MAN ON A LEDGE(Blu-ray)/崖っぷちの男/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

MAN ON A LEDGE(Blu-ray)

MAN ON A LEDGE Blu-rayジャケット 邦題 崖っぷちの男
レーベル SUMMIT ENTERTAINMENT
制作年度 2012年
上演時間 102分
監督 アスガー・レス
出演 サム・ワーシントン、エリザベス・バンクス、エド・ハリス
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 元警官のニック・キャシディは、刑務所に入っていた。ある日、ニックの父の葬儀の時に警備の隙をついて脱走したニックは、1ヶ月後、ニューヨークのルーズベルト・ホテルの窓際に立ち、飛び降りのふりをする。集まった群衆や、警官たちの説得も虚しく、ニックは窓際から離れようとはしなかった。それには理由があり、ニックはダイヤモンド横領の濡れ衣を着せられていて、悪質なビジネスマン、イングランダーが所有しているダイヤモンドを兄弟とともに奪還し、自身の無実を証明しようとしていたのである。ニックの窓際でのトラブルを時間稼ぎにし、兄弟がイングランダーの所有するビルに潜入し、ダイヤモンド奪還を行動に移す。それを知らない警官は、ニックの要望により、マーサー巡査を交渉人として配備する。

レビュー

 「アバター」などで有名になったサム・ワーシントンを主役にして、ニューヨークの有名ホテル、ルーズベルト・ホテルの窓際で飛び降りる振りをしていた元警官、ニックの真の目的と、それを知らない警官たちとの息詰まるやりとりを描いた映画が、この「崖っぷちの男」です。残念なことに映画は制作費をはるかに下回る興行収入しか得られず、作品の出来は並となっています。

 映画は、ニックが最初偽名でルーズベルト・ホテルに宿泊し、それから窓際の淵に立って、ニューヨークの群衆たちの注目を浴び、警察官が事態収束を計るところから始まります。この時点でニックの真の目的は明らかにされず、次第に物語が進むにつれて、ニックの真の目的が明らかにされていきます。

 ただ、物語は次第にニックの真の目的を明らかにしていきますが、それとともに、ホテルの高層階から飛び降りるふりをしているニックの、その窓際の高層恐怖感が消えていくのは、少々残念なところがあります。この映画の肝は、高層階で佇むニックが、どう自身の目的を果たしていくかが肝心ではありますが、それは物語が進むにつれ、ニックの描写ではなく、彼を助ける人々の話へと展開していくことになり、それがフォーカスが狂ってくる要素もあります。

 映画の舞台が、ニューヨークのルーズベルト・ホテルという有名な場所であるために、この映画自体がニューヨークの観光名所紹介的内容になっている感もあり、それは見ていて楽しいと感じるところではあります。ニックの飛び降りを見物している群衆たちの存在は、この映画を盛り上げる要素の一つであると言えます。

 名脇役のエド・ハリスが今作でも、悪徳ビジネスマン、イングランダーを演じていて、彼の存在感は見事なものであると言えます。彼が物語のキーポイントになっているのは事実だと思いますが、その悪役ぶりがもっと強烈に描かれていても良かったのではないかと思います。

 映像は、かなりの高精細感と、カラフルな色彩をデリバリーしていて、見ていてハッとさせられるシーンが多々あります。ニューヨークの都市としての存在感を見事に描き出していると言え、その魅力は多分にあると言えます。音響はdts-HD MA 5.1chですが、かなりのサラウンド感があります。音に包み込まれる感覚が強く、映画としての効果は十二分に出ていると感じます。AVアンプのサラウンドモードがdts Neural Xのせいもありますが、イマーシヴなサラウンドになっていると感じます。

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