GRAVITY(Blu-ray 3D)/ゼロ・グラビティ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

GRAVITY(Blu-ray 3D)

No Image 邦題 ゼロ・グラビティ
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2013年
上演時間 90分
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、ポルトガル語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

ストーン博士は宇宙空間でシャトルの部品交換を行っていた。それをサポートするのはベテランの宇宙飛行士コワルスキー。いつものようにルーチンワークになる予定だったが、突然危機が訪れる。ロシアが衛星をミサイルで破壊した結果、その破片が彼女達のいるシャトルに降り掛かってきたのである。シャトルは木っ端微塵に破壊され、ストーンとコワルスキーは宇宙に放り出される。パニックになったストーンは、コワルスキーの助けで何とか落ち着くが、宇宙服の酸素が少ない状況だった。コワルスキーはロシアの宇宙ステーションにたどり着くことを提案し、実行に移すが、その過程でコワルスキーはストーンを助けるために宇宙の彼方に飛んでいってしまう。スートンは一人で自身の危機を解決しなければならなかった。

レビュー

2013年のアカデミー賞で、10部門にノミネートされ、うち監督賞を含む7部門の受賞を果たした、宇宙を舞台にしたSF映画の傑作がこの「ゼロ・グラビティ」です。興行的にも大成功をおさめ、アカデミー賞にふさわしい出来になっています。

作品の作りとしては意外と単純だと思います。宇宙で危機に陥ったストーン博士がどうやって地球に戻ってくるか、という一点につきます。しかしながらこの映画のすごいところはどうやって撮影したのか分かりませんが、宇宙空間の孤独感を3Dという映像にて完全とも言える出来で再現しているところにあると思います。当然音響もそれをサポートしていて、通常のSF映画にありがちな音響効果を作っていない、というところがすごいと思います。

宇宙空間という人間の生きてはいけない世界で、スペース・シャトルという保護された空間から放り出されたストーンが、慣れない世界でどうサバイバルしていくかというのが、この映画の肝であり、それをSFXでサポートしているのがこの映画の魅力につきるかと思います。上映時間は短いですが、内容的には充実していて、結構長く感じるところはあるかと思います。

映画のクレジットとしてはサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーが2トップで出てはいますが、基本的にはストーン博士を演じたサンドラ・ブロックの独り舞台の様な気がします。宇宙空間での作業が初めてのストーンが、衛星の破片によりシャトルが壊され、宇宙に放り出され、パニックになっていくシーンから、次第になんとしても生き延びて地球に戻る、という強い意志を持った個人になっていく仮定がこの物語での主軸であり、コワルスキーはそれをサポートする役目に徹していると思います。

前述の通り、この映画の見所の一つは、圧倒的とも言える宇宙空間の表現であるかと思います。本格SFといってもよく、印象的には「2001年宇宙の旅」の宇宙空間の表現に似ている様な感じがします。とにかく広大で寂しい宇宙という印象を強くさせるところがあります。まさにSFXマジックといえるのですが、無重力の世界を見事に再現していて、観客を宇宙空間に放り出すのに成功していると思います。また、音響も派手な爆発音とかはなくて、静寂とサウンドトラックがマッチしていて、宇宙の無の世界をきちんと再現していると思います。

映像は3Dで観賞しましたが、かなり世界観に没頭出来る3Dだったと思います。もちろんこの手の映画ですと、劇場の大画面での3D再生が一番理想といえるのですが、当方の50型テレビでの3D再生でもその魅力は十分に伝わってきました。色乗りは十分で、宇宙の虚無の世界を絶妙なバランスで描き出していると思います。そしてそれがあるからラストのシーンは魅力的な色彩を描き出していると思います。音響は5.1chサラウンドですが、効果音(コワルスキーとストーンの会話など)を意図的にサラウンドに振ったりしていて、映像の立体感をサポートする様な理想的なサラウンド環境を構築しています。宇宙空間ですので音はないのですが、サウンドトラックが不気味に鳴り響き、それが映画の効果を上げているかと思います。

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