『スターゲイト』Blu-ray(輸入盤)レビュー|古代エジプトと宇宙SFをつなぐ、エメリッヒ流スペクタクルの原点【SDR / dts-HD MA】

『スターゲイト』Blu-ray(輸入盤)レビュー|古代エジプトと宇宙SFをつなぐ、エメリッヒ流スペクタクルの原点【SDR / dts-HD MA】

古代エジプトの謎、異星文明、軍事作戦、そして別世界への扉──。
『スターゲイト』は、円形の巨大装置“スターゲイト”を通じて、地球とは異なる惑星へ向かうSFアドベンチャー映画である。

ローランド・エメリッヒ監督らしい大味さはあるものの、古代文明と宇宙SFを結びつける発想は今見ても魅力的だ。
ジェームズ・スペイダー演じる天然気味の天才学者ジャクソンと、カート・ラッセル演じる孤独な軍人オニール大佐の対比も分かりやすく、異星の民と協力して圧政者ラーへ立ち向かう展開は、王道の娯楽映画としてしっかり楽しめる。

『スターゲイト』輸入盤 Blu-ray 基本仕様

Stargate Blu-rayジャケット 邦題 スターゲイト
原題 Stargate
レーベル Lionsgate Home Entertainment
制作年度 1994年(劇場公開版) / 2009年(完全版)
上映時間 121分(劇場公開版) / 130分(長尺版)(完全版)
監督 ローランド・エメリッヒ
出演 カート・ラッセル、ジェームズ・スペイダー、ジェイ・デヴィッドソン
画面 2.39:1 / SDR
音声 dts-HD MA 7.1ch 英語 / Dolby Digital 2.0ch フランス語(劇場公開版のみ)
字幕 英語、スペイン語
リージョン BD=A,B,C
パッケージ BD 1枚(本編 + 特典)

あらすじ(短縮版)

1928年、エジプトで発見された謎の円形装置。
現代の研究により、それは別の惑星へ通じる“スターゲイト”であることが判明する。学者ジャクソンとオニール大佐率いる部隊はゲイトを通過し、異星の地で古代神ラーの支配に苦しむ人々と出会う。

あらすじ(詳細)

紀元前8000年、宇宙から巨大なピラミッドが地球へ飛来する。恐れおののく人々の中から、一人の若者がその光に吸い込まれていく。

時は流れ、1928年のエジプト。考古学者たちはピラミッド遺跡の調査中に、謎の巨大な円形物体を発見する。考古学者の娘キャサリンは、そこで見つけたペンダントを大切に保管していた。

そして現代。独自の古代エジプト解釈を発表していた学者ダニエル・ジャクソンは、学会では相手にされていなかった。だが、その発表を聞いていたキャサリンは、彼を極秘プロジェクトへ招く。そこでジャクソンが目にしたのは、1928年に発見された円形装置だった。

ジャクソンは装置に刻まれた古代文字を解析し、それが別の宇宙空間へ通じるトンネル“スターゲイト”であることを突き止める。さらに起動に必要な7つ目の記号を解読したことで、オニール大佐率いる軍の部隊と共に、スターゲイトを通って未知の惑星へ向かう。

しかし、到着した惑星でジャクソンは帰還に必要な記号を見つけられず、一行は地球へ戻れなくなる。やがて彼らは、その惑星に住む人々と交流を深めていく。そこでは、ラーと呼ばれる存在が神として君臨し、人々を奴隷のように支配していた。

実はラーこそ、紀元前8000年に地球へ現れた異星人だった。肉体の滅びを避けるため、地球人の若者の身体を乗っ取り、長い時を生き続けていたのである。スターゲイト破壊という極秘任務を帯びていたオニール大佐だったが、ジャクソンや現地の人々と関わる中で、ラーへの反乱に身を投じることになる。

見どころとテーマ

  • 古代文明と宇宙SFをつなぐ設定の面白さ
    エジプト神話と異星人を結びつける分かりやすい発想が、SFアドベンチャーとしての魅力を生んでいる。
  • ジャクソン博士の天然気味な天才性
    頭脳明晰でありながら抜けたところもあるジャクソンが、物語を動かすキーパーソンになっている。
  • オニール大佐の孤独と再生
    息子を失った過去を抱え、秘密任務に従うだけだった軍人が、異星の民との出会いで変化していく。
  • ファーストコンタクトから共闘へ進む王道展開
    異星人との出会いを描きながら、最終的には共通の敵へ立ち向かう展開が熱い。
  • ラーの正体に至る伏線の分かりやすさ
    冒頭の古代描写が後半の真相とつながり、敵としてのラーの存在に説得力を与えている。
  • 後のエメリッヒ作品に通じる大作志向
    ツッコミどころを含めて観客を楽しませる、大味ながら満足感のある作風がすでに確立している。

Blu-ray 映像レビュー【2K / SDR】

1994年作品であり、オリジナルは35mmフィルム。Blu-ray用には2Kマスターが使用されていると思われる。
4K時代の目で見ると限界はあるが、シーンによっては十分に良好な解像感があり、砂漠の広がりやピラミッド型宇宙船のスケール感もきちんと伝わる。

フィルムグレインは適度に残っており、当時のフィルム作品らしい質感がある。一方で、特殊効果の粗が見える場面もあり、HD化によって良くも悪くも素材の素性が見える部分はある。
色彩はSDRながら鮮やかで、特に砂漠の明るいシーンでは発色も良好。古代的な装飾や異星世界の色調も分かりやすく、作品の冒険活劇的な楽しさを支えている。

映像スコア:80点 —— 2Kマスター相応の限界はあるが、フィルム感と砂漠のスケールを堅実に再現した安定画質。

音響レビュー【dts-HD MA 7.1ch】

劇場公開時のdts 5.1chサラウンドで高く評価された音響は、このBlu-rayでdts-HD MA 7.1chへ拡張されている。
レーザーディスク時代からサラウンドの凄さで語られてきた作品だが、その魅力はBlu-rayでも健在だ。

特にスターゲイトを通過するシーンの音場は圧巻で、視聴者の周囲を音が渦巻くように移動し、異世界へ飛ばされる感覚を強く生み出している。
本編全体を通してサラウンドの包囲感は非常に高く、重低音も終始しっかり鳴るため、SFアドベンチャーとしての迫力は十分。dts Neural:Xで再生すると、擬似的に天井方向へも音が広がり、さらに没入感が増す。

音響スコア:90点 —— チャンネルベース・サラウンドの快感が詰まった、ホームシアター向けの優秀な7.1chミックス。

総評

『スターゲイト』は、別世界へ通じるゲイトという明快なアイデアを軸に、古代文明、異星人、軍事作戦、反乱劇を一気にまとめ上げた大作SFアドベンチャーである。

細部にはツッコミどころもあるが、それも含めてローランド・エメリッヒ監督らしい娯楽映画の魅力がある。後の『インデペンデンス・デイ』へつながる、分かりやすく大きな物語を見せる作風の原点に近い一本と言っていい。

Blu-rayは映像こそ2Kマスター相応だが、音響の完成度は非常に高い。レーザーディスク時代から語られてきたサラウンドの魅力は今も十分通用し、ホームシアターで楽しむ価値の高いディスクである。

総合スコア:85点 —— 古代文明SFのロマンとサラウンドの快感が噛み合った、エメリッヒ流SFアドベンチャーの快作。

関連レビュー

コメント

タイトルとURLをコピーしました