YOUNG GUNS II/ヤングガン 2/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

YOUN GUNS II

No Image 邦題 ヤングガン 2
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 1990年
上演時間 104分
監督 ジョフ・マーフィ
出演 エミリオ・エステヴェス、キーファー・サザーランド
ルー・ダイアモンド・フィリップス
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch フランス語
字幕

あらすじ

 リンカーン郡のでの戦いでマーフィーを殺害して復讐を果たした後も、ビリーはニュー・メキシコ州に留まり、殺人を犯していた。このために州知事はビリー逮捕に躍起になる。かつての自警団のメンバーで他の州にいて普通の生活を送っていたドクとチャベスは、牢屋に入れられる。ビリーは州知事に説得され一旦自首するが、脱走をし、ドクとチャベスを救出する。ビリーは州の法律が及ばないメキシコに逃亡の計画を立てるが、ビリーとともに殺人を犯していたパット・ギャレットが、州知事と牧場主チザムに見いだされ保安官となり、今度はビリー逮捕に全力を傾けることになる。逃走を図るビリーだったが、ギャレットの執拗な追跡により、仲間を次々に失っていく。

レビュー

 「ヤングガン」がヒットをしたために当初予定のなかった続編として作られたのが、「ヤングガン 2」です。前作がリンカーン郡の戦いまでを描いていたのに対し、今作ではアウトローになったビリー・ザ・キッドとその仲間達が次第に追いつめられ、最後を迎えるというある種西部劇の終焉を描いたものになっています。興行収入的には製作費を上回りましたが、スマッシュヒットに留まっています。

 前作の最後で生き残った登場人物のその後を字幕で描いていますが、今作でその登場人物であるドクとチャベスを再登板させるために、前作とはストーリーが異なっています。前作で解体した自警団は、今作で無法者の組織としてビリーを中心に組み込まれていきます。

 新しい仲間としてはデイヴや、ヘンドリー、トムといったキャラがいますが、やはり中心になるのはビリー、ドク、チャベスという前作からの引き続き登場のキャラクターであり、彼らの生死の行方が物語を構成していると言えます。ドクやチャベスの壮絶な死がビリーの心を追いつめ、最後にギャレットに隙を見せるという展開をなしています。新しいキャラもそれなりにキャラが立っていますが、殺されたり、ビリーを見限ったりと真の意味では仲間になりきれないところがあります。

 物語当初ではビリーとパット・ギャレットは仲間として描かれていますが、中盤からパット・ギャレットはビリーを見限り、州知事と牧場主チザムに見いだされて臨時保安官となります。そしてギャレットはビリーを追撃するという展開ですが、そこにはある種の悲壮感が感じられます。前作が意外と明るい展開だったのに対し、今作は結構重苦しい展開になっていて、物語の雰囲気が全然違うものになっています。

 物語としてはビリーを名乗る老人が自身の若き頃の回想を語ると言う内容になっていて、実はビリー・ザ・キッドはギャレットに殺されていないのではないかという疑問符をつけて物語が終わりますが、現実のところはギャレットにビリーは殺されているので、この映画はその辺を面白く脚色したのだろうと思います。物語は時々ビリーを名乗る老人のナレーションが入る形式で進んでいきます。ただ、この老人のセリフがちょっと聞き取りがたい感じがするのは残念なところです。

 前作で狂気を見せていたビリーは、今作ではその狂気は少し影を潜め、多少成長した感はあります。それでも生涯ニュー・メキシコ州を離れなかったのは、何かしらの理由があるのだと思います。物語中盤から後半はビリー一派の逃亡を描いていますが、ビリー自身はメキシコに逃げるつもりはなく、結局ニュー・メキシコ州内で逃げ回っているだけです。そのためにギャレットに追いつめられていくのだと思います。もっともラストの登場人物のその後のクレジットでデイヴはメキシコに逃げ果せたが、結局逮捕された、とありましたから、ビリーが本気でメキシコに逃げたとしても、最後は逮捕か射殺されたのではないかと思います。

 画質は前作と同じくあまりよくはありません。終始モスキートノイズのようなものが見え、映像の質を落としていると思います。色調はまずまずの色乗りで、ニュー・メキシコ州の乾いた世界をちゃんと表現しているように思えます。前作が1.85:1のビスタサイズでの収録だったのに対し、今作は2.35:1のシネマスコープサイズでの収録ですから、広大な西部劇の印象はより強く出ています。音響は元素材のDOLBY STEREO 4.0chを5.1chにリマスターしていますが、極端なサラウンドを使うということはしていません。自然な空間に包み込まれるような演出をしていて、銃撃シーンもフロントからを重視しているように思います。

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