羅生門(4K UHD/Netflix)

No Image 原題 羅生門
レーベル 大映
制作年度 1950年
上演時間 88分
監督 黒澤明
出演 三船敏郎、京マチ子、志村喬
画面 1.37:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL PLUS 2.0ch 日本語
字幕 -

あらすじ

 大雨の降る中、羅生門で二人の男が雨宿りしながら、ある事件の謎について、「わからない」を連発していた。そこに三人目の男がやってきて、「何がわからないのか?」と質問をする。一人の男が、多襄丸の犯した殺人事件について語り出すが、多襄丸の犯した侍夫婦への妻への暴行と、夫の殺害について、検非違使で証言した内容が、多襄丸の告白と、侍の妻、死んだ侍の霊媒、そして雨宿りをしていた男の話とで、全員異なる展開を話ししていて、それのどれが真実なのかわからなくなっていたのである。明らかなのは、多襄丸は侍の妻を手込めにしたことと、侍が死んだという事実だけ。そこに至る展開が全く異なっていたのである。話を聞いていた羅生門に来た第三の男は、それを不審には思わず、謎は謎のままになってしまう。

レビュー

 著名な作家である芥川龍之介の「藪の中」をベースにした謎に満ちた映画が、この「羅生門」です。黒澤明の出世作として知られ、1952年のアカデミー賞で名誉賞を受賞しています。また、Rotten Tomatoesの批評家評価は98%、観客評価も93%と極めて高い評価を得ている作品になっています。IMDbでもファン投票によるトップ250映画のうち、130位に位置するぐらい高評価を得ています。

 舞台設定は原作の「藪の中」と「羅生門」では違いますが、事件に関わった人々の証言が、その人によって全く異なる展開を示しているところに、謎に満ちた物語になっているといえます。物語は羅生門という門で大雨の中、雨宿りをしていた二人の男が、多襄丸が犯した罪について、「わからない」を連発していて、頭を抱えているところから物語が始まります。

 そこに三人目の男が雨宿りにやってきて、多襄丸が犯した罪について、話を聞くことになるのですが、最初に雨宿りをしていた男が、侍が殺されていることを知り、検非違使に伝えるところから、多襄丸が捕まり、多襄丸が事件の経緯を話すところは、リアリティある展開であるといえます。しかし、多襄丸の話が真実かというと、それは違うのではないかと疑わせるところがあります。

 その後、殺された侍の妻であり、多襄丸に手込めにされた女が事件の真相を話すのですが、多襄丸の話した内容と異なる展開を話しして、事件の真相が謎になってしまいます。さらに、死んだ侍を霊媒師が魂を呼び寄せ、事件の真相を聞くのですが、また別の展開が待ち受けていて、話はますます藪の中に陥っています。そして、雨宿りをしていた男は実は事件を見ていて、その話がまた別の展開を見せるので、どの話が真相なのか、わからなくなってしまいます。

 物語は事件の真相を明らかにはせず、人の記憶がどれほどあやふやか、人の視点がどれほど偏っているかを映画を通じて描いていきます。事件の舞台はまさに藪の中での話になっていますが、その話を聞くのは羅生門という半分壊れた門での展開になっており、最後まで謎のままストーリーは終了してしまいます。それでも、物語の完成度は高いものと言え、心に訴えかけるものになっています。

 Netflixで配信されている「羅生門」は4K UHDでの配信になっています。映像は1.37:1のスタンダードサイズでの収録になっていて、HDRは効いているように思えます。映像はモノクロですが、解像度はまずまずの効果を発揮しています。ただ、羅生門での雨のシーンなどは雨の降り方が激しいので配信での画像は厳しく、映像が安定しない様子が感じられます。フィルムの粒子は結構見えますので、4K UHDの効果は出ているとは思われます。音響はモノラルサウンドになっています。音の広がり感を出すためか、2.0chでのモノラルサウンドになっています。1950年の映画ということもあり、テープのヒスノイズが結構聞こえるところがあります。音質も当時のナローレンジの音響になっていて、高音質というわけではありません。また、セリフは聞き取りづらいです。

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