オン・ザ・ロック(4K UHD/Apple TV+)

No Image 原題 ON THE ROCKS
レーベル A24
制作年度 2020年
上演時間 96分
監督 ソフィア・コッポラ
出演 ビル・マーレイ、ラシダ・ジョーンズ、マーロン・ウェイアンズ
画面 1.85:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

 ニューヨークに住むローラは、夫であるディーンや二人の娘に恵まれ、平凡ながら幸せな生活を送っていた。ローラは作家ではあるが、筆が進まず、苦労していた。また、夫であるディーンは新しい仕事の立ち上げのために家庭をあまり顧みなくなっていて、ローラは多少の不満を持ち始めていた。そんなある日、ディーンのスーツケースの中から女性の化粧品が見つかる。ディーンは、仕事の部下であるフィオナの品で航空機に乗せられないために預かったと話していた。それに不信感を抱いたローラだったが、ローラの父であるフェリックスと連絡を取った時に、フェリックスがディーンは浮気していると考えたために、ローラはフェリックスの行動に振り回される。ディーンに不審な点は多少あったが、ローラはフェリックスの思い込みのために生活が崩れ始める。そして、ディーンがメキシコに出張に行くと言った時に、フェリックスと一緒にローラはメキシコまで追いかけていく。それはディーンが浮気をしているかどうかを確かめるためだった。その結果は意外な方向に進み出す。

感想

 フランシス・フォード・コッポラの実の娘であるソフィア・コッポラが、ビル・マーレイとタッグを組んでニューヨークに住む若い母親が、夫の浮気調査を実の父と行うドラマが、この「オン・ザ・ロック」です。劇場公開もされていますが、基本的にApple TV+のオリジナル映画で、A24が製作をした作品になっています。映画評論家からは高い評価を得ていますが、観客からは低評価を受けるというアンバランスになっている作品であります。

 映画の紹介文では、「都会派コメディ映画である」と書いてありますが、そんなにギャグを飛ばしているシーンはありません。ニューヨークに住む若い母親ローラが、自分の夫であるディーンの行動に疑念を抱いたところ、実の父であるフェリックスが首を突っ込み、夫の尾行をするというドラマの展開になっています。なので、笑うシーンは少ないのですが、物語としてはディーンが浮気をしているのかしていないのか、というローラの疑念を解き明かしていく話になっています。

 ローラの父であるフェリックスは、典型的なプレイボーイで、そのフェリックスの思い込みが物語を引っ張っている感じがあります。ローラもフェリックスの思い込みに感化されていき、次第にディーンに対する疑念が大きくなっていくところが物語の見どころであると言えます。ただ、映像的にはディーンに不審な点が最初からあまり描かれず、断片的にしか怪しい点が出てこないので、フェリックスの思い込みが正しいのか、ディーンが潔白であるのかという点に焦点が絞られていくと思います。

 ディーンが怪しい行動をしている点といえば、新しい仕事を立ち上げたためにローラや二人の娘たちをかまってやれていない点にあり、また、出張が多いのですが、必ずと言っていいほど部下の女性であるフィオナがついてくるといったあたりに不審な部分があるといったぐらいです。それでも観客的にはディーンの行動に不信感を抱かせる部分はあり、ローラとフェリックスの身辺調査を受ける段取りになっていくところがあります。

 映画が魅力的なのは、舞台がニューヨークであり、ニューヨークの環境が映像と音響で見事に再生される点にあると思います。ニューヨークという世界で有数の大都市の中で、若い家族が生活をしていく様子がありありと描かれており、それが映画の魅力を発揮していると言えるでしょう。ローラとディーンの家族がニューヨークのあちらこちらで生活をしていく様子は、ドラマの設定に華を添えているといえます。また、フェリックスが車を運転していて信号無視をし、警官に止められた時の警官の巻き方は、笑ってしまうところであります。

 物語のクライマックスは、ディーンを追いかけて、ついにメキシコまで乗り込んでしまうローラとフェリックスの顛末がまざまざと描かれていますが、その結末は、納得できる結末であると言えるでしょう。ローラがディーンに対する不信感に対してどう結末をつけていくのかが、この映画の最大のスリルであるといえます。

 映像は4K UHD/DOLBY VISIONでの提供になります。ニューヨークが舞台ということもあって、都市のランドスケープがよく現れており、解像度は不満なく、色乗りも十分であります。音響はDOLBY ATMOSで、ニューヨークの喧騒や車のエンジン音、嵐の音やメキシコの海の音などでイマーシヴなサラウンド環境を構築しており、音に包み込まれる感覚がよく現れています。

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