ゴッドファーザー(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ゴッドファーザー(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 MARIO PUZO’S THE GODFATHER
レーベル PARAMOUNT PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1972年
上映時間 176分
監督 フランシス・フォード・コッポラ
出演 マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン
画面 1.85:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、日本語
字幕 日本語

あらすじ

 娘の結婚式の当日も、イタリア系マフィアの親分であるドン・ヴィトー・コルレオーネの元には、さまざまな仕事の依頼がきていた。ヴィトーは、その仕事の依頼を自身のファミリーのメンバーに託して、処理をしていた。ヴィトーの実の息子であるマイケルも結婚式に恋人ともに姿を表し、ファミリーの絆を確かめ合った。そんなある日、マフィアのタッタリアから、ヴィトーの元に麻薬の取り扱いの共同作業を持ちかけられる。しかし、麻薬のリスクを感じていたヴィトーは、その話を断る。そのため、ヴィトーはタッタリアの刺客から命を狙われ、重傷を負ってしまう。危機を感じたコルレオーネのファミリーは、マイケルをシチリアに逃し、警戒を強くしていたが、それでも仲間であるソニーを失ってしまう。マイケルはシチリアである女性に恋をして結婚するが、タッタリアの刺客によって妻を殺されてしまう。事態を重く見たヴィトーはマフィアの5大ファミリーを集結させ、抗争の終了を提案し、バルジーニの麻薬の黒人に対する供給だけ行うという提案を受け入れて、抗争を終了させる話をまとめ上げる。そこで、事件の黒幕にはバルジーニが関わっていることを察知する。マイケルはヴィトーの元に戻り、今はドン・コルレオーネとして采配を振るっていたが、ヴィトーの死後、抗争を終結させるべく、一挙に敵対組織を壊滅させる。

レビュー

 フランシス・フォード・