レヴェナント:蘇えりし者(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

レヴェナント:蘇えりし者(4K UHD/iTunes Movies)

原題THE REVENANT
レーベル20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
製作年度2015年
上映時間157分
監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン
画面2.39:1/HDR10
音声DOLBY DIGITAL 5.1ch
字幕日本語

あらすじ

 西部開拓時代のアメリカ。ヘンリー率いる隊は、動物の皮を収穫すべく、動物を殺戮して皮を剥いでいた。そこにインディアンが襲撃し、隊の多くが殺される。生き残ったヘンリーやグラス、フィッツジェラルドらは船で川を下って逃げるが、グラスの提案により船を捨てて、陸地を歩いて駐屯地に戻ることになる。その途中斥候をしていたグラスはクマに襲われ、瀕死の重傷を負ってしまう。隊はグラスの手当てをして駐屯地に戻ろうとするが、道は険しく、グラスを抱えては移動できなかった。グラスを一旦見捨てて隊は駐屯地に戻り、残されたグラスは見張り役のフィッツジェラルドやブリジャー、グラスの息子ホークらと一緒にいることになる。しかしフィッツジェラルドはグラスが生き残る可能性は低く、インディアンの襲撃を恐れてホークを殺し、グラスを生き埋めにして駐屯地に戻ることになる。そして、口裏合わせをブリジャーと行うことになる。死から免れたグラスは、息子のホークがフィッツジェラルドに殺されたことを知り、復讐のために駐屯地まで戻るサバイバルを行うことになる。

レビュー

 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが原作の一部をもとに映像化した映画が、この「レヴェナント:蘇えりし者」です。2015年のアカデミー賞で、監督賞、主演男優賞、撮影賞の三部門を制覇し、レオナルド・ディカプリオが悲願のオスカーを手にした作品になっています。興行収入は製作費を上回り、北米だけで184百万ドルを稼ぎ出しています。映画の評価も良好で、Rotten Tomatoesの批評家評価は78%、観客評価は84%を叩き出しています。

 この映画は、西部開拓時代のアメリカで、動物の皮を剥いでいた白人がインディアンに襲撃され、インディアンから逃れて駐屯地まで逃走する間、斥候に立ったグラスがクマに襲われて重傷を負い、彼を置いて他のメンバーは駐屯地まで戻り、グラスの埋葬を請け負ったフィッツジェラルドがグラスの息子であるホークを殺し、グラスも生き埋めにして逃走するため、グラスが復讐のために生き延びて厳しい大自然を生き抜いていく、という話です。

 上記あらすじを読むと、復讐劇と読めますが、実際の映画は復讐劇の要素はあまり強いとは言えず、とにかく厳しい自然の描写に重点を置いているかのような印象を受けます。寒い気候によく降る雪、雨の中、主人公であるグラスがクマに襲われて負った傷を背負いながら、生き延びていく様に大自然の脅威を感じ取ることができます。

 その大自然の描写は素晴らしいの一言であり、アカデミー賞で撮影賞を受賞したのもうなづけるインパクトを持っています。人の入り込まない自然の中、登場人物のキャラもその自然に飲み込まれており、人間の存在がちっぽけな者であるという描き方をされているように思います。

 また、白人たちに襲い掛かるインディアンたちも、白人の敵というよりは、神の御心によって行動をしているかのようなところがあり、クマによって負傷したグラスを助けるインディアンも神の御心によりグラスの前に現れたキャラとして描かれているように見えます。

 クライマックスはグラスとフィッツジェラルドの生死をかけた戦いになりますが、その結末も神の御心によるものになっており、人間の叡智の及ばないところに神がいるという暗示を示しているように思えます。クライマックスではインディアンも登場しますので、その神の御心がより強く現れていると思います。

 音楽を坂本龍一が担当していますが、坂本龍一の独特のメロディーラインはあまり現れず、映像に寄り添った音楽を提供しているのも、この映画の特徴ではないかと思います。音楽がインパクトを与える要素にはなく、あくまで映像を主にして音楽が従である状態にして奏でられるので、映像のインパクトを強める結果になっています。

 映像は4K/HDR10での収録になります。マスターデータは4Kですので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。アメリカの厳しい冬の気候を映像に収録するために自然光を重視した撮影になっており、高解像度や冬の寒さを表す冷たい青っぽいトーン、クリアな映像等で自然の偉大さがわかるようになっています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chですが、サラウンドをかなり意欲的に使っています。登場人物のセリフが背後や横から聞こえることも多く、映像の位置関係と連動した音場感を形成しています。また、雨や雪の降るシーンでも自分が雨や雪に降られているかのようなサラウンドを構築しており、魅力的なサラウンドになっています。

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