タイラー・レイク -命の奪還- 2(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビュー

タイラー・レイク -命の奪還- 2(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 EXTRACTION 2
レーベル Netflix
制作年度 2023年
上映時間 123分
監督 サム・ハーグレイヴ
出演 クリス・ヘムズワース、ゴルシフテ・ファラハニ、トルニケ・ゴグリキアーニ
画面 2.35:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

前の任務で瀕死の負傷を負った傭兵のタイラー・レイクは、奇跡的に生きていて、病院に担ぎ込まれ、一命を取り留める。怪我の治療も困難を極めたが、徐々に回復してきた。病院を退院し、任務の指示を出すニックの手配によって一軒家で療養していたタイラーの元に謎の男が現れ、新たな任務の依頼をニックを通さずに行う。それは、ジョージアで麻薬の密売や武器売買等を行う犯罪集団ナガジのボス、ズラブの弟ダヴィットの家族が刑務所に監禁されているので、家族を刑務所から解放してほしい、というものだった。ダヴィットも刑務所に収監されていたが、犯罪行為に目を光らせるアメリカの意向により、刑期が10年延長されていた。それに怒ったズラブはジョージアの政治家たちを抹殺していた。任務の依頼を受けたタイラーは、ニックやニックの弟のヤズとジョージアの刑務所に密かに潜入し、ダヴィットの家族を刑務所から解放しようとするが、他の囚人に勘付かれてしまい、刑務所内は混乱状態になる。そして、家族を奪われると判断したダヴィットはタイラーの前に立ちはだかるが、タイラーはダヴィットを抹殺する。混乱の刑務所内で襲いかかる囚人たちを倒しながらタイラー達はダヴィットの家族を刑務所から解放し、ウィーンに身を潜める。しかし、ダヴィットの息子であるサンドロはタイラーが父を殺したことを知って、叔父であるズラブに密かに連絡をとり、自分の居場所を教えてしまう。ズラブはナガジの部隊を引き連れ、タイラー達を急襲する。その戦いの中で、タイラーがなぜ、この家族救出の任務を引き受けたのかが明らかになってくる。

レビュー

Netflixオリジナル映画として配信され、好評を博した「タイラー・レイク -命の奪還-」の正式な続編にあたるのが、この「タイラー・レイク -命の奪還- 2」です。2023年のサマーシーズンにNetflixで独占配信されている映画であり、話題の作品であります。Netflix独占配信の映画なので劇場公開はされていませんが、評判は比較的高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は75%、観客評価は89%と高水準の評価を得ています。

物語は前作の続編になり、前作のラストで死んだものと思われていた傭兵、タイラー・レイクが実は生きていて、また新たなる任務に就く、という展開になっています。前作のラストでも死んだ描写は曖昧にされていて、続編が作れるような終わり方をしていましたが、前作のヒットを受けて正式に続編が作られ、タイラー・レイクも死んではいなかった、という設定になっています。前作の続編ではありますが、物語の展開や設定は別に前作を見なくても本作だけでも楽しめるようになっているので、シリーズ物でありながら、単独映画として楽しむことができます。

今作で目立つポイントはとにかくアクションシーンがとても多い、ということです。映画の大半をアクションシーンで締め尽くされていて、そのアクションシーンの僅かな合間にタイラー・レイクの心の葛藤や刑務所から解放された犯罪組織の一員であるダヴィットの家族達の家族を思う気持ちなどが少しずつ描写されることで、登場キャラの心情をアクションで繋ぐ形をとっています。

特にすごいアクションシーンだと思ったのは、物語前半のクライマックスであるダヴィットの家族を刑務所から解放するためのタイラー・レイクの任務遂行シーンで、どうやったのか全くわかりませんが、刑務所内から脱出シーンまでをずっと1カットで切れ目なしにカメラがタイラーレイク達を追い続けるシーンです。カメラのカットがないのでずっとテンションが持続したままアクションが行われていて、一種異様なアクションシーンになっています。

アクションが目玉の映画ですので、ドラマ部分が薄いかと思うと、その辺はちゃんと描かれていて、テーマ的に家族の愛情とは何か、ということを主人公であるタイラーや、彼に任務の指示をするニックとヤズの兄弟、ダヴィットとその家族、ズラブとダヴィットの兄弟、といった関係性で浮かび上がらせています。

しかも、タイラー・レイクとダヴィットの妻であるケトの間には、タイラーの別れた妻であるミアの妹がケトである、という義理の兄弟関係にもあり、タイラーがなぜ、この任務を引き受けたのかという疑問にもストレートに回答しています。タイラーがなぜ妻と別れたのかについても描かれており、タイラーの息子が病気で死亡した時に、タイラーはその死に目に立ち会う勇気がなかったために傭兵の任務を優先させていた、という引け目を負っているのも、タイラーという人物の影を描くことに成功していると思います。

一方でダヴィットの息子であるサンドロも、父を殺した張本人としてタイラーを問い詰めるばかりか、犯罪組織ナガジを家族と看做している部分があり、それが為に叔父であるズラブに自分の居場所を伝えてしまうところがあり、そのために家族が危機に陥るというどの家族愛を優先するのかという課題を提起しているところもあります。サンドロ自身は最終的にはナガジは家族ではない、とは判断しますが、そこに至るまでの心の葛藤は重いものがあります。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。Netflixオリジナル映画は大体この仕様で配信されることが多いですが、DIのマスターは4Kですので、ネイティヴ4Kでの配信になっています。ネイティヴ4Kですので、映像の精彩感は相当高いです。隅々まで行き渡った細部の描写やテクスチャーが、リアルな描写を生んでいます。また、DOLBY VISIONによる色彩管理も相当なもので、まるでガラス越しに実物の風景を見ているかのような色彩が彩られ、光の加減も魅力的で現実感が相当あります。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされていますが、アクション映画ならではのオブジェクト満載の三次元サラウンドが全編に渡って展開され、音の包囲網が途切れることはありません。銃撃シーンは四方八方から行われ、爆発シーンなどは自分がその爆発の中に居合わせたかのような臨場感を生み出しています。アクションシーンと完全に同期したイマーシヴ・サラウンドが縦横無尽に動き回るので、DOLBY ATMOSのデモンストレーション映画として候補に挙げてもいいのではないかと思います。ベースがDOLBY DIGITAL PLUSなので音質に細かいこと言えば、不満がなくもないのですが、この作品が4K UHD Blu-ray化されることはないでしょうから、Netflixで楽しんだほうがいいかとは思います。

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