『トゥルーライズ』4K UHD Blu-ray(輸入盤)レビュー|キャメロン版007に家庭内コメディを混ぜ込んだ、豪快アクション・エンタメ【Dolby Vision / Dolby Atmos】

『トゥルーライズ』4K UHD Blu-ray(輸入盤)レビュー|キャメロン版007に家庭内コメディを混ぜ込んだ、豪快アクション・エンタメ【Dolby Vision / Dolby Atmos】

ジェームズ・キャメロン監督とアーノルド・シュワルツェネッガーが、『ターミネーター2』に続いて再び組んだアクション・コメディが『トゥルーライズ』である。

凄腕スパイでありながら、家庭では冴えないセールスマンを装う男ハリー・タスカー。そこに、平凡な生活に退屈していた妻ヘレンの物語が絡むことで、本作は単なるスパイ・アクションではなく、夫婦関係の再構築を描くコメディとしても成立している。

4K UHD Blu-rayではDolby VisionとDolby Atmosを採用。映像面ではノイズリダクションの強さに賛否が分かれるが、音響面では立体的なアクション表現が大きな魅力になっている。

『トゥルーライズ』4K UHD Blu-ray 基本仕様

True Lies 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 トゥルーライズ
原題 True Lies
レーベル Buena Vista Home Entertainment
制作年度 1994年(劇場公開版)
上映時間 141分(劇場公開版)
監督 ジェームズ・キャメロン
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー, ジェイミー・リー・カーティス, トム・アーノルド
画面 2.39:1 / Dolby Vision
音声 Dolby Atmos 英語 / dts-HD MA 2.0ch 英語 / Dolby Digital 5.1ch スペイン語 / dts-HD HR フランス語
字幕 英語, スペイン語, フランス語
リージョン UHD=リージョンフリー, BD=A, B, C
パッケージ UHD 1枚(本編)/ BD 1枚(本編 + 特典)

あらすじ(短縮版)

アメリカの諜報機関オメガ・セクターに所属する凄腕スパイ、ハリー・タスカー。だが、妻ヘレンと娘ダナには、自分を冴えないコンピューター・セールスマンだと偽っていた。
やがてテロリストの核兵器密輸計画と、ヘレンの“浮気疑惑”が交錯し、ハリーの二重生活は大混乱へと突入していく。

あらすじ(詳細)

アメリカの諜報機関オメガ・セクターに所属するハリー・タスカーは、優れたスパイだった。スイスでの任務も、仲間のギブたちと共に遂行し、見事に成功させていた。

しかし、家庭ではまったく別の顔を持っている。妻ヘレンや娘ダナに対して、ハリーは自分をコンピューターのセールスマンだと偽り、冴えない父親として暮らしていた。

アメリカ国内でテロリストたちと遭遇したハリーは、彼らを追い詰めるが、あと一歩のところで逃してしまう。その日は家族の誕生日祝いの日でもあり、ハリーはまたしても家族の期待を裏切ってしまう。

償いのため、ハリーはヘレンの職場を訪れて昼食に誘おうとする。ところが、ヘレンはサイモンという男と密会を重ねていた。サイモンは自分をスパイだと偽ってヘレンに近づいており、ハリーはヘレンが浮気しているのではないかと衝撃を受ける。

ハリーはオメガ・セクターの能力を使い、ヘレンとサイモンの関係を調査する。その結果、サイモンは単なる女たらしであることが判明。ハリーはヘレンにスパイまがいの任務を与えるが、その最中に本物のテロリストたちが襲撃してくる。

そこでヘレンは、ハリーがコンピューターのセールスマンではなく、本物のスパイであることを知る。
一方、アジズ率いるテロリストたちは、アメリカ国内に核兵器を持ち込んでいた。その手引きをしていたのは美術商ジュノであり、ハリーはスイスでの任務中に彼女と接触していた。

