『ドラゴン/ブルース・リー物語』4K UHD Blu-ray(輸入盤)レビュー|伝説の武道家を妻リンダの視点から描く伝記映画【Dolby Vision / dts-HD MA】

『ドラゴン/ブルース・リー物語』4K UHD Blu-ray(輸入盤)レビュー|伝説の武道家を妻リンダの視点から描く伝記映画【Dolby Vision / dts-HD MA】

カンフーを世界に広めた伝説的存在、ブルース・リー。その波乱の生涯を妻リンダの回想録に基づいて映画化した伝記作品。アクションスターとしての躍進、人種差別との戦い、家族との絆を描きつつ、彼の心を苛んだ“恐怖”との対峙を主題化。没後20周忌(1993年)に制作され、今なおファン必見の一本だ。

『ドラゴン/ブルース・リー物語』4K UHD Blu-ray 基本仕様

ドラゴン/ブルース・リー物語 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 ドラゴン/ブルース・リー物語
原題 Dragon: The Bruce Lee Story
レーベル Shout! Studios
制作年度 1993年(劇場公開版)
上映時間 120分(劇場公開版)
監督 ロブ・コーエン
出演 ジェイソン・スコット・リー、ローレン・ホリー、ナンシー・クワン
画面 2.39:1 / Dolby Vision
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / dts-HD MA 2.0ch 英語
字幕 英語
リージョン UHD=リージョンフリー, Blu-ray=リージョンA
パッケージ UHD 1枚(本編) / BD 1枚(本編+特典映像)

あらすじ(短縮版)

香港からアメリカへ渡った若きブルース・リーは、人種差別と逆境に抗しながら武道を広め、世界的スターへと駆け上がる。だがその歩みは、心の底に潜む“恐怖”とのたゆまぬ闘いでもあった。

あらすじ(詳細)

1940年サンフランシスコ生まれのブルース・リーは、香港での不良少年時代を経て渡米。中華街で働きつつ道場を開き、のちの妻リンダと出会う。差別や中国人社会からの反発、刺客との対決で負った背骨の損傷を乗り越え、独自の武道哲学「ジークンドー」を築く。「グリーン・ホーネット」出演、香港での映画的成功を経て『ドラゴン危機一発』『燃えよドラゴン』へ。栄光の陰で、幼少期からの恐怖は彼と息子ブランドンにも影を落とす。家族の愛と支持者に支えられながら、ブルース・リーの人生は伝説となる。

見どころとテーマ

  • 伝説的スターの生涯を映画化: 妻リンダの自伝に基づく追悼的伝記映画として、神話化でなく“人間ブルース・リー”を描く。
  • 人種差別との闘い: 表層の成功の裏側で続く差別と制度的壁を、哲学と実践で突破する過程。
  • 家族の絆: リンダと子どもたちの支えが、挫折からの再起と創造の原動力に。
  • 恐怖の具現化: 甲冑戦士として視覚化される内面の“恐怖”が、ドラマの縦糸を形成。
  • ジークンドーの提示: 技術を超えた生の哲学として、物語全体に息づく。

4K UHD Blu-ray 映像レビュー【Dolby Vision】

35mmを4Kスキャンしたネイティヴ4Kマスター。全体はソフトフォーカス傾向で場面により解像感の振れはあるが、クローズアップでは35mmらしい細部も楽しめる。Dolby Visionは暗部の黒潰れを抑え、昼夜のコントラストを自然に制御。70年代の香港/米国を彩る落ち着いたトーンが心地よく、過度に派手にしないグレーディングが作品の質感に合致。

映像スコア:78点

音響レビュー【dts-HD MA 5.1ch】

オリジナルのDolby Stereo 3-1を基にした5.1chリミックス。定位はクラシック寄りながら、観客の歓声・雨音・打撃音が包囲感をしっかり形成。LFEの押し出しが意外に強く、アクションの重さを増幅。Neural:X適用でわずかに高さ演出も得られるが、基本は5.1の枠内で良質にまとまる。

音響スコア:80点

総評

伝説の再演に留まらず、恐怖・愛・哲学まで掘り下げた伝記ドラマ。4K/HDRの刷新とリミックス音響で、アクションの躍動と人物の陰影が両立。ファンはもちろん、ブルース・リー像を更新したい人にも推せる再評価盤だ。

総合スコア:79点

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