『ブルース・リー/死亡遊戯』4K UHD Blu-ray(UK盤)レビュー|“本物”と代役映像が交錯する追悼編集作【Dolby Vision / dts‑HD MA】
ブルース・リー亡きあとに完成された異色の編集映画。 生前に撮られた“本物”のリー映像/過去作の流用/代役ショットを縫い合わせて構成された追悼編集作を、4K Dolby Visionで再検証。レストアで際立つ強みと、素材混合ゆえの落差というジレンマが同居する一本です。
『ブルース・リー/死亡遊戯』UK盤 4K UHD Blu-ray 基本仕様
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邦題 | ブルース・リー/死亡遊戯 |
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レーベル | Arrow Video UK | |
制作年度 | 1978年(劇場公開版) | |
上映時間 | 100分(劇場公開版) | |
監督 | ロバート・クローズ | |
出演 | ブルース・リー, ギグ・ヤング, ディーン・ジャガー | |
画面 | 2.35:1 / Dolby Vision | |
音声 | dts‑HD MA 1.0ch 英語 | |
字幕 | 英語 | |
リージョン | UHD=リージョンフリー(※同梱BDのリージョンは版によって異なる場合あり) | |
パッケージ | UHD 1枚(本編+特典映像) |
あらすじ(短縮版)
人気カンフースターのビリー・ローは、犯罪組織シンジケートからの契約強要を拒否。命を狙われ瀕死となるが、死を偽装して復讐を誓う。恋人アンや記者ジムを巻き込みながら、黒幕へと迫っていく。
あらすじ(詳細)
スター俳優ビリー・ローは契約強要を続けるシンジケートに抵抗。彼らは歌手の恋人アンにも圧力を強め、ついには撮影中の事故に見せかけた暗殺を敢行する。奇跡的に生還したビリーは死を装って地下に潜り、記者ジムの協力を得て報復を開始。やがて復讐は最終局面へ――“塔”の各階で異なる使い手と対峙するクライマックスへなだれ込み、黒幕との決着が描かれる。
見どころとテーマ
- 追悼編集としての特異性: 生前の“本物”リー映像/代役ショット/過去作流用を接続して長編化。
クオリティ差という弱点はある一方、リーへのオマージュとしての価値も高い。 - 物語の外部を取り込む大胆さ: “スター暗殺”モチーフは当時流布した俗説を想起。実在の葬儀映像の挿入など、演出上の是非が分かれる挑発的構成。
- 格闘設計の影響力: 階層を上がるたびスタイルが変わる“塔”の構造は後年のアクションへ多大な影響。
(例:ダン・イノサント、カリーム・アブドゥル=ジャバーらの登場) - ラブ&サスペンスの推進力: 前半はアンとの関係が推進力。契約強要〜暗殺未遂〜潜伏〜復讐のサスペンス線は一定の緊張を保つ(終盤で恋愛線が希薄化する弱点も)。
注目チャプター(“本人映像”を最大限楽しむ)
チャプター目安 | 見どころ | 補足 |
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中盤〜終盤 | “塔”クライマックス(各階の使い手との対峙) | リー本人映像の密度が上がるセクション |
終盤 | ダン・イノサント戦 | 武器使いの間合いと崩し |
終盤 | カリーム・アブドゥル=ジャバー戦 | 身長差をどう攻略するかの設計が秀逸 |
4K UHD Blu-ray 映像クオリティ【Dolby Vision】
フィルム要素をレストア+Dolby Visionグレーディング。 ネガ由来ショットは粒状感と階調が豊かで、肌・衣装の質感も良好。一方、過去作流用/代役補完ショットは世代差・保存状態に起因する解像感のばらつきや色飛びが散見。総じて劇場版の印象を超える視認性は得つつ、素材混合の限界も露呈する仕上がり。
音響効果レビュー【dts‑HD MA 1.0ch】
モノラル1.0ch。レンジは現代基準で控えめだが、セリフは明瞭で破綻は少ない。
AVアンプのアップミックス(Dolby Surround / DTS Neural:X)で包囲感はわずかに向上するが、音像は中央集約の作品特性が基本。無理なワイド化より原音志向の再生が◎。
過去版・関連作との比較/補完視聴のすすめ
- 香港公開版(Alternate Versions):編集・素材構成が異なるため物語の流れや質感を比較できる。
- The Final Game of Death(Arrow):未使用・NG含む素材からクライマックス構想を可能な限り再現。本作の“編集映画”としての限界と、リー本人映像の真価を補完。
特典映像一覧
特典名 | 新規 | 画質 |
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Audio Commentary by Brandon Bentley & Mike Leeder | YES | HD |
Alternate Japanese Version | YES | HD |
Interview with Colleen Camp | YES | HD |
Deleted & Alternate Scenes | YES | HD |
Archive Interviews | YES | HD |
Behind-the-Scenes Footage | YES | HD |
Pre-Production Sales Featurette | YES | HD |
Fight Scene Dailies | YES | HD |
Locations Then & Now | YES | HD |
Trailer Gallery | YES | HD |
Image Galleries | YES | HD |
※エディションにより構成が異なる場合があります。販売ページの収録内容をご確認ください。
購入・再生の注意点
- UHDは原則リージョンフリー。ただし同梱Blu-rayのリージョンは版により異なることがあるため要確認。
- 過去作流用/代役ショットでは画質が落ちる箇所があります(仕様)。
よくある質問(FAQ)
Q. ブルース・リー本人の映像は多い?
A. クライマックスの“塔”パートで本人映像の密度が高まります。一方、前半は代役・流用ショットの比率が相対的に高めです。
Q. 4Kでの見どころは?
A. ネガ由来ショットの粒状感・階調・衣装質感は向上。Dolby Visionにより暗部とハイライトの情報量が増し、構図の意図が読み取りやすくなっています。
総評
『死亡遊戯』4Kは、追悼編集作としての歴史的価値と、“本物”リー映像と代役ショットの落差という構造的ジレンマを併せ持つ。Dolby Visionで見通しは確実に改善し、モノラル音声もクリア。リーの“幻の構想”を深掘りするなら『The Final Game of Death』と併視が理想だが、本盤単体でも時代の空気とプロデュースの妙を体感できる。
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