テロリストに囚われたハリーとヘレンは、核テロを阻止するために行動を開始する。ヘレンもまた、夫の正体を知ったことで、否応なくスパイ活動に巻き込まれていく。

見どころとテーマ

  • キャメロンとシュワルツェネッガーの再タッグ
    『ターミネーター2』に続き、ヒットメーカーのジェームズ・キャメロンとアクションスター、シュワルツェネッガーが組んだアクション・コメディ。
  • キャメロン版007の趣
    ハリーのスパイ活動は、まさにジェームズ・キャメロン流の『007』。豪快なアクションと大掛かりな作戦描写が魅力。
  • 妻ヘレンが正体を知るコメディ要素
    ハリーのスパイとしての顔を知らなかったヘレンが、夫の正体を知って巻き込まれていく展開が、本作を単なるアクション映画に留めない。
  • ヘレンの“裏スパイ誕生”物語
    平凡な生活に飽きていたヘレンが、夫の秘密を知ったことで、刺激的な世界へ踏み込んでいく。実質的にヘレンももう一人の主人公である。
  • サイモンの設定の面白さ
    ヘレンを誘惑するサイモンの表向きの姿と、実際の小物ぶりのギャップが、コメディとして非常に効いている。
  • 軽妙に描かれるテロリストたち
    核兵器を持ち込むテロリストという設定は重大だが、映画全体のトーンは軽快で、敵の存在もどこかギャグとして機能している。

4K UHD Blu-ray 映像レビュー【4K / Dolby Vision】

本作は劇場公開時、35mmフィルムで上映された作品である。撮影にはスーパー35方式を採用しており、本4K UHD Blu-rayでは2.39:1のシネマスコープサイズで収録されている。

フィルムから4Kスキャンを行って4K UHD Blu-ray化されているが、『エイリアン2』や『アビス』と同じく、ノイズリダクションがかなり強くかけられている。そのため、フィルムグレインはほとんど見えず、解像度も期待したほど高精細には感じられない。

Dolby Visionによる色彩表現は非常に明るく、夜のシーンですら明るく見えるほどである。原色がはっきりと出るため、Dolby Visionのデモンストレーションとしては一定の見応えがある。
ただし、暗い場面まで明るく処理されているため、フィルムらしい陰影や夜の沈み込みを期待すると、やや違和感も残る。

映像スコア:82点 —— Dolby Visionの鮮やかさはあるが、強いノイズリダクションによりフィルム感と精細感はやや後退。

音響レビュー【Dolby Atmos】

劇場公開時のDolby Digital 5.1chサラウンドをベースに、本4K UHD Blu-rayではDolby Atmosへ再ミックスされている。

ディズニー系4K UHD Blu-rayの傾向として収録音量は低めなので、ある程度ボリュームを上げる必要がある。だが、音量を上げるとAtmosによる立体音響の効果は明確に感じられる。

銃撃シーンでは銃弾が視聴者の周囲で弾け、車両の移動音も自然に流れる。ジェット戦闘機やヘリコプターが頭上を通過する場面では、高さ方向の表現が効果的で、アクション映画としての没入感はかなり高い。

特に印象的なのは、ヘレンを尋問室で尋問するハリーの声が、天井に埋め込まれたスピーカーから響く場面である。実際に天井方向から声が降ってくるように聞こえ、尋問室にいる感覚が強まる。
このシーンはAtmos化の恩恵を最も分かりやすく感じられる場面だ。

音響スコア:91点 —— 音量は低めだが、Atmos化の効果は大きい。アクションと空間演出の相性が良い。

総評

『トゥルーライズ』は、ジェームズ・キャメロンとアーノルド・シュワルツェネッガーが再タッグを組んだ、豪快なアクション・コメディである。

単なるスパイ映画ではなく、主人公ハリーの二重生活と、それを知らなかった妻ヘレンの変化を軸にしている点が面白い。ハリーの退屈な家庭生活と、命懸けのスパイ活動が衝突することで、夫婦の関係が再構築されていく。

テロリストの存在は重大でありながら、映画全体としてはどこか軽く、ギャグとして処理される部分も多い。そのため、物語に深みがあるタイプの作品ではないが、141分を飽きさせずに見せ切る娯楽映画としての完成度は高い。

4K UHD Blu-rayは映像面でノイズリダクションの強さが気になるものの、Dolby Atmos音響は非常に優秀。特にホームシアター環境では、アクション映画としての楽しさを十分に味わえるディスクである。

総合スコア:87点 —— 映像には癖があるが、キャメロン流アクション・コメディの楽しさとAtmos音響の迫力は健在。

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