ミッドナイト・スカイ(DOLBY VISION/Netflix)

No Image 原題 THE MIDNIGHT SKY
レーベル Netflix
制作年度 2020年
上演時間 118分
監督 ジョージ・クルーニー
出演 ジョージ・クルーニー、フェリシティ・ジョーンズ、デヴィッド・オイェロウォ
画面 2.11:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

 地球は気候変動で人が住めない星になりつつあった。地球にいる人々は、地中に退避する。北極圏の基地に勤める人々も、退避を開始していた。その中でオーガスティン博士は、一人基地に残る。彼は宇宙にいる人々に警告を発し、地球に戻らないようにしようと行動を開始していたのである。しかし、宇宙にいる人々との連絡は取れず、唯一交信可能なのは輸送船アイテル号だけであった。アイテル号はオーガスティン博士が提唱した木製の衛星K-23に辿り着き、そこが生命が生存できる環境にあることを確認していた。その証拠を持って地球に帰還しようとしていたのである。北極圏の基地で一人ぼっちになったはずのオーガスティン博士は、基地内にアイリスという少女が居残っていたことに気づく。そして、その基地からはアイテル号との交信ができないことを確認し、離れたところにある気象観測所までアイリスと共に移動することを決意する。アイテル号は地球に向けて推進していったが、小さな氷の群れにぶつかり、損傷を受ける。それは地球との交信ができないことを意味していた。そのため、修理を始めるのだが、また危機が襲ってきた。

感想

 Netflixオリジナル作品で、リリー・ブルックス=ダルトンのSF小説「世界の終わりの天文台」を、主演を務めるジョージ・クルーニーが製作、監督も務め、映像化した映画がこの「ミッドナイト・スカイ」です。Netflixオリジナル作品ですが、一部劇場では上映もされている作品であります。ただ、批評家、観客ともに評価は低く、「Netflixオリジナル作品に出来の良い作品はない」というジンクスを踏襲する結果になってしまった作品であります。

 この映画のポイントはといえば、カタルシスが感じられない点にあるといえます。物語が淡々と進み、盛り上がる場面が全くないところに作品の欠点があるといえます。ジョージ・クルーニー扮するオーガスティン博士が宇宙にいる人々を地球に来させないように奮闘する姿は分かるのですが、物語が淡々と描かれるため、クライマックスに至っても盛り上がりにかけているところが、残念なところかなと思います。

 そもそも地球が気候変動を起こしているらしいことは分かるのですが、なぜそういう状態になったのかが全く描かれていないため、地球で住むことの困難さが見えないところに、物語の弱点が見え隠れします。普通ですと、セリフだけでもなぜ地球が住めない惑星になってしまったのかが語られても良いと思うのですが、オーガスティン博士も何も言わないし、彼の存在が結構謎であります。昔の発表会では、オーガスティン博士は木星の衛星K-23に人が住める環境があるのでは、という推測を導き出し、実際に輸送船アイテル号がK-23に行き、人が住める環境であることが確認されるのですが、それが地球に住む人々の希望の星になるかというとそうでもないところが、もったいない設定かなと思います。

 物語はオーガスティン博士の行動と平行して、K-23から地球に戻るアイテル号の航行を描いていますが、アイテル号が地球と連絡取れない状況から、オーガスティン博士と連絡が取れ、その後、氷の大群にぶつかり、レーダーと通信設備を破壊されるという展開は、もっとスペクタクルに感じても良いところですが、ここも描写は淡々としています。その後の修理作業も淡々としていて、再度の氷の大群との遭遇も怖さを感じないところは、残念な作りになっています。

 オーガスティン博士と行動を共にするアイリスという少女の存在も謎でありますし、アイテル号のサリーが妊娠している設定も意味があるのかないのかよくわからないところがあります。総じて、説明をとことん省いてしまっており、映像と音だけで物語を語ろうとしたところに制作の失敗を感じ取るところができます。もっと煮詰めた話を見たかったというのが、今作を見ての感想になります。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターデータが4Kなので、ネイティブ4Kでの配信になっており、映像の高精細感は素晴らしいものがあります。特に輸送船アイリス号の細かい設定には唸らされるところがあります。アカデミー賞で視覚効果賞にノミネートされているだけのことはあります。また、コントラストもかなり高く、北極圏の吹雪のシーンの白さとか、宇宙の暗闇に輝く星々など、DOLBY VISIONの効果は抜群にあります。音響はDOLBY ATMOSだけあって、吹雪のシーンの包み込まれるような音や、アイテル号の航行音の移動感など、各所でイマーシヴサラウンドが炸裂しています。ストーリーは今ひとつではありますが、4K/DOLBY VISON/DOLBY ATMOSで物語を語っている感じはします。

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