ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 THE POST
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2017年
上演時間 116分
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 メリル・ストリープ、トム・ハンクス、サラ・ポールソン
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 ベトナム戦争が泥沼化していた1971年。国防長官がまとめていたベトナム戦争に関与する文書が、ダンという人物によって無断コピーされ、その文書がNYポストに渡される。その文書をもとにNYポストはスクープを発信する。その文書は過去30年間にわたって歴代の政権がベトナムに関与していたことを示す文書で、政権が国民に発信していた内容が嘘だったことを示すものだった。ワシントンポストのケイは、ワシントンポストの株式を上場させて、資金を得ようとしていたが、そのタイミングでNYポストのスクープに見舞われる。同じくワシントンポストの編集主幹のベンもそのスクープを見て、自分たちもスクープを発信しようと部下に対してハッパをかける。しかし、NYタイムスの記事は国防省によって裁判沙汰になる危険性があり、ワシントンポストもその記事を書けば同じ運命を辿る可能性があった。それでもベンは記事を書くことを主張し、ケイも最終的にはそれに同意する。そして、ワシントンポストも政権の嘘を暴くべく動き出す。

感想

 映画の撮影の早撮りで有名なスティーヴン・スピルバーグが、「レディ・プレイヤー 1」のCG撮影の合間を縫って、1971年のベトナム戦争に関する歴代政権の嘘を暴く社会派ドラマを撮っていたのが、この「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」です。映画批評家からの評価は高く、興行収入も製作費を安く抑えられたため、製作費を上回りヒットを記録している作品であります。

 映画は、過去30年に渡って歴代政権がベトナムに関与していたのにもかかわらず、それを国民に知らせようとせず、密かにしていたことを国防省に関係するダンという男が資料を無断コピーし、NYタイムスに情報として流すところから始まります。ベトナム戦争はアメリカにとって最終的には負け戦となった戦争ではありますが、そのベトナムに過去からずっと関与していたという事実に、驚かされる話であります。

 一方で話の舞台となっているのはワシントンポストという新聞社であり、ここが株式を上場して資金を得ようとするタイミングで、NYタイムスのスクープが出てしまい、対応策に追われるという展開になっています。ワシントンポストの社主である女性のケイはワシントンポストを成功に導いていこうと思っていましたが、NYタイムスのスクープのために判断を迫られるという難しい立場にいます。1971年という時代で女性が社主となっているのはかなり珍しいことであり、それが物語に重みを増しています。

 NYタイムスに負けずに流出した文書を入手し、スクープを取ろうとするのは、編集主幹のベンですが、彼の意向に沿って記者たちが独自に動き出すのは、サスペンス調で面白い展開だと思います。ベンの立ち位置は一貫していて、政権の嘘を暴こうとする信念を持っているところにありますが、それに対して国防省から妨害が入ることになります。その妨害に屈するのか、それとも立ち向かうのかが物語のキーポイントになっていると思います。

 政権側は機密文書が漏れたことで、NYタイムスに対して司法の手を入れさせようと企み、同じ情報源で記事を書こうとしていたワシントンポストに対しても同じ対応を取ろうとしています。ワシントンポスト側も司法に詳しいキャラクターを雇い、その対応に追われていますが、法律家の「記事にすべきではない」という一貫した意見に対し、ベンが同意しないところに映画としての面白さがあると思います。

 最終的にワシントンポストがスクープを記事にするのかしないのか、国防省の脅しに屈するのか屈しないのかというクライマックスは、見ていて爽快感があります。クライマックス後のニクソン政権のウォーターゲート事件に少し触れられているのも、皮肉が聞いているといえ、面白い終わり方だなと思います。

 映像は4K HDR10で収録されています。解像度は十分にあり、フィルムで撮影されているためにフィルムの粒子がよく見えています。色乗りは十分にありますが、1971年という舞台背景に沿って、デイトな色調をしていると思います。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドですが、ワシントンポストの編集部の室音など、視聴者を取り巻く環境音が優れていて、臨場感を感じる部分ではあります。冒頭のシーンではベトナム戦争の戦闘シーンもありますが、周囲に銃撃音や爆発音などが響き渡ります。音楽は思ったほど多くなく、緊迫感が感じられるようになっています。

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