渡辺シュンスケ TOUR 2025「MUSIC」|晴れたら空に豆まいて

2025年12月13日@晴れたら空に豆まいて

はじめに

渡辺シュンスケが2025年2月にリリースしたソロの歌入りアルバム「MUSIC」のプロモーションツアーを開催するというのは、渡辺シュンスケとSchroeder-Headzの公式サイトで知った。全国で開催されるのだが、首都圏は東京代官山の「晴れたら空に豆まいて」で行われる、ということだった。2025年1月に「シュンチャンショー deアイマショウ 渡辺シュンスケ & SMA 50th Anniversary」を見に行って以来、渡辺シュンスケ、もしくはSchroeder-Headzのライブは見ていなかったので、12月13日の予定がないことを確認して、チケットの予約に走った。

チケットはPeatixというイベント情報サイトで予約したのだが、チケット代は当日支払いになっていたので、予約だけになっていた。ただ、整理番号は相当前だった。

ライブが近づくにつれて、予定が色々入ってきて、忙しかった。12月7日には佐野元春のライブが横浜BUNTAIで開催されたので見に行ったこともあり、1週間で2回もライブを見に行くことになってしまった。寒いし湿度も下がっているし、コロナやインフルエンザが流行っているというので、できるだけ体力は温存していた。

当日は開場時間に間に合うように家を出た。どこか街をぶらつく気はなく、色々家でやることを整理してから、出かけて行った。夜には雨が降るというので曇り空で寒い夕方だった。

代官山の「晴れたら空に豆まいて」は当然ながら行ったことはなかった。そもそも代官山を訪れたことすらなかった。おしゃれな街という印象は強い。東急線では各駅停車しか停まらないから、中目黒駅で急行から各駅停車の電車に乗り換えた。「晴れたら空に豆まいて」は、代官山駅からすぐの場所にあった。

「晴れたら空に豆まいて」はビルの地下二階にあるのだが、入り口の階段の壁に整理番号が書かれた紙が貼ってあった。僕は相当早い番号だったので、その番号の指し示す位置に立って開場を待っていた。整理番号をよく見ると、100番までしかなかったので、定員は100人のようだった。係の人が出てきて「後10分で開場しますので、しばらくお待ちください。チケット代とドリンク代は入場時に現金で支払っていただきます。席は自由席ですが満席なので詰めてお座りください。」とアナウンスしていた。

18:00ちょうどに開場したので、整理番号順に入場する。入り口で整理番号と名前を言い、チケット代とドリンク代を現金で支払って入場した。場内は狭く、一見すると古民家的内装だった。席は100席あるというが、椅子が全部丸椅子だった。せっかく早い整理番号で入場できたので、最前列の席を1つ確保し、ドリンクを交換しにカウンターに行った。

ノンアルコールビールをもらってから席に戻り、開演を待った。地下二階の会場だと、iPhoneの電波はほぼ届かず、圏外になってしまうので、iPhoneをいじって暇を潰すことはできず、ただ、ぼーっとノンアルコールビールを飲みながら、場内BGMを聴いていた。

ステージはピアノが一つ置いてあるだけだった。もちろん、ピアノにはマイクがセットされているし、何か機材もあるのだが、他のミュージシャンが入り込む余地はなかった。

18:40ごろ、場内が暗くなり、ライブが始まった。

第一部セットリスト

  1. デラシネ
  2. コーヒー
  3. 三寒四温
  4. Far Trip
  5. Rhapsody in Summer
  6. 背番号
  7. Swallow Song

最初にスピーカーからCDと同じイントロが流れてきて、渡辺シュンスケが登場した。ピアノの前に座り、ピアノを弾き始めると、CDと同じイントロは消え、渡辺シュンスケのピアノ弾き語りに変わった。今回のライブはほとんどがピアノの弾き語りで演奏されたのである。最初は「デラシネ」から始まった。

