『スター・トレック:プロディジー』シーズン1 前半 Blu-ray(輸入盤) レビュー|ティーンたちの銀河冒険譚
『スター・トレック:プロディジー』は、従来の大人向けに作られたシリーズとは異なり、ティーン世代やファミリー層にも門戸を開いた新世代のスタートレック作品である。未知の宇宙で出会った若者たちが、偶然発見した宇宙艦を操縦しながら旅をする──という設定は、これまでのスタートレックの持つ「探検」と「理想」の精神を保ちながらも、より親しみやすく冒険色の強い物語へと進化している。Blu-ray化により、色彩豊かな映像と臨場感あるサウンドが加わり、次世代へ受け継がれる銀河冒険を最上の環境で体験できる決定版となっている。
『スター・トレック:プロディジー』Blu-ray 基本仕様
![]() |
邦題 | スター・トレック:プロディジー シーズン1 前半 |
---|---|---|
原題 | STAR TREK: PRODIGY SEASON 1 (Episodes 1-10) | |
レーベル | CBS Studios | |
制作年度 | 2021-2022年(劇場公開版) | |
上映時間 | 237分(劇場公開版) | |
監督 | ケヴィン・ヒボン 他 | |
出演 | ブレット・グレイ、エラ・パーネル、ジェイソン・マンツォーカス | |
画面 | 2.39:1 / SDR | |
音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語 / Dolby Digital 5.1ch フランス語 / Dolby Digital 2.0ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、フランス語、スペイン語 | |
リージョン | Blu-ray=リージョンA, B, C | |
パッケージ | BD 2枚(本編+特典映像) |
あらすじ(短縮版)
辺境の刑務所惑星で囚人として働かされていた少年ダルは、エネルギー体生命「ゼロ」を追う過程で連邦の放棄艦を発見し、仲間と共に脱出する。艦内のホログラム・ジェインウェイに導かれ、若者たちは“プロトスター”で銀河へ踏み出すが、背後には占い師とドレッドノックの追撃が迫っていた。
あらすじ(詳細)
脱出後、一行はホログラム・ジェインウェイの助言を受けながら連邦のやり方を学び、Mクラス惑星での調査、ファースト・コンタクトの試み、時間分断災害などを乗り越えて“チーム”として成長していく。グウィンは父である占い師への忠誠と仲間への信頼の狭間で揺れ、プロトスターの秘匿データから過去の因縁と艦の正体に迫る。やがて占い師の真の目的が明らかとなり、若者たちは自らの選択で未来を切り拓くことになる。
- LOST AND FOUND: PART 1 & PART 2
- STARSTRUCK
- DREAM CATCHER
- TERROR FIRMA
- KOBAYASHI
- FIRST CON-TACT
- TIME AMOK
- A MORAL STAR, PART 1
- A MORAL STAR, PART 2
レビュー(エピソード別)
LOST AND FOUND: PART 1 & PART 2
連邦士官ではない若者たちを主人公に据えた導入が新鮮です。CGの密度とスピード感が高く、子ども向けの入口でありながら大人も引き込む牽引力があります。ジェインウェイのホログラム登場が「スタトレ」世界への架け橋として機能し、シリーズの安心感を与えてくれます。
STARSTRUCK
ダルの未熟さが招く危機と、ジェインウェイの助言に立ち返る過程がコンパクトにまとまっています。艦長役を自称する彼の“痛みを伴う学習”が、以後の成長ドラマへの良い土台になっています。
DREAM CATCHER
幻覚を見せる惑星という古典的モチーフを、キャラクターの内面掘り下げに結びつけて描きます。グウィンの選択がドラマの緊張を高め、次話への引きとしてきれいに機能しています。
TERROR FIRMA
グウィンが仲間へと踏み出す転換点として、とても気持ちよく見られる回です。ダルが信頼を学ぶ描写も丹念で、チームものとしての手触りがぐっと良くなります。
