イコライザー(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビュー

イコライザー(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 THE EQUALIZER
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2014年
上映時間 132分
監督 アントワーン・フークア
出演 デンゼル・ワシントン、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツ
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

ロバート・マッコールはホームセンターの仕事に就いていた。彼は物静かな男であり、同僚のラルフィが警備員の資格を得るためのトレーニングに付き合ったり、夜眠れない中で24時間営業のダイナーでお茶と共に本を読むような生活をしていた。ダイナーでマッコールはテリーという若い女性と知り合う。テリーはアメリカでスターになる夢を持っていたが、実際はロシアン・マフィアの売春組織の一員になっており、イヤイヤ売春をしていた。ある日、テリーは客の相手を断ったために売春組織のボスであるスラヴィに手酷く痛めつけられ、入院してしまう。その事実を知ったマッコールは、スラヴィをはじめとする売春組織を抹殺してしまう。マッコールは元CIAの工作員であり、手にした物で相手を殺傷できる能力を有していた。スラヴィが抹殺されたことを知ったロシアン・マフィアのボスのプーシキンは、手下であるテディに対してスラヴィを抹殺した人物を見つけ出し、殺害するよう指示する。テディは捜査の結果、マッコールの存在を知るのだが、マッコールもテディたちの追跡に対して準備をしていて、徐々に彼らを追い詰めていく。

レビュー

1980年代に放送されたテレビドラマの「ザ・シークレット・ハンター」をベースに、人気スターのデンゼル・ワシントンを主役のロバート・マッコールに迎えたアクション映画が、この「イコライザー」です。制作費が55百万ドルかかっていますが、北米での興行収入だけで101百万ドルを稼ぎ出し、大ヒットを記録しています。作品評価は水準並みであり、Rotten Tomatoesの批評家評価は61%、観客評価は77%を獲得しています。

この映画の特徴はというと、主役のロバート・マッコールがとても沈着冷静な物静かな男として描かれている点にあります。普段の日常生活はもちろん物静かな男なのですが、いざ戦闘シーンに入ってもその物静かさを失わずに絶えず冷静な態度で敵に対して戦いを挑んでいくところに、この映画のヒーローとしての印象深さを見出すことができます。マッコールは負傷しても冷静さを失わないのですから、そのトーンの低さはインパクトあります。

その物静かさかつ沈着冷静な態度から、マッコールに対しては「この主人公ならばどんな危機をも無事切り抜けることができる」という安心感に繋がり、マッコールがピンチを迎える部分がほぼないという点においてもアクション映画としての異彩ぶりを発揮しています。

マッコールは元CIA工作員でありましたが、ホームセンターで働く彼はその過去を封印してきています。マッコールがその過去の能力を活かすのは、彼に助けを求める少女テリーやホームセンターの同僚で警備員の資格を取ろうとするラルフィであり、彼らのために封印してきた過去の能力を存分に発揮しています。マッコールに関わるテリーもラルフィもそんなに出番が多いわけではないのですが、マッコールの行動の原点になっており、画面で登場するシーンが少ないのにも関わらず、彼らの存在そのものがマッコールの正義を駆り立てる真因になっています。

マッコールが敵を倒すシーンも、イタズラに銃で倒すのではなく、割と身近な物を使って倒すことが多く、意外性があります。ロシアン・マフィアが銃でマッコールたちを攻撃するのに対し、マッコールはホームセンターで売っている道具を使って敵を抹殺するため、マッコールの技能の高さを格闘シーンで表現していることになります。

マッコールが始末する敵というのがロシアン・マフィアというのは、映画的敵役だなと感じる部分です。映画の中ではマフィアというとロシアが該当するのが多いですが、やはり共産主義国であるが故に自由主義国であるアメリカ映画の敵として設定しやすいのでしょう。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。2014年の映画ということもあり、DIが2Kですのでアップスケール4Kでの配信になりますが、解像度に不満は感じさせません。DOLBY VISIONによる色彩表現はまさに現実世界をガラスを通して見ているかのような表現になっており、昼のシーンの太陽の光の輝きや夜のシーンの照明の輝き方がHDR的だなと感じたり、闇の中に潜むマッコールの描写が暗部階調の表現で素晴らしいところがあります。色彩自体がナチュラルな表現になっています。

音響はDOLBY ATMOSで配信されています。劇場公開時にはDOLBY DIGITAL 5.1chでの提供だったので、配信や4K UHD Blu-rayリリース時にDOLBY ATMOSで再ミックスされていることになりますが、そのイマーシヴ・サラウンド感は素晴らしいものがあります。音のオブジェクトが映像と同期して視聴者の周囲に配置されたり、移動したりするので映像に対する没入感が素晴らしく、時にはサラウンドチャンネルから聞こえる犬の吠える声やバイクの移動音などがリアルすぎて、映画の音響ではないのでは、と感じることもありました。もちろん上下方向の音の配置も抜かりなく設定されているので、まさに360度サラウンドを構築していると感じさせるサラウンドになっています。

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