「今晩は、渡辺シュンスケです」と言ってから続いて「コーヒー」を歌った。ピアノ弾き語りだと、CD収録とは違ってピアノの音色がよく聞こえるので、インパクトが大きい。

MCが入る。内容をかいつまんで書くと、「MUSICというソロアルバムを1月に出して、全国10本のツアーを行いまして、今日がファイナルです。MUSICは7曲入りでいいアルバムだと思います。歌入りは30歳代の頃から作っていたのですが、50歳になってもレコード会社の人が出そう、と言わないから自分で出すことにしました。MUSICは7曲入りのアルバムなので、演奏するとすぐ終わってしまうから、小出しにしようかなと思います。」だった。

3曲めは、Schroeder-Headzの新曲「三寒四温」だった。これは前にも聴いたことはあるが、まだCD化はされていない。

MCは「「三寒四温」って冬の終わりと春の始まりの時期を言いますが、フランス語っぽいタイトルをつけたくて、「三寒四温」というタイトルにしました。今日は2部構成にしています。途中でインターバルを入れます。次も新曲で「Far Trip」という曲なんですが、今年どれだけライブを行ったか調べたら、120本こなしていました。途中で1週間分の新幹線のチケットを家に忘れて、1週間タダ働きになってしまいました。」

そして、新曲「Far Trip」を演奏した。静かな感じの曲である。

MCは、「今年、大分県の日田市に行きました。日田の映画館や公民館で演奏させていただきました。車でしか行けないところで。物凄い山奥で。お客さん来るのか? と思いました。公民館のおじさんが司会をしてくれたのですが、とんでもない人でした。次の曲は夏の曲なんですけれど、今年の夏は暑くて長かったですね。」

MCの後演奏されたのは、ようやく新曲ではない「Rhapsody in Summer」だった。ピアノ弾き語りなのだが、デバイスで蝉の音をずっと流していたので、夏っぽい雰囲気満点だった。

MCは、「コロナの時に書いた曲です。つい最近ですね。ワクワクするような曲を作るろうとこの曲を作りました。」と「Rhapsody in Summer」の解説をしていた。

続けて、「MUSIC」から「背番号」が歌われた。僕はこの楽曲は大谷翔平のことを歌った歌だとばかり思っていた。

MCでは、「この「背番号」は若い時、25-6歳の時に書いたのですけれど、当時メジャーリーグで松井秀喜が活躍していたので、それをイメージして書きました。「暇で暇で暇なんです」という歌詞がありますけれど、そんなに暇じゃなくて、暇で、という歌を作りたかったんです。暇は怖いです。」

そして第一部最後の楽曲が歌われた。アルバム「MUSIC」から「Swallow Song」だった。

「ここでインターバルです。15分後ぐらいにまた会いましょう。」と言って渡辺シュンスケはステージから去った。

インターバルの間、トイレに行こうと思ったのだが、女性観客がトイレで順番待ちをしていたので、自分がトイレで用を足すことはできなかった。また、女性観客の一人が具合が悪くなり、運び出されていた。

第二部セットリスト

  1. Blue Period
  2. Cocoon
  3. 暗夜行路
  4. 航空障害灯
  5. 夢の中のふたり(social distance)
  6. Baku-Note
  7. 空飛び猫
  8. Blue Bird
  9. ミラーボール

再び渡辺シュンスケがステージに現れ、また新曲を弾き始めた。タイトルは、「Blue Period」という。Schroeder-Headzらしい楽曲である。

MCが入り、「Blue Period」の説明をする。「青の時代の意味で、ピカソが青い絵ばかり描いていたダメな時期があって、それを曲にしました。」「次はCocoonという曲で、最近はこういうガジェットを使ってピアノと一緒に演奏します。」と話していた。

次も新曲の「Cocoon」である。この楽曲を聴いた時、「シュンチャンショー deアイマショウ」で聴いた曲名不明の楽曲がこれだ、と氷解した思いだった。

MCでは、「Schroeder-Headzの方は最後のアルバム出して5-6年経ってしまって、新曲はできているので、来年アルバムをリリースできたらいいなと思っています。最近は、「未明」という言葉にハマっていまして、その時間に楽曲作っています。次に演奏する楽曲はツアー中にできた曲で、四字熟語にハマった楽曲です。」と話した。

