーンなどは、敵を茶化しているシーンであると言えます。

 ジョニーは好きな女性であるカルメンが軍に入るのを追いかける目的で軍隊に入隊しますが、この世界の軍隊は入隊して任期を務め上げた人物だけが市民権を得るという軍事国家になっています。この辺は原作小説と同じ設定になっていますが、ジョニーも一応は「市民権を得たい」という言葉を口にします。でも、物語途中からそれはどこかに消え去ってしまい、ジョニーとその仲間たちがバグに対してどう戦っていくかが、焦点になります。当時のCGの技術の限界はありますが、バグのデザインを生み出した製作者たちは、その後他の映画でも似たようなデザインのエイリアンを登場させていることから、この映画の影響は大きいと言えます。

 映像は4K/HDR10で収録されています。元が35mmフィルムなので、ネイティヴ4Kでの収録になっていますが、フィルムの粒子が結構目立つ仕様になっており、粒子が見えるほどの解像度がありながら、ディテール感は少々乏しい感触を受けます。色彩はHDR10で管理されているため、鮮やかな色彩を放っています。20数年前にアメリカ、ロサンゼルスのシネラマドームでこの映画を見ていますが、その時の色彩を再現しているかのような色の輝きには魅了されます。音響は劇場公開時にはSDDSやDOLBY DIGITALでの収録になっていますが、この4K UHD Blu-rayではDOLBY ATMOSにリミックスされて収録されています。バグたちの襲撃シーンなどで、観客を包囲するかのようなサラウンドが聴かれ、効果を発揮しています。空飛ぶバグたちは頭上を飛び去り、キャノン砲を発射するバグは、キャノンの軌跡が下方から上方に移動する様子が見事に収録されています。

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