佐野元春 & THE HOBO KING BAND Billboard Live ‘Smoke & Blue 2024’|ビルボードライブ横浜

佐野元春 & THE HOBO KING BAND Billboard Live ‘Smoke & Blue 2024’|ビルボードライブ横浜

2024年9月23日 1st Stage

はじめに

佐野元春の恒例ビルボードライブの開催が発表されたのは、7月半ぐらいだったと思う。当時はまだ福岡に住んでいたのであるが、開催日程が9月、10月だったので、8月に横浜に引っ越す僕としては、とても行きやすい日程になっているなとは思った。ただ、開催日程を見るとどれも平日開催で、仕事が在宅勤務の僕としては少々行きづらいとも思っていた。

それでも日程をよく見ると、9月23日の祝日にツアー初日の横浜が開催されることに気づいた。祝日ならば、仕事の気兼ねなく行けるなとは思ったが、祝日なのでチケットが取れるか疑問も残った。そして、チケット先行予約開始日前に、ビルボードライブ横浜でのライブ開催前日に佐野元春 & THE COYOTE BANDのキーボーディスト、渡辺シュンスケのソロプロジェクト、Schroeder-Headzが東京、青山でライブを開催するのでそのチケットを取ってしまったこともあり、2日連続でライブに行くのはどうなのよ? という気持ちもあった。それでも、家から近くてかつ祝日開催の横浜のチケットを取ることを決め、ファンクラブ先行予約にチケットを申し込んだ。

今回はビルボードライブでの開催ということもあってか、ファンクラブ直のチケット先行予約はなく、プレイガイドのイープラスでファンクラブ先行予約を受け付ける、という話だった。イープラスはあまり使ったことのないプレイガイドであるが、アカウントは持っているので、ファンクラブ先行予約を申し込んだ。そして、運よくビルボードライブ横浜のチケットは確保できた。

福岡に住んでいた時にはチケット確保後に飛行機だ、新幹線だ、ホテルだの手配が必要になっていたのだが、ビルボードライブ横浜のチケット確保と8月からの住まいが横浜なので、その辺の手配は一切不要でかなり気楽だった。チケットは横浜に引っ越ししてから、コンビニエンスストアで発券した。その時に座席の位置を見たのだが、その位置の凄さに気づいていなかった。

初めてビルボードライブ横浜に足を向けるが、好位置の座席に驚愕する

9月23日の午後、ビルボードライブ横浜に足を向けた。家からは大体1時間でたどり着ける。ビルボードライブ横浜に行くは初めてである。そもそもビルボードライブ横浜はオープンしたのがコロナ禍が始まる前後あたりだったのではないかと思う。2022年にも佐野元春がビルボードライブを開催した時、ビルボードライブ横浜で公演を行っていたと思うが、2022年の公演は見に行かなかった。日程の関係もあったが、コロナ禍で自粛していたのが辛くなって、沖縄に旅行に行きたくて、そちらを優先した為に佐野元春のビルボードライブは敢えて行かなかったのである。

ビルボードライブ横浜は、みなとみらい線の馬車道駅から2-3分でたどり着ける好位置にある。横浜駅まで一回出て、みなとみらい線に乗り換え、馬車道駅で降りてビルボードライブ横浜に到着し、入場した。まだ、開場時間少し前だったので、ロビーで待たされた。待っている間にスタッフが飲食物のオーダーを聞いていたので、「YOKOHAMA SWING」というハンバーガーと、「TOKYO隅田川ブルーイング ペールエール 生」のビールをオーダーした。

開場時間が過ぎ、場内に案内された。自分の席をチケットを見ながら探したら、信じられない事態に遭遇した。自分の席は最前列のしかも佐野元春が座る座席のほぼ真正面に近い位置だったのである。ファンになって39年が経過しているし、ファンクラブに入会したからも長い間経過しているが、こんな好位置の座席が確保できたのは初めてである。あまりの感激に持っていたiPhoneで写真を大量に撮影してしまった。

