ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビュー
No Image | 原題 | BEVERLY HILLS COP:AXEL F |
レーベル | Netflix | |
制作年度 | 2024年 | |
上映時間 | 118分 | |
監督 | マーク・モロイ | |
出演 | エディ・マーフィ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジャッジ・ラインフォルド | |
画面 | 2.39:1/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語 | |
字幕 | 日本語 |
あらすじ
デトロイトの警官であるアクセル・フォーリーは、麻薬密売事件を追っていたが、上司から任務を外されていた。しかし、それでも事件を追いかけるアクセルは、仲間のマイクをダシにしてマイクが麻薬密売捜査をしていることにして、密売が行われるアイスホッケー会場で密売人逮捕に動く。しかし、その逮捕劇は大騒動になり、上司は責任を取って退職の動きを見せる。
その頃、ビバリーヒルズでは、ジェーンという弁護士がサムという犯罪人の弁護を引き受けようとしていた。サムは麻薬の潜入捜査官の車に同乗していて、潜入捜査官は死亡して、サムが麻薬を持っていたことで容疑をかけられていたのであるが、ジェーンはサムは無実だと確信していて、その証拠を裁判に提出しようとしていた。しかし、サムの弁護を引き受けた後、麻薬密売組織から脅迫を受け、生命の危機を感じる。脅迫されたことはかつての恋人であったビバリーヒルズ警察のボビーには話していたが、ジェーンの実の父であるアクセルの耳にも入った。
アクセルは、かつてビバリーヒルズ警察で一緒に仕事をしたビリーと電話でやり取りをして、ビバリーヒルズに飛んでいくのだが、ビリーは行方が分からなくなり、ジェーンと再会する。ジェーンとアクセルの間にはなかなか埋められない溝があり、ギクシャクした関係だったが、それでも二人は麻薬密売の真相に向けて動き出すことになる。
ビバリーヒルズ警察にはかつての仲間であったタガートと、麻薬捜査官であったグラントがいて、事態の深刻さに頭を痛めていた。アクセルは、タガートたちの警告を聞かずにビバリーヒルズに蔓延る麻薬密売について捜査を続けるが、次第に彼らは追い詰められていく。ボビーも仲間に加わり、アクセルは麻薬密売の真相について得意の口八丁を駆使して迫っていく。
レビュー
1980年代に人気コメディ俳優として一世を風靡したエディ・マーフィが主役を務め、これまた人気を博した刑事アクションコメディ映画「ビバリーヒルズ・コップ」シリーズの30年ぶりの新作が、この「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」です。今回はNetflixオリジナル映画として配信で登場しています。評価は水準並みであり、Rotten Tomatoesの批評家評価は65%、観客評価は79%という評価を得ています。
30年ぶりにシリーズ復活となった「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」ですが、現代風の展開ではあるものの、割と1980年代のシリーズ初期を彷彿とさせるストーリーで王道的内容なので、安心して見ることができます。新鮮味はないのですが、安定感のあるストーリーに仕上がっています。
エディ・マーフィが主演の映画は30年ぶりに見ましたが、思ったより歳を重ねた感じは受けず、意外と若々しい姿で、相も変わらず口達者な話術で周りを巻き込みながら、事件を解決していくという展開にスカッとします。
その一方で、今回は娘であるジェーンとの親子の壊れた絆がどう取り戻していくのかという現代的テーマも盛り込まれていて、親子愛にも言及したストーリーは、今風の内容になっています。
1980年代のシリーズで登場したビリーやタガートといったキャラが再登場するのも面白さの一つではありますが、今回のアクセルの相棒はボビーという中年刑事であり、ボビーとアクセルのやり取りの面白さは、かつてのビリーとのやり取りを彷彿とさせるものがあります。もちろん、クライマックスではビリーたちも活躍するシーンが盛り込まれているので、シリーズを見ていた人には喝采をあげること間違いなしです。
映画配給はNetflixなのですが、制作はすでにこの世にいないドン・シンプソンと未だ現役のジェリー・ブラッカイマーが担当しているのも、この映画を印象付ける一因になっています。ドン・シンプソンがこの世を去っていますから、ドン・シンプソン/ジェリー・ブラッカイマー・プロダクションを名乗る必要はないと思うのですが、ドン・シンプソンに敬意を払っているように思えます。
映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。DIは4Kで管理されていますので、ネイティヴ4Kでの配信となっており、映像は高精細で細部まで見通せる細やかさを持っています。DOLBY VISIONによる色彩表現も色乗りが十分で、ビバリーヒルズの華やかさをうまく表現しています。ただ、光の明るさや暗部の表現という部分では思ったほど効果は上げていません。
音響はDOLBY ATMOSで提供されています。頭上方向を含む音の広がり感は十分なものであり、アクションシーンでは自分がその場にいるかのような感覚を覚えます。BGMも頭上で鳴り響くので、魅力的なイマーシヴ・サラウンドになっていますが、オブジェクトの配置という意味では少々物足りない部分も散見されます。
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