ゴースト/ニューヨークの幻(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ゴースト/ニューヨークの幻(4K UHD/iTunes Movies)

原題GHOST
レーベルPARAMOUNT PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度1990年
上映時間127分
監督ジェリー・ザッカー
出演パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ
画面1.85:1/DOLBY VISION
音声DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語/AAC 日本語
字幕日本語

あらすじ

サムとモリーは恋人同士で、古い建物をリノベーションして、新居を作っていた。サムとモリーはその新居で同棲しようとしていたのである。サムは銀行員で将来を約束されていて、モリーは陶芸家として活躍していた。サムは、同僚であり、友人でもあるカールに対して仕事を手伝ってもらったりもしていた。そんなある日、「マクベス」を見に行った帰り、強盗に襲われサムは死亡してしまう。しかし、サムの意識は天国には行かずにこの世に留まっていた。サムを失ったことでモリーは動揺するのだが、サムにはどうしようもなかった。サムは、インチキ霊媒師であるオダ・メイの元を訪れ、彼女になんとかしてもらおうとするのだが、オダ・メイはインチキ霊媒師だったために、サムの存在を鬱陶しく思っていた。オダ・メイと接触するうちにサムは、自分を殺した強盗であるウィリーという男の住所を突き止め、ウィリーが彼の友人であるカールとつながっていることを知る。カールは麻薬取引で多額の金を必要としていて、サムの顧客データを横取りして金をかき集めようとしていたのだった。そのために、ウィリーにサムの顧客データを奪取するよう指示し、結果としてサムは殺されてしまったのである。サムの顧客データが欲しいカールは、モリーにまで魔の手を伸ばし始めていた。そのため、サムはオダ・メイの力を借りて、モリーを救おうとする。

レビュー

 1990年の夏に公開され、一躍話題の作品となったラブロマンス、コメディ映画が、この「ゴースト/ニューヨークの幻」であります。製作費22百万ドルに対して、北米での興行収入はその10倍の217.6百万ドル、全世界では505.7百万ドルを稼ぎ出す大ヒットになったばかりか、1990年のアカデミー賞でウーピー・ゴールドバーグの助演女優賞と脚本賞を受賞するという快挙を成し遂げています。評価はまずまずの成績を稼ぎ出していて、Rotten Tomatoesの批評家評価は75%、観客評価は80%という水準以上の評価を得ています。

 この映画は世間一般的にはラブロマンス映画として認知されていると思いますが、今回初めて鑑賞しまして、ラブロマンス映画であると同時にゴースト映画でもあり、コメディタッチの強い映画にもなっていると実感いたしました。そのため、1990年の劇場公開時から「ラブロマンス映画か」という認識のために敬遠していたこの「ゴースト/ニューヨークの幻」を初めて鑑賞して、思ったよりも自分の感性にしっくりくる作品であると思いました。

 この映画はゴースト映画でありますので、主人公サムが死んでからこの世に意識だけが止まり、最初はゴーストとして何もできなかったサムが次第に能力をつけていき、モリーを守るために自分を殺した犯人と対峙していく姿は、一種の成長物として捉えることができます。最初は物体を通り抜けるしかできなかったサムが、最後には物体を操り、自分を殺した犯人を痛めつけるところは、その際たる物であると思います。

 また、コメディ映画としての展開は、ひとえにインチキ霊媒師オダ・メイを演じたウーピー・ゴールドバーグの演技力の高さに起因しているように思います。この映画に出る前からアメリカでは有名な俳優だったウーピー・ゴールドバーグですが、この「ゴースト/ニューヨークの幻」のオダ・メイの演技により、下手すれば重苦しい展開になりかねないゴースト映画であるこの作品を明るい雰囲気に持っていった要素を持っていると思います。

 もちろん、この「ゴースト/ニューヨークの幻」はメインにラブロマンスを描いた作品でありますので、サムとモリーの二人の愛情が最初から最後まで一途に貫かれているのも、感動を受ける要因になっていると思います。サムが死んだ後、サムの友人であるカールがモリーに手を出そうとしますが、モリーは死んだサムのことをいつまでも想っていて、その一途さに純粋な愛というものを感じ取ることができます。モリーを演じたデミ・ムーアのショートヘアの可憐さは、この映画の魅力の一つではないかと思います。

 そして、サムを殺した犯人についてですが、物語前半で容易に推測がつくなと思っていたら、本当に物語前半で犯人の正体が明かされ、後はその犯人の狙いとモリーの身に危険が迫る中、サムが犯人の目論みを打ち砕き、モリーの身を救うという実は勧善懲悪の王道を行く展開に、安心しながらもどういうラストが待っているのか、という期待感を抱かせています。ラストの終わり方は、安心して鑑賞し終えるところがあるかと思います。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターが35mmフィルムであり、4Kマスターを作ったわけではなさそうですので、フィルムを4Kスキャンしたビデオマスターを使っているようで、ネイティブ4Kではありますが、解像度的には甘いシーンが大半であります。フィルムグレインはあまり出てきませんが、古いフィルム映画という印象が強く、4K効果が出ているとはあまり言えません。DOLBY VISIONによるカラーグレーディングも、多彩な色彩や高コントラストというわけでもなくて、やはり1990年の映画だよね、という印象を強くする色彩になっています。

 音響はDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されています。劇場公開時のマスターはDOLBY STEREOでしたので、サラウンドがモノラル音声からステレオ音声にアップグレードしています。5.1chサラウンドをdts Neural:Xで試聴しましたが、予想外に三次元に音が広がる印象を持ちました。5.1chサラウンドですのでオブジェクトという概念はないはずですが、思っているよりもオブジェクトが移動する感触を得ていて、空間に音が広がる感覚を受けました。

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