オーダーしたハンバーガーとビールが届くのを待っていると、同じテーブルに着席するファンの方が徐々に訪れた。僕以外は女性ファンであって、しかもファン歴はそんなに長くはないみたいだった。いくつか話をさせてもらったのであるが、桑田佳祐とコラボした「時代遅れのRock’n’Roll Band」で佐野元春の勇姿を見てファンになったという人や、かつてはファンだったのだが一時期ファンを辞めていて、やはり「時代遅れのRock’n’Roll Band」でファン熱を再燃させた、という話が多かった。桑田佳祐とのコラボが結構影響を与えているのだな、と再認識した次第である。

女性ファンたちもあまりに好位置の座席だったので、驚愕していた。女性ファンたちも結構遠征組が多く、関西から来たという人もいれば、茨城から来たという人もいて、かつての僕と同じだな、とは思った。

そんな話をしているとハンバーガーとビールが届いたので、少し時間は早いが夕食代わりにハンバーガーとビールを楽しんだ。ハンバーガーは肉厚で、「肉を食べた!」という気にさせてくれる良いメニューだった。

開演時間は17:00だったが、その少し前に座席をステージに向けてライブを鑑賞する準備をしていたところ、佐野元春が座る座席の前の床に光る文字が書かれた紙が置いてあった。よくよく見ると、なんとセットリスト表だった。もちろん、佐野元春が見る為に置かれているのと、PAの関係で全てが見えたわけではないが、一部選曲はライブが始まる前にわかってしまった。

17:03にバンドメンバーがステージに登場し、その後続いて佐野元春もステージに登場した。そして、演奏が始まった。

※ここからセットリストを公開しますので、ご注意ください。

セットリスト

  1. It’s Alright
  2. Do What You Like
  3. こんな素敵な日には
  4. バルセロナの夜
  5. 二人のバースデー
  6. 最後の1ピース
  7. 地図のない旅
  8. 希望
  9. 流浪中(Darjeeling)
  10. 7日じゃたりない
  11. 観覧車の夜
  12. ドクター
  13. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
  14. トーキョー・シック
  15. 最新マシンを手にした子供達

佐野元春がMCで「皆さん、たくさん集まってくれて嬉しいです。どうもありがとう」と言って、「It’s Alright」を演奏し始めた。まさにビルボードライブならではのアレンジで、ご機嫌な演奏である。佐野元春が目の前にいるので、興奮していたが、実は佐野元春の顔をじっくり見ていたかというとそうではなく、佐野元春が弾くギターをじっくり見ていた。いつもライブで佐野元春がギターを弾いているが、その音色が聞こえなかったので、今回、じっくり聴きたかったのである。最前列ということもあったのか、佐野元春の弾くギターの音色もよく聞こえ、納得してしまった。

座席の位置の関係でドラムとベースは右耳からしか聞こえず、キーボードは左からしか聞こえないので、まるでビートルズの実験的楽曲を聴いているかのような錯覚に襲われた。

二曲目は、「Do What You Like」である。ジャズっぽいアレンジでいいグルーブ感である。

佐野元春のMCが入り、「ビルボードライブは今回8回目です。髪の毛も最初の頃はもじゃもじゃでしたが、今はスッキリです」なんて話をしながら、三曲目に入る。「こんな素敵な日には」である。これもジャズっぽい感じである。そもそもこの楽曲をライブで演奏したことってほとんどないのではないか、と思った。ビルボードライブで過去の記録を見た限りでは、演奏していたことはわかっているが、通常のライブではまず演奏しない楽曲である。

次の楽曲も最近はあまり聞かない。「バルセロナの夜」である。これも過去の記録を見たところ、最近だとデビュー35周年記念ライブで演奏したっきりである。この楽曲の優しきが演奏にも滲み出していて、いいバイブレーションを放っていた。

佐野元春のMCが入る。「誰でも共通して持っているものがあります。それは誕生日。今日、誕生日の人はいますか?」と観客に聞いていたが、誰も手をあげなかったので「誕生日の人がいてもいなくても、この楽曲を歌うんだけれどね」と言って、「二人のバースデー」を演奏した。この楽曲の演奏も珍しい。やはり過去にビルボードライブで演奏したことはあったが、今回はオリジナルよりは跳ねた感じのアレンジで演奏されていた。ここまで、初期の楽曲を中心に演奏していった。

