MORTAL KOMBAT(2021)(4K UHD Blu-ray)|モータルコンバット|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

MORTAL KOMBAT(2021)(4K UHD Blu-ray)|モータルコンバット|輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ディスク仕様

No Image 邦題 モータルコンバット
レーベル Warner Bros.Entertainment
制作年度 2021年
上映時間 110分
監督 サイモン・マッコイド
出演 ルイス・タン、ジェシカ・マクナミー、ジョシュ・ローソン
画面 2.39:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

はるか昔の日本、ハサシ・ハンゾウという忍者は妻や子供たちと静かに暮らしていた。しかし、その生活はビ・ハンという刺客によって破られる。ビ・ハンは自身の物を凍らせる能力を使って半蔵の妻子を凍らせて殺してしまい、復讐に燃えるハンゾウをも仕留めてしまう。しかし、ハンゾウの赤ん坊だけは奇跡的に助かり、ライデンが赤ん坊を保護する。時は過ぎて現代、格闘家のコールは妻子に恵まれていたが、格闘家としての能力は今ひとつで、対戦に勝つことはできなかった。コールは生まれつき体に龍のあざがあり、そのあざはハンゾウが持っていたあざと同じだった。そのコールの前にビ・ハンことサブ・ゼロが現れ、コールを抹殺しようとする。コールの命を救ったのは、同じく龍のあざを持つジャックスという男だったが、ジャックスはサブ・ゼロの物を凍らせる能力により、両腕を失ってしまい、瀕死の重傷を負う。ジャックスに指示されたコールはソニアという女性の元を訪れ、ソニアが監禁しているカノーという男とも知り合う。ソニアは龍のあざはなかったが、カノーは龍のあざを持っていた。彼らは、襲いかかる敵と戦うために、ライデンの住む宮殿を探して放浪し、リュウという若者の導きでライデンと出会う。ライデンの話では、地球外生命体と龍のあざを持った地球人とが「モータルコンバット」というトーナメントを行い、10回買った方が地球を征服できる、そしてすでに9回地球外生命体に負けていて、ラストの戦いが行われる前に龍のあざを持った地球人の秘められた能力を解放して、「モータルコンバット」を勝ち抜くしかない、と話し、コールたちに修行を命じる。コールたちは能力発揮のために修行を行うが、コールの能力はなかなか解放されなかった。そのうちにカノーは能力を解放することに成功するが、地球外生命体に寝返り、彼らをライデンの宮殿に招き入れてしまう。そして、コールの能力解放ができないまま、10回目の「モータルコンバット」が始まってしまった。

レビュー

アメリカで人気の対戦格闘テレビゲーム「モータルコンバット」を実写映画化したのが、この「モータルコンバット」です。1990年代にも実写映画化されていますので、2度目の実写映画化になりますが、劇場公開された時には新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なったこともあり、北米だけの興行収入では制作費は回収できず、全世界興行収入で制作費を上回るという状態になっています。映画の出来としてもあまり褒められたものではなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は54%とかなり低いです。観客評価は86%と高いので、観客は楽しんでいたようですが。

人気対戦格闘テレビゲームの映画化ということもあって、ドラマ要素はお飾りで、主軸はゲームで繰り広げられる主人公側と地球外生命体との戦いとその繰り出される必殺技、ゲームで話題になっていた残虐なフィニッシュシーンの再現などに主軸を置いている感があります。もちろんゲームを映画化したわけですから、主人公の成長物語も描いてはいるのですが、あまり深刻に描かれることはなく、とにかく派手なSFXでゲームの世界感を映画化しようとする方向性を強く感じました。

また、物語のお約束ごととして主人公側の一人が裏切るというパターン化された展開がこの映画でも広げられていますが、それも含めて、極めてポップコーンムービー的映画であると言えると思います。物語に深みはないのですが、とにかく派手なアクションと残虐シーンの続出で、見ている間は楽しめる、見終わった後はすっきり忘れられる、という内容の映画になっていると思います。

物語の主人公はコールという格闘家であり、彼を中心に様々なキャラが「モータルコンバット」を戦い抜くというストーリーになっていますが、コール自身になんか主役感が弱いような気がします。それよりも物語のキーを握るハサシ・ハンゾウという忍者が真の主役なのではないか、と思うような演出になっています。真田広之が演じたハンゾウは物語冒頭でビ・ハン、後のサブ・ゼロの奇襲を受け、戦死してしまいますが、クライマックスではスコーピオンとして冥界から復活し、コールと共にサブ・ゼロに立ち向かう姿が描かれます。僕が日本人だから身内贔屓な部分もあるとは思うのですが、ハンゾウの描き方が美味しいところを全て持っていく、という感じでコールよりも華があるように感じられて、コールの立場がないように感じられます。

その他にもライデンを演じたのは浅野忠信で、彼も美味しい部分を持って行っているなと感じるところはあります。ライデンは地球人を守護する役割を持っていますが、ライデンがいれば、何も龍のあざを持った地球人に「モータルコンバット」で地球外生命体と戦わせなくても、ライデンのパワーで地球外生命体を圧勝できるのでは、と感じざるを得ません。

さらに言えば、なんで「モータルコンバット」を10回勝ち抜いた方が地球を征服できるのか、というそもそも論が浮上してきます。まあ、これを言ったら、ゲームの映画化という企画自体が倒れてしまうので傍に置いておきますが、ストーリー的には結構ツッコミどころ満載の映画のような気がします。

映像は4K/HDR10で収録されています。撮影素材等は4.5Kが存在しているようですが、DIは2Kでまとめられているために、アップスケール4Kでの収録になっています。アップスケール4Kでの収録のため、解像度は流石にネイティヴ4Kに比べると落ちます。2Kレベルの解像度としては十分ではありますが、おそらくSFXのCGクリエイティングで2Kマスターを作るのが限界だったのでは、と思います。HDR10による色彩管理は見事で、キャラクターの放つ必殺技のカラフルさや、自然界の描写などは自然な印象を与えています。

音響はDOLBY ATMOSで収録されています。この映画からAVアンプを買い替え、マランツのCINEMA 70sでの視聴になりましたが、ものすごい三次元サラウンドが展開されています。キャラクターの必殺技は視聴者の周囲をスムーズに通りすぎ、頭上からは低音の圧力がガンガン鳴りますし、サラウンドの描写も秀逸で視聴者が映画の中にいる感覚を存分に与えてくれます。ただ、真田広之の日本語のセリフは少し聞き取りづらいところはあります。

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