ムーラン(1998)(HD/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビュー

ムーラン(1998)(HD/Disney+)

No Image 原題 MULAN(1998)
レーベル BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1998年
上演時間 87分
監督 バリー・クック、トニー・バンクロフト
出演 ミンナ・ウェン、エディ・マーフィ、B・D・ウォン
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 2ch 英語、日本語
字幕 日本語、英語

あらすじ

 万里の長城ができた頃の中国に、フン族が攻め込んでくる。目的は皇帝の座を奪い取ること。危機感を感じた皇帝は、中国の民の男子を兵士として招集する。その頃、ファ・ムーランはお見合いに臨むが失敗をしてしまう。そして、皇帝の命によりファ家のムーランの父が兵士として招集される。しかし、父は以前の戦争で負傷していて、今回の戦いに挑める状況になかった。それを知っているムーランは男装をして、兵士として招集を受ける。ファ家の守神であるドラゴンとコオロギを引き連れ、戦いに挑むムーランだったが、部隊の隊長であるシャンになかなか認めてもらえない。それを克服し兵士になったムーランは、フン族との戦いに参戦する。

レビュー

 中国に2000年もの間、伝説として伝わるムーランの話をディズニーがミュージカルアニメとして制作したのが、この「ムーラン(1998)」です。製作費は大幅にかかっていますが、批評家、観客から高い支持を得ており、興行収入的にも成功を収めている作品です。2020年には実写版の公開も予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響により劇場公開が困難になり、Disney+での配信を予定しています。

 物語は、若い女性であるムーランが国のために出兵しようとする父を庇って男装をして代わりに出兵し、国を滅ぼそうとしているフン族との戦いを繰り広げるというのが話の骨子であります。女性であるムーランが男装をすることで、女性であることがバレないかというスリリングな展開があり、また、バレた後の展開も女性差別を取り除こうとする展開になっており、20年前のアニメとしては現代にマッチしている映画だなと思います。

 ディズニー・アニメの特徴として、ドラゴンやコオロギといったサブキャラクターがムーランを手助けする役割と、狂言回しの役割を担っており、この辺はディズニーらしいところがあると言えます。ただの狂言回しだけでなく、クライマックスでは重要な役割を果たしているところもあり、存在感はかなり高いものがあります。このキャラがいることで、アニメ独特の世界観が漂い、ファンタジー的要素も加わっていると言えます。

 ムーランを鍛える若い隊長シャンと、ムーランの関係も物語が進むにつれ変化していき、ムーランが女性であることを知ったシャンの落胆と、その後の心境の変化はハッピーエンドを予感させるものであり、いい関係だと思います。また、シャンの部下になる招集された兵士達も、次第にムーランを認めていく様は、ムーランの成長物語として定番ではありますが、よくできているかと思います。

 中国を攻めるフン族は、結構悪役然とした役割を担っており、途中でムーランの活躍により全滅したかと思われましたが、クライマックスで大暴れします。その大暴れをムーラン達がどう解決していくのかが物語のカタルシスを持ち込んでいて、スカッとさせる展開になっていると言えます。このフン族がいかにも悪役といった形で描かれるので、ムーランの活躍に観客が同調するような構成になっています。

 映像はHD画質ではありますが、アニメであることも関係してか、解像度の不満は感じさせません。また、色合いが鮮やかで、クライマックスの花火のシーンなど、カラフルな色彩で画面を彩っているところがあります。音響も2ch STEREOのはずですが、AVアンプのDOLBY SURROUNDモードで視聴すると意外なほど三次元サラウンドの効果を発揮し、昔のDOLBY SURROUNDのような3-1chの効果を発揮しています。背後への音の回り込みはあまりないのですが、視聴位置までの音の移動感は感じ取られ、意外に良くできているというのが実感です。

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