ハルク(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 HULK
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2003年
上演時間 139分
監督 アン・リー
出演 エリック・バナ、ジェニファー・コネリー、サム・エリオット
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 研究者のブルースは、恋人のベティーとともに、傷ついた生命体の傷の回復を促進させる研究に没頭していた。しかし、その研究はなかなか進まず、ブルースは研究を続けた。ある日、研究仲間が事故を起こしかけ、ブルースはその仲間を救出する。しかし、その過程で研究物のガスを吸い込んでしまい、ブルースの中に眠っていたもう一人の怪物が世に現れることになる。それは、ブルースが怒りを募らせると、巨大な緑の大男に変身するというものであった。巨大な緑の大男、ハルクに変身したブルースは、軍の攻撃をも跳ね返し、大暴れする。ベティーの父で将軍であるロスは、ブルースを捕まえようとするが、ハルクの力によって困難な事実を突きつけられる。その頃、ブルースの父を名乗る男が、ブルースの研究に関心を抱く。ブルースの父もブルースと同じ研究をしていたのだった。

感想

 マーベル・コミックが、マーベル・シネマティック・ユニバースが開始される以前に、自身の人気キャラクター、ハルクを実写映画化した作品が、この「ハルク」です。台湾出身のアン・リーが監督を務め、ドラマティックに描いていますが、マーベルのファンからは出来が悪いと批判を浴び、2008年の「インクレディブル・ハルク」が製作されると同時にこの映画はなかったことにされているという不遇の作品であります。興行収入も1億ドルは突破しているものの、製作費は回収できなかった作品であります。

 この映画の欠点の一つといえば、主人公ブルースがハルクに変身するまでのストーリーが長い、ということに尽きると思います。物語冒頭がブルースの父の研究について触れられているところであり、それがのちのブルースの研究に結びついていくことになるのですが、映画ファンとしてはその人間ドラマを観たいのではなくて、ハルクがどう暴れるかを観たいのであって、その辺のドラマが余分に感じられるところがあります。

 そして、ブルースと父の関係が物語後半で重要視されていきますが、ハルク対ブルースの父の対決は、心の葛藤を描いたものになり、それも感情移入させづらいところがあると思います。ブルースの父が研究していて、ある日起こった家族の悲劇がブルースの心に影を落としていきますが、それが物語上有機的に機能していないところが感じられます。

 一方、ブルースとベティーの関係も物語上重要なポイントになっています。ベティーに対してだけは、ブルースもハルクも彼女を守るという一貫した立ち位置を示していますが、ベティー自身も父であるロス将軍と対立してでもブルースを守ろうとする姿勢は、ベティーの存在感を増していると思います。ただ、ベティーの立ち位置にかかわらず、父であるロス将軍は一貫してハルクを追い詰めようとしていて、親子の対立を招いていると思います。

 この映画で面白いのは、やはりハルクが大暴れするシーンにあるといえます。巨大な緑の大男であるハルクは、軍の兵器を全く受け付けず、軍の攻撃をことごとくかわしていきますが、このシーンだけがこの映画で面白い、と言えるところであります。ハルクが大暴れする事は、映画のポイントの一つであり、これが人間ドラマめいた展開に関わってくると、ちょっとテンポが落ちるなと言えるところであります。

 マーベルの映画化ということもあり、マーベル・シネマティック・ユニバースと同じく、原作者のスタン・リーがカメオ出演しているのは、ご愛嬌かと思います。また、コミックの映画化ということもあってか、意図的に画面を分割してそこから場面展開していく作風が見られます。ただ、それが機能しているかというと、見ていて落ち着きがないと感じ取られるところであり、作風として失敗しているといえます。

 映像は4K UHD/HDR10での収録です。高解像度での収録であり、素晴らしい映像美を堪能させてくれるところです。HDR10のハイコントラストは、美しい色合いを再現していて、映像をリアリティの極地に追い込むところがポイントであるといえます。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chのサラウンドですが、終始視聴者を取り囲むかのようなサラウンド環境を構築していて、映像と同期しています。ハルクが大暴れするシーンでのサラウンド感は素晴らしいところがあり、臨場感を感じさせます。

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