ARRIVAL(Blu-ray)/メッセージ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ARRIVAL(Blu-ray)

ARRIVAL Blu-rayジャケット 邦題 メッセージ
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2016年
上演時間 116分
監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演 エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 7.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 ある日、地球上の各地に異星人の飛行物体が12機襲来する。そのうちの1機がアメリカに来ていて、軍は言語学者のルイスやイアンを招集し、異星人との接触を試みる。ルイスやイアンは、自国の言葉で異星人と接触し、異星人が放つ象形文字を元に、なんとか異星人とのコンタクトを図ろうと試みるが、なかなかうまくいかなかった。そのうちに、ルイスは、病気で亡くした娘、ハンナとの記憶を思い出し、次第にそれが異星人とのコンタクトとのきっかけになっていることに気づく。異星人は、人類を救おうと来訪していたのであるが、中国が異星人とのコンタクトを諦め、先制攻撃を仕掛けようとしたことから、事態は急変する。

レビュー

 2016年の年末にアメリカで公開され、2016年のアカデミー賞の「音響編集賞」を受賞した本格的SF映画がこの「メッセージ」です。アメリカでは興行収入が1億ドルを越し、大ヒットとなっている作品であります。テッド・チャンの「あなたの人生の物語」という作品を原作として、映像化しています。

 本格SF映画と書きましたが、内容的には異星人とのファースト・コンタクトにまつわる物語であると同時に、主人公である言語学者のルイスとその娘の人生を省みる内容で、結構深いテーマをもたらしていると言えます。ドラマですから、派手なアクションシーン等はないのですが、見ていて、結構考えさせられる内容になっています。

 ルイスは、異星人とのファースト・コンタクトで、自身の言語解析能力を駆使して、なんとか異星人の言語を理解し、そして、異星人が地球に来訪した理由を解読しようと取り組みますが、その異星人自身が来訪した理由は、物語後半、特にクライマックスで明かされていくことになります。それは、ルイスと病気で亡くなった娘、ハンナとの生活の振り返りでもあり、人間性を取り戻すきっかけになる展開になっているかと思います。

 そんな中でも世界中に来訪した異星人に対する各国の対応の仕方が、なかなか興味深いところがありますが、中国やロシアがファースト・コンタクトを諦め、異星人に先制攻撃を仕掛ける、という展開は、現在の中国やロシアの政情を考えると、有り得る内容かな、と感じ取られるところであります。それがルイスにとって、どう関わっていくのかは、物語のクライマックスで明かされる内容であり、物語の本質を捉えていると思います。

 異星人とのコンタクトが、象形文字であるというのも、なかなか面白い設定だと思います。そのため、ルイスやイアンといった学者たちが、その象形文字を解読しながら、意思疎通を図ろうとするという展開に、「どうやってこの後展開していくのだろう?」という関心を高める内容になっています。

 物語では、日本にも異星人が来訪したことになっていますが、場所が北海道というのは、なんでかなと感じるところではあります。同じくSF映画の「コンタクト」でも、北海道が重要な地域を占めていて、そういう影響があるのかな、と感じずに入られません。

 映像は解像度はそれなりにありますが、映像自体が全般的に暗いので、その辺の恩恵はあまり預かっていない感じはします。ただ、その暗さ自体が物語を彩っていると思いますので、展開上重要な要素かと思います。音響はアカデミー賞を受賞しただけあって、異星人の効果音等が不気味な印象を見事に発揮しています。サラウンドも終始鳴っていて、ハイレンジな印象を受けます。それが物語を高める効果を放っています。

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