KOBAYASHI
往年キャラクターのホロ出演はファン必見です。勝てないテストを通じて“負けから学ぶ”というスタートレックらしいテーマが鮮やかに提示され、ダルの自覚をしっかり後押しします。
FIRST CON-TACT
プライム・ディレクティヴの難しさを“騙しのCON”と“CONTACT”の語呂で示す巧みな一本です。誤った初接触の重さをユーモアとスリルで包みつつ、余韻はしっかり苦く残します。
TIME AMOK
時間分断ギミックの使い方が巧妙で、ロクの成長譚として胸が熱くなります。積み上げた学びで艦を救う展開は、キッズ向け作品の理想的なメッセージ性を備えています。
A MORAL STAR, PART 1 & PART 2
前後編の構成とサプライズの配置が見事で、一気呵成のカタルシスがあります。占い師の動機が単なる悪ではないことも、ドラマに厚みを与えています。クライマックス後の“連邦へ向かう”決意は胸が高鳴ります。
見どころとテーマ
- 入門と継承:若い主人公たちの視点でスタートレックの理念(探究・共存・倫理)に段階的に触れていく構成。
- ホログラム・ジェインウェイ:『ヴォイジャー』のジェインウェイ(ホログラム)が主要キャラクターとして関与し、新旧ファンをつなぐ。
- 王道SFギミック:幻覚惑星、時間分断、初接触の失敗など、古典要素を現代的テンポで再解釈。
Blu-ray 映像レビュー【SDR】
CG特有の鮮やかな発色と高コントラストが活きており、Blu-rayのビットレート優位で配信よりも微細表現が安定します。宇宙空間のディテールや金属光沢、肌の質感も破綻が少なく、家庭環境でも十分に没入できます。
音響レビュー【dts-HD MA 5.1ch】
ロスレス5.1chは音場が広く、エンジン音・環境音・効果音の定位が明快です。戦闘やワープのシーンでは包囲感が気持ちよく、セリフも埋もれません。AVアンプのアップミックスを併用すると高さ方向の広がりも補完できます。
特典映像一覧と評価
収録ディスク | 特典内容 | 収録時間 | 所感 |
---|---|---|---|
Disc 1 | The Kobayashi Maru | 約4分 | 往年エピソード/テストの系譜に触れる短編。 |
Disc 2 | Trek Tradition | 約11分 | フランチャイズの伝統と本作の接点を解説。 |
The Prime Directive | 約3分 | “非干渉”の理念をコンパクトに紹介。 | |
The Protostar Pack | 約28分 | キャラクター/艦/設定を横断して深堀りする中核特典。 | |
The Protostar | 約14分 | 艦のデザイン・ギミックを中心に紹介。 | |
Gadgets & Gear | 約17分 | 小道具・装備の意匠と世界観の補強にフォーカス。 |
※上記はシーズン1前半(Volume 1)の実収録特典に基づく要約です。特典のラインアップと各収録時間はリリース情報・レビューを参照しています。
総評
『スター・トレック:プロディジー』シーズン1 前半 Blu-rayは、従来のスタートレック作品と比べても独自の立ち位置を示しています。特に、ファミリー層やティーン世代を意識したストーリーテリングは、これまで大人向けの硬派なドラマ性が中心だったスタートレックに、新しい入口を設けていると言えます。さらに、本作最大の魅力の一つは、『スター・トレック:ヴォイジャー』の主役であるジェインウェイ艦長のホログラムが主要キャラクターとして登場する点です。シリーズの長年のファンにとっては過去作とのつながりを感じさせる大きな要素であり、往年のファンと新規視聴者の橋渡しとなっています。Blu-ray化によって高精細な映像と豊かな音響を堪能できる本作は、新世代へのスタートレック入門編としても、従来ファンが楽しめる補完作品としても価値があります。未来を切り開く若者たちの銀河冒険と、シリーズの伝統を繋ぐジェインウェイ艦長の存在が、まさにスタートレックというフランチャイズの継承と革新を体現していると言えます。
コメント