THE GUNMAN(Blu-ray)/ザ・ガンマン/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE GUNMAN(Blu-ray)

THE GUNMAN Blu-rayジャケット 邦題 ザ・ガンマン
レーベル UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2015年
上演時間 116分
監督 ピエール・モレル
出演 ショーン・ペン、イドリス・エルバ、レイ・ウィンストン
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 コンゴ民主共和国は内戦が起きていて混乱の極みにあった。国連が治安維持に介入していたが、虐殺などの暴力が絶えなかった。その中でもコンゴ民主共和国は鉱物の採掘が混乱に拍車をかけていた。NGO団体として働いていたジムは、実は暗殺者で組織の指示により鉱物大臣の暗殺を行なった。それから8年後、コンゴ民主共和国で資源採掘をしていたジムは、何者かに殺されそうになる。ジムはヨーロッパに飛び、彼の古くからの友人からの情報により、誰がジムを殺そうとしているかを探ろうとした。その過程でジムはかつての恋人、アニーと再会するが、ジムとともにアニーも殺害の対象となってしまう。ジムは過去の記憶が体の不調を呼び起こしており、二重の危機の中、自身の身の危険を回避するために戦いを開始する。

レビュー

 アカデミー賞に輝く俳優ショーン・ペンが初めて出演したアクション映画が、この「ザ・ガンマン」です。「96時間」で有名なピエール・モレルが監督を担当し、ジャン=パトリック・マンシェット原作の「眠りなき狙撃者」を映画化したものになっています。ただし、映画としては興行的にも惨敗し、また、批評も芳しくないものになっています。

 映画の舞台としてコンゴ民主共和国を採用しているのは、珍しいことになっていると思います。ここの混乱の中、鉱物大臣の暗殺を組織から命じられたジムという暗殺者が、暗殺後8年が経過してから、逆に何者かに殺されそうになるために、自身の身の保身のために謎の組織の解明に当たるというのが物語の骨子であります。ただ、物語の舞台の中心はイギリスとバルセロナになっているのは特徴的だと思います。

 物語としてはアクション映画というよりサスペンス映画としての部類に入るかと思います。その展開がちょっと一本調子で、話としては緩急があまりないのが、作品の評価を落としている要因かと思います。アクションシーンが少ないのは、物語的に欠点かと思います。また、ショーン・ペンが暗殺者という設定も、設定に無理があるような気がします。役者としてこういう部類の映画に出たことのない人なので、若干の違和感を感じます。

 また、ショーン・ペン演じるジムと、かつての恋人アニーの関係が盛り上がりに欠けるところがあるのも、この映画の魅力を失っているところであります。とってつけた感のある二人の関係にストーリーとしての展開に無理を感じるところがあります。アニー自身も今後での救援の後、別の男性と幸せな生活を送っていたのに、ジムが現れたことでその生活を破壊されるというのは、ジムが原因になっているようで、あまりいい感じではないと思います。

 ジムが自身を殺そうとした組織を解明しようとする展開はそんなに悪くはないのですが、その組織がジムを殺すチャンスがありながら殺せない展開や、逆にジムが組織を壊滅させるチャンスがありながらできないという展開は、見ていてもどかしいものがあります。映画の盛り上がりに欠ける展開に、まどろっこしいものがあります。

 映像は自然環境のシーン等で素晴らしい解像度と色乗りを提示しています。少し赤味がかったフィルム調の色調ではありますが、映像としては魅力的な色彩を放っています。音響はDOLBY ATMOSサウンドトラックで、環境音やガンファイトシーンで空間に漂う素晴らしいサラウンドを構築しています。ただ、シーンとしてダイアローグだけのシーンも多く、DOLBY ATMOSの効果を最大限発揮しているとは言えない気もします。ガンファイトシーンでのサラウンドは効果を感じることができます。

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