その未明に作った新曲は「暗夜行路」といった。これもガジェットを駆使して低音を唸らせながらピアノ演奏をこなしていた。

続けて、歌物の「航空障害灯」を歌う。間髪入れずに「夢の中のふたり(social distance)」を歌った。

MCが入って「「航空障害灯」も未明の楽曲なんですが、夜、飛行機の高度を知らせるライトなんですね。都会の象徴のようで。「夢の中のふたり」は「social distance」というサブタイトルついてますけれど、これもコロナの頃できた楽曲でして。不要不急の外出を避けてください、と言われても遠距離恋愛のカップルなんかすごい可哀想だな、と思ってこの楽曲ができました。アルバムから「Baku-Note」なんですけれど、バクって本当にいるんだ、って。」

そうして歌われたのが、「Baku-Note」だった。

ピアノを弾きながらMCで、「次はセルフカバーで。ドラマとかの音楽を作ることがあって。「ペンション・メッツア」ってドラマのBGMとエンドテーマを作りました。大貫妙子さんに歌ってもらって。ター坊、なんて言ってはいけないですが、大貫妙子さんから「難しい曲ね」と言われました。それを自分で歌おうとしているわけですが。マイナスプロモーションにならなければいいのですが」と言った。

そんなMCから入ったのは、「空飛び猫」だった。この辺りになると馴染みの楽曲なので、落ち着いて聴くことができる。

続いて、Schroeder-Headzの代表曲、「Blue Bird」が当然ピアノ一本で演奏された。この楽曲が演奏されるとラスト近いかなと思わせるところがある。

MCが入る。「今年を振り返りたいです。今日が東京での最後のライブです。12月15日が大阪の心斎橋で大阪の最後のライブをやります。大阪ではお見送り会と乾杯をするそうです。来る方は楽しみにしていてください。新春シュンチャンショーを1月31日にやりますので、いらしてください。この日はゲストが来ます。まだ発表されていないですが。リハ付きチケットもあります。3月28日に上野でCafelonとしてライブに出ます。120本ライブやってあっという間だったなと思います。なんか僕はお酒はあまり好きじゃないのですよね。打ち上げの雰囲気は好きですけれど。「シュンチャンショー deアイマショウ 渡辺シュンスケ & SMA 50th Anniversary」のパンフレットの時にいろいろな方に寄稿してもらったのですが、半分ぐらいお酒の話で。お酒はあまり好きじゃないのですけれど。最後にアルバムから「ミラーボール」を。これも30歳代の時に作った楽曲なのですが、友達への応援歌というか、自分への応援歌みたいな感じで作りました。」

最後の曲は、「ミラーボール」だった。最初はピアノ1本弾き語りだったのだが、途中からガジェットからCDと同じドラムやギターなどの音色が聞こえてきた。場内もミラーボールの照明が映えていた。CDと違うのは、ピアノの音がはっきり聞こえることだろう。

「ミラーボール」を歌い終わると、渡辺シュンスケはステージから去った。観客はアンコールを求めて拍手をする。

アンコールセットリスト

  1. newdays

すぐに渡辺シュンスケはステージに現れた。「何か僕に言っておきたいことがありますか」と言って場内を笑わせ、「今年は夏が長かったですね。」と言って最後の曲を演奏した。

アンコール最後の楽曲はSchroeder-Headzのデビュー曲、「newdays」だった。この辺りになると馴染みがあるのでリラックスして聴くことができた。

「newdays」の演奏が終わると、「どうもありがとう。良いお年を。メリー・クリスマス」と言ってステージから去った。これをもってライブは終了した。

ライブの時間はインターミッションを含めて2時間ちょうどだった。Schroeder-Headzのライブには何回か参加しているが、渡辺シュンスケソロのライブは珍しいので、ピアノ弾き語りでのライブは意外だったし、ピアノだけの演奏でここまで表現できるかという驚きもあった。丸椅子だったので少々疲れたが、リラックスしたひと時を過ごすことができ、楽しかった。

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