次からはアルバム「THE SUN」からの選曲が続く。最初は、「最後の1ピース」である。長田進のギターが印象的なアレンジでこの楽曲が進行していく。

佐野元春のMCが入る。「THE SUNがリリースされたのが2004年です。THE SUNがリリースされてから今年で20周年を迎えます」という話をしてから、「地図のない旅」を演奏した。元々「THE SUN」自体がTHE HOBO KING BANDとのコラボで制作されたアルバムなので、演奏も手慣れたものである。

続けてこれまた珍しい「希望」を演奏する。「THE SUN」の楽曲は、アルバムリリース後のプロモーショナルツアー以降はあまり演奏することがなかったので、かなり新鮮に聞こえる。もちろん、ビルボードライブでは演奏している時もあるのだが、割とアルバムとして軽視されている気がしないでもない。それがこのビルボードライブでは重要な位置を占めているのが貴重である。

佐野元春のMCが入る。「次の楽曲は作詞、作曲は僕なんですが、歌っていたのはDarjeeling、Dr.kyOnと佐橋佳幸のユニットですね。楽曲名は”流浪中”。流浪中の意味を調べました。僕とTHE HOBO KING BANDのことを言っているのと同じです」なんて話をして、Darjeelingに提供した「流浪中」を歌った。当然僕には初めて聞いた楽曲なので、新鮮だった。でも、やはり佐野元春らしい楽曲であった。

次は、「7日じゃたりない」。この楽曲ではDr.kyOnがアコーディオンを演奏する。この楽曲が収められたアルバム「THE BARN」もTHE HOBO KING BANDとのコラボアルバムなので、グルーヴ感はかなりある。

続けて、「観覧車の夜」を演奏する。「THE SUN」のプロモーショナルツアーの時のライブアレンジで佐橋佳幸のギターリフが印象的だったこの楽曲であるが、今回も長田進のギターリフが印象に残るアレンジになっていた。

そして、「ドクター」を演奏した。アルバム「THE BARN」からはこの楽曲を含め2曲演奏したことになる。どこか乾いた感じのするアレンジになっていて、盛り上がる演奏になっていた。

場内が盛り上がったところで、「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」である。この楽曲は割と演奏されることが多いし、アルバム「自由の岸辺」にもビルボードライブでの演奏をベースにアレンジし直されて収録されているので、馴染み深い楽曲である。

佐野元春のMCが入り、「そろそろ時間が来てしまいました。今夜最後の曲は今やこの’Smoke & Blue’のテーマソングです。’トーキョー・シック”」と言って、「トーキョー・シック」を演奏した。ビルボードライブでこれまで演奏してきたアレンジからどことなく雪村いづみとの共演で披露したビックバンド風のアレンジに近い方に振れたかな、という気はした。

佐野元春のMCが入り、メンバー紹介をした。ドラムは古田たかし、ベースは井上富雄、ギターは長田進、キーボードはDr.kyOnであった。そして、「もう一曲演奏します」と言って、ライブの本当に最後の楽曲である、「最新マシンを手にした子供達」を演奏した。この楽曲もアルバム「自由の岸辺」に収録されているだけあって、馴染み深く、ラストの盛り上げに最適だと感じていた。この楽曲ではDr.kyOnもギターを手にしたので、長田進とダブルギターでの演奏になった。

全ての楽曲の演奏が終わり、観客は総立ちだった。さらに演奏を求める手拍子が続いたが、佐野元春とTHE HOBO KING BANDのメンバーはステージを去り、公演は終了した。ライブ演奏時間は1時間20分だった。

今回、とてもいい位置でのライブ鑑賞ができ、なんか夢のようなひと時を過ごすことができた。セットリストも普段のライブでは演奏されない楽曲が多く演奏され、意外性が高かったと思う。2019年のビルボードライブを見に行って以来、5年ぶりのビルボードライブだったが、見に行けてよかったと思う。

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