SURROGATES/サロゲート/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SURROGATES

No Image 邦題 サロゲート
レーベル TOUCHSTONE HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2009年
上演時間 89分
監督 ジョナサン・モストウ
出演 ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザムンド・パイク
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

近未来、VSIという会社がサロゲートと呼ばれる人形のアンドロイドを開発する。それは実際の人間がセンサーでコントロールし、人間が外に出なくても生活が出来るというものであった。サロゲートの普及により、殺人事件は激減する。しかしながら、ある晩キャンターという若者が何者かにサロゲートの回路をショートさせ、そのショックで本人をも死亡させるという事件が発生する。FBIのグリアーとピータースは事件の調査を開始するが、その過程でグリアーは自身のサロゲートを失い、生身の状態で事件の捜査にあたる。そして事件はVSIの創設者であり、事件の被害者の父であるキャンターの考えだした巨大な陰謀であることを突き止めるのだが…。

レビュー

ブルース・ウィリスが「ターミネーター3」の監督でも知られるジョナサン・モストウと組んで製作されたノンストップ・アクション映画がこの「サロゲート」です。残念ながら製作費を興行収入では回収できなくて、失敗作と見なされています。元々はグラフィック・ノベルで、それを実写映画化したものです。

物語の設定は面白いものだと思います。近い未来に人間が身代わりのアンドロイドを自身の脳波コントロールで操縦し、自身は安全な自宅にいて、アンドロイドが代わりに生活を営むという設定は、ちょっとひねったものかなと思います。そんな中で主人公であるFBIのグリアーとピータースが、身代わりアンドロイド、サロゲートごと生身の人間までも抹殺されてしまつたことから、事件の調査をするという刑事物になっています。

しかしながら、グリアーに関して言えば、生身の彼は子供を自動車事故で亡くしてしまった心の隙間を埋められずに、妻との仲も寂しいものになっています。そしてその設定がグリアーが捜査の過程でサロゲートを失い、自身で動き出すことでより強調されるものになっています。

グリアーと同じく心の隙間を埋められないのが、事件の被害者の父であり、サロゲートの生みの親であるキャンターです。彼はそれを自身の作ったサロゲートすべてに転嫁することで、心の隙間を埋めようと目論みます。そういう意味では、親の子を失った悲しみがどう個人の行動に変わって行くのか、それを対比して描いたのが本作であると言えるでしょう。

物語は人間至上主義の予言者がサロゲートを破壊するデバイスを入手し、それをキャンターが受け取ったことで、大きく展開して行きます。キャンターがサロゲートの抹殺を計り、それを阻止しようとするのがグリアーなのですが、実はグリアー自身も心の揺れ動きがあり、クライマックスの意外なグリアーの行動にちょっとびっくりすると思います。

ピータースはグリアーのいいパートナーとして、活躍をして行きますが、キャンターの企みにより、途中から人格が色々変わります。それがグリアーの行動にどう影響が出るのかが関心のあるところです。彼女の行動自体にも色々事件の解決を阻害する様な要素が観られます。

アクションシーンは、ジョナサン・モストウの手慣れたところで、中盤のグリアーの追跡シーンは、かなり迫力があります。その分ドラマシーンは少し弱いのかなと思うところもあります。上映時間が短いのに、意外と長く感じさせるのは、その辺のバランスが悪いせいかも知れません。

映像はDVDとしてはまずまずの解像度で、色乗りも十分です。いい感じの画質をだしていて、魅力的ではあります。音響は5.1chサラウンドサウンドが、フルチャンネルで鳴っていて、広大な音場に取り囲まれる様な魅力に満ちています。

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