ジュラシック・パーク III(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ジュラシック・パーク III(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 JURASSIC PARK III
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
製作年度 2001年
上映時間 92分
監督 ジョー・ジョンストン
出演 サム・ニール、ウィリアム・H・メイシー、ティア・レオーニ
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 コスタリカの洋上にあるソルナ島の海域で、エリックはパラセーリングをしていたが、船が事故に遭い、ソルナ島に不時着してしまう。その頃、グラント博士は相変わらず恐竜の化石から恐竜の生態を研究していて、ヴェロキラプトルの喉骨から彼らが会話を交わしていたのではないか、という推測を立てる。グラント博士は恐竜についての講演を行うが、聴衆者はインジェン社の開発したジュラシック・パークについて知りたがっていた。そのグラント博士の元にカービー夫妻が訪れる。恐竜の飼育場所であるソルナ島に行きたいカービー夫妻は、グラント博士に道案内を要請したのである。グラント博士はジュラシック・パークに関わりを持ちたくはなかったが、恐竜研究の資金が尽きかけており、資金提供を持ちかけたカービー夫妻の要請を受け入れて、ソルナ島に共同研究をしているビリーと共に赴くことになる。しかし、そのソルナ島で恐竜たちの襲撃に遭い、彼らの生命に危機が訪れる。そして、カービー夫妻がソルナ島に渡った理由も明らかになる。エリックは彼らの息子であり、エリックの捜索を願っていたのである。グラント博士たちはエリックを探しつつも、島からの脱出方法を探っていく。

レビュー

 大ヒットを記録した「ジュラック・パーク」のシリーズ第3作目に当たる映画が、この「ジュラシック・パーク III」です。興行収入は製作費の2倍以上の売り上げを記録し、大ヒットをしていますが、映画批評は芳しいものではなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は49%、観客評価に至っては36%とかなり低評価をつけられている作品であります。

 「ジュラシック・パーク」シリーズとしては、この「ジュラシック・パーク III」がシリーズ完結編になりますが、その後、「ジュラシック・ワールド」シリーズが製作され、シリーズは最新作「ジュラシック・ワールド:新たなる支配者」をもって「ジュラシック」シリーズの完結になっています。

 この「ジュラシック・パーク III」は監督にジョー・ジョンストンを起用し、前2作の監督であったスティーヴン・スピルバーグは製作総指揮に回っています。上映時間が92分とシリーズ中最短の映画になっており、恐竜の襲撃を逃れる主人公の姿がテンポ良く描かれています。

 この「ジュラシック・パーク III」の主人公は、「ジュラシック・パーク」でも主人公を演じたアラン・グラント博士であり、彼が再登場することでシリーズの統一感を見せています。また、同じく「ジュラシック・パーク」に登場したエリーも再登場しますが、彼女は別の男性と結婚し、子供もいる状態なので物語に直接関与しないかと思ったら、クライマックスで重要な役割を見せるところがあり、これには驚きます。

 物語は恐竜のいるソルナ島に行きたいカービー夫妻がグラント博士に道案内をさせて島に辿り着くものの、恐竜たちの襲撃に遭い、その中でカービー夫妻の島に渡りたかった理由が明らかにされていく、という展開になっています。しかし、キャラクター造形が浅いので、「ジュラシック・パーク」でキャラクター造形を行なっているグラント博士の他のキャラには感情移入をすることがあまりできず、彼らが恐竜に襲われても彼らの恐怖感に同調することができないという欠点があります。

 ただ、恐竜たちのSFXは当然進化しているわけで、CGやライブアクションにより生み出された恐竜の姿はリアルで、その活躍には胸躍るところはあります。主人公には感情移入できませんが、恐竜が大暴れするシーンには結構楽しいと感じるところはあり、物語が92分と短いところからもテンポ良く進行していくところは、それなりの楽しさを感じるところはあります。

 カービー夫妻がソルナ島に渡った理由は、行方不明になった息子であるエリックを探すため、という設定になっていますが、2ヶ月も一人で恐竜が大量にいるソルナ島で生き延びているという設定には無理があると思います。それでもエリックはカービー夫妻やグラント博士と再会し、島の脱出に挑むわけですが、その後の展開を考えると、エリックというキャラの存在が無理のあるキャラだと思わざるを得ません。

 物語冒頭でグラント博士はヴェロキラプトルの喉骨が仲間との会話を交わす効果を果たしているという仮説を立てるわけですが、それがクライマックスで唐突に生かされる設定には、少々驚きます。恐竜も色々登場しますが、恐竜側の主役はこのヴェロキラプトルではないかなと思います。途中でビリーがヴェロキラプトルの卵を盗むという展開もクライマックスに通じているわけですし。

 映像は4K/HDR10で収録されています。マスターは35mmフィルムですが、4Kマスターを作っているので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。35mmがマスターなので、ピントが甘いシーンもあり、高精細というわけでもないですが、見通しのいい画質になっています。フィルムグレインも抑えています。HDR10による色彩表現も、ジャングルの中の光の輝きが輝度が高く、魅力的です。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドで収録されています。イマーシヴ・サラウンドというところまでは効果を発揮しているわけでもないですが、恐竜や登場人物の配置や音響はサラウンドに適切に配置され、臨場感はあります。

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