PLATOON(Blu-ray)/プラトーン/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

PLATOON(Blu-ray)

PLATOON Blu-rayジャケット 邦題 プラトーン
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1986年
上演時間 120分
監督 オリヴァー・ストーン
出演 トム・ベレンジャー、ウィレム・デフォー、チャーリー・シーン
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
dts 5.1ch 日本語
字幕 日本語、英語

あらすじ

 1967年のベトナム戦争に、新兵としてクリスが小隊に配属される。クリスは社会の底辺の者たちが戦争に駆り立てられているのを見かねて、自ら志願したのだった。しかし、ベトナムは想像以上の地獄だった。クリスはベトナム兵との戦闘の中、次第に善悪の区別を失っていく。戦いのさなか、ベトナム兵が潜んでいると見込まれる村に到着した小隊は、暴力の限りを尽くし、その中で小隊のバーンズとエリアスの間で反目が起こる。そして、バーンズはベトナム兵との戦いの中でエリアスを抹殺する。そのことを知ったクリスはバーンズに復讐しようとするが、ベトナム兵の大規模攻撃の最中、自身の生命を守るのに精一杯になる。

レビュー

 ベトナム戦争の真実を描いた戦争映画としての傑作がこの「プラトーン」です。1986年のアカデミー賞で作品賞を含む4部門で受賞し、高い評価を受けています。この映画を監督したオリヴァー・ストーンのベトナム戦争での実体験が元になっていて、脚本もオリヴァー・ストーン自身の手によるものになっています。

 この映画が他のベトナム戦争映画と違うのは、オリヴァー・ストーンの実体験が元になっているため、実戦の様子がリアリティをもって描かれているという点です。この映画以降、ベトナム戦争を描いた映画はリアリティを追求したものになっていますが、オリヴァー・ストーンの視点は、新兵であり、主役でもあるクリスの立ち位置で描かれているものになっています。

 ベトナム戦争はアメリカの負けによって終結しますが、この映画を見るとその理由がよくわかるような気がします。クリスの視点による小隊の士気は、ベトナム兵の執拗かつ巧妙な戦術によって次第に低下していきます。ベトナム兵の正体はあまり映画では描かれず、とにかく敵として描かれていますが、ではクリスのいる小隊、その背後にあるアメリカ軍が正義かと言われるとかなり疑問を持たざるを得ない状況にあると思います。

 小隊がベトナムの小さな村を調査する際に、バーンズは無力なベトナム人を殺害してしまいますが、それを巡ってエリアスと反目してしまいます。バーンズが好戦派であるとすれば、エリアスは穏健派であり、この二人の反目は、この後の展開に大きく影響を及ぼしていきます。それは、クリスのベトナム戦争に対する考え方にも影響を及ぼしています。

 映画そのものとクリスの考え方が、ベトナム戦争自体がアメリカの横暴であるという視点で描かれているので、単純に主人公の行動が善であるとは言えない状況にあるのが、この映画の大きなポイントであると言えます。それは、各キャラクターの描き方にも表れていると言えます。

 戦闘シーンはリアリティを重視したものになっていて、見ていて緊迫感をもたらしています。味方の攻撃によって負傷する兵士や、味方による戦死など、これまで「そんなことあるわけない」と思っていた事実がこの映画では描かれています。それゆえに戦闘シーンでは感情移入をさせない描写になっています。

 映像はシーンによって大きく画質、ノイズ感、解像度が違います。かつてレーザーディスクでPIONEER SPECIAL EDITIONとしてリリースされた時の情報では、この映画を配給したオライオン・ピクチャーズが倒産した時にマスターフィルムが行方不明になってしまったという話もあり、今回のBlu-rayのマスターもどれを使っているのか不明ですが、高解像度、鮮やかな色彩であるシーンも多いですが、低解像度でフィルムグレイン多く、色乗りが悪いシーンも多々見受けられます。音響はdts-HD MA 5.1chですが、元々のマスター音響はDOLBY STEREO 4.0chであるため、サラウンド感はあまりないと言ってもいいと思います。環境音は時々空間を埋め尽くすシーンもありますが、戦闘シーンの銃撃などはフロント中心の音場になっています。

 なお、このBlu-rayは輸入盤でありますが日本のプレイヤーで再生すると、自動的に日本語メニューになり、本編も日本語音声や日本語字幕を選択できるようになっています。なので、日本で販売されているディスクと共用の仕様であると言えます。

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