SUPERMAN III/スーパーマン III/電子の要塞/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SUPERMAN III

SUPERMAN THE MOVIE DVDジャケット 邦題 スーパーマン III/電子の要塞
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 1983年
上演時間 125分
監督 リチャード・レスター
出演 クリストファー・リーヴ、リチャード・プライアー、アネット・オトゥール
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語、フランス語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

  失業中のゴーマンはふと見つけたコンピューターの仕事で、賃金の不正を行い、多額のお金を手に入れてしまう。その能力を見出した実業家のウェブスターは、彼を使って国際的な事業の独り占めをもくろむ。手始めに気象衛星を操りコロンビアの天候の異常を起こさせ、コーヒーのつり上げを図るが、スーパーマンに邪魔される。スーパーマンが野望の邪魔と感じたウェブスターはクリプトンナイトを手に入れてスーパーマンを亡き者にしようとするが、クリプトンナイトの不純物のせいでスーパーマンは正邪2人に分かれて互いに戦いあうことになる。

レビュー

 第2作のエンドクレジットにも出ていた続編の話が実現したのがこのスーパーマンシリーズ第3作「スーパーマンIII/電子の要塞」です。第2作目のリチャード・レスターが引き続き監督として制作に携わっています。

 しかしながら前2作に比べると、本作の出来はいいものとは言えません。全体的にコメディタッチというか、出来の悪いジョークを結構見せられ、スーパーマンのヒーローとしての活躍があまり見られないのがその要因かと思います。

 また、スーパーマンの強敵となるはずの黒人ゴーマンが真剣な振りしていないので、これもまた拍子抜けの展開になってしまっています。実業家のウェブスターと合わせ、何となく敵としては小物ぶりが見えてしまっているのが、失敗の要因のような気がします。

 本作の見どころはどこかというと、多分前2作でスーパーマンに恋する新聞記者ロイス・レーンに変わり、スーパーマン/クラーク・ケントの高校時代の同級生、ラナ・ラングとケントとの恋愛関係にあるような気がします。前2作であれだけロイス・レーンに恋していたケントが今作ではそれを忘れたようにラナに接近するのは、なんかむちゃくちゃだなと思いつつも、二人の関係に関心は引かれていきます。ちなみにアメコミの「バットマン:ダークナイト・リターンズ」でもこのラナという女性は登場していて、バットマンを擁護するマスコミという設定になっていたかと思いますが、アメコミでは独身なのに、この映画では子持ちというのが設定的には面白いなと思った次第です。

 もうひとつ面白いなと思ったのは、クリプトンナイトの影響で善悪に分かれてしまったスーパーマンの葛藤です。まさか正義のヒーローであるはずのスーパーマンが、酒をあおって酔いつぶれるなんて、やりすぎのような感じもしますが、一種のバカ映画として見るならば、それはそれで面白いと思います。製作者も本気で作っていないなと感じ取れるところがあります。その後スーパーマンの正義の部分がクラーク・ケントとなり、邪悪の部分が薄汚れたスーパーマンとなって、二人が闘うというのは興味深い話だと思います。ケントの部分もスーパーマンの力は持っているというところがミソで、どちらが勝つかわくわくさせる部分はあります。

 最後はウェブスターとゴーマンが作り上げたスーパーコンピューターとスーパーマンの死闘ですが、ここだけはそれなりに盛り上げるような展開だと思います。しかし、2013年の今、コンピューターの発達という現実を見てしまうと、このスーパーコンピューターの設定は無理があるなと思わざるを得ません。コンピューター単体で意思を持つというのは現在では無理な話ですし、時代を感じさせてしまうところはあります。

 画質はDVDでしかも1983年の時代を考えると、比較的良好です。良好な画質のために特殊効果の粗が結構目立ってしまうのですが(スーパーマンを吊り下げているワイヤーが見えてしまったりとか)、色乗りも十分で、ノイズもあまりありません。音響は残念ながら、DOLBY DIGITAL 2.0chのDOLBY SURROUNDで、あまりサラウンドに音は回っていないようです。フロント重視のサウンドデザインです。また、少々ナローレンジの感触もあります。

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