BATMAN RETURNS(4K UHD Blu-ray)/バットマン リターンズ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

BATMAN RETURNS(4K UHD Blu-ray)/バットマン リターンズ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

BATMAN RETURNS 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 バットマン リターンズ
レーベル WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1992年
上映時間 126分
監督 ティム・バートン
出演 マイケル・キートン、デニー・デヴィート、ミシェル・ファイファー
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語/DOLBY DIGITAL 2.0ch 日本語
字幕 日本語、英語

あらすじ

クリスマスが近づくゴッサム・シティでは怪人ペンギンの話題で持ちきりだった。謎の存在であるペンギンに対して、マスメディアは騒ぎ立てていた。

ゴッサム・シティの実業家、マックス・シュレックは原子力発電所建設の計画を市長に認めさせようとしていたが、市長は「ゴッサム・シティの電力には余剰がある」といって承認しなかった。それでもマックスは原子力発電所の建設に熱意を向けていた。

クリスマスツリーの点灯式の時、ゴッサム・シティをかき乱していたサーカス団が点灯式をぶち壊しにやってくる。その時バットマンが馳せ参じて事態は一旦収束する。しかし、点灯式に出ていたマックスはサーカス団に囚われ、ペンギンことオズワルド・コブルポットと対面する。ペンギンは奇怪な容姿から赤ん坊の時に両親に捨てられ、サーカス団とペンギンたちに育てられていたのである。

世の中で人として認められたいというペンギンに対して、マックスは自身の暗い秘密を握られたこともあり、ペンギンをサポートすることになる。ペンギンを善人に仕立て上げ、次に自分の野望を達成するためにペンギンを市長とすべく動き始める。

マックスは、使えない秘書のセリーナ・カイルがマックスの暗い秘密を握ってしまったことを知ってセリーナを殺害しようとするが、セリーナは猫の魂を宿して生き返り、キャットウーマンとしてゴッサム・シティを暗躍し始める。

バットマンことブルース・ウェインはペンギンが裏で何か企んでいると睨んで、彼の企みを探っていた。その過程でサーカス団の暴動を阻止し、キャットウーマンと対峙してお互い心惹かれる。

バットマンが自身の企みに対して邪魔な存在と知ったペンギンとキャットウーマンは、結託してバットマンを陥れる策を実行する。それに嵌ったバットマンはゴッサム・シティの敵とみなされてしまう。しかし、バットマンもそれに対して逆襲する。

レビュー

1989年に公開され、大ヒットを記録した「バットマン」の直接の続編に当たる作品が、この「バットマン リターンズ」です。1992年に公開された映画の中で北米では最大のヒットを記録した作品ですが、「バットマン」の記録には遠く及ばない成績になっています。映画の評価は高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は81%、観客評価は73%という評価を受けています。

物語はスーパーヒーロー物ではありますが、重苦しいクリスマス映画でもある作品です。映画の公開はサマーシーズンだったのですが、ストーリーはクリスマス前夜の数日を描いたものになっていて、バットマンに相対するヴィランであるペンギンとキャットウーマンの悲劇を中心に描いた異色作になっています。

この映画がスーパーヒーロー物として異色なのは、スーパーヒーローであるバットマンを主役とせず、ヴィランであるはずのペンギンとキャットウーマンを主役にしてしまい、彼らの悲劇をじっくり描いているところにあります。そのため、ヒーローであるはずのバットマンの影が薄くなっており、また、バットマンの活躍も今ひとつ魅力に欠けるきらいがあります。

監督であるティム・バートンは自身の体験を映画のストーリーに込めているようで、ペンギンとキャットウーマンの二人が社会からはみ出した者であり、社会の中に溶け込みたいと思うもののそれが叶わずに社会に対して復讐を図る、という展開になっています。はみ出し者の悲哀が全面に押し出された形のストーリーになっているため、観客はヒーローであるバットマンを応援するどころかヴィランであるはずのペンギンとキャットウーマンに感情移入してしまうという逆転の展開に陥ることになります。

それを通常の世界ではなく、クリスマスというお祝いの時期にヴィランに感情移入させることで、クリスマスの意義を見直させてしまうところに、この映画の独自性があります。クリスマスといえば全世界の人々がハッピーになれるような時期のはずですが、自身の内面に苛まれ、クリスマスを祝う気持ちになれないペンギンやキャットウーマンは、まさに世間の規約からはみ出していて、それはティム・バートン監督が常々感じていた心の内とシンクロしているものであります。

ヴィランで言えば、ゴッサム・シティの実業家であり、裏で色々悪事を働いていて、ペンギンを使ってその悪事を進めようと企むマックス・シュレックもヴィランなのですが、ペンギンとキャットウーマンの二人の存在感が強すぎて、マックスの影が弱まってしまっているのは、この映画ならではです。

ヴィランであるペンギン、キャットウーマンに加え、ヒーローであるはずのバットマンも人格に二面性を備えていて、その二面性のために苦悩する、というところは共通しています。特にキャットウーマンとバットマンのラブロマンスは、二人の二面性との葛藤ゆえに一筋縄では行かず、ラストでその続きを示唆する重い余韻を残しています。

映像は4K/HDR10で収録されています。オリジナルは35mmフィルムですが、2019年に4KのDIを作っていますので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。映像はまさにフィルムをそのままデジタル化したかのような描写を見せています。高精細な映像ではないですが、力強い描写であり、くっきりはっきりした映像表現をしています。特殊効果シーンとライブアクションシーンでは画質の差が見えてしまうところもあります。HDR10による色彩効果もバットマンのダークな世界観を再現するのに効果的です。決して派手な色彩ではないですが、重苦しい世界観を見事に再現しています。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされています。オリジナルは世界初のDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドを採用した映画であり、5.1chからDOLBY ATMOSにミックスし直しています。音の広がり感は素晴らしいものがあり、オブジェクトが移動する効果は十分に出ています。また、オリジナルにはない天井方向へのオブジェクトの移動や拡散も十分にあり、よりリアルなサラウンドになっています。レンジが1992年当時のサウンドですのでナロー気味ですが、不満はあまり感じません。

なお、このディスクは全世界共通盤ディスクです。4K UHD Blu-ray Playerの言語設定を日本語に設定しておくと、メニュー画面から日本語で表示され、日本語字幕か日本語吹き替えを選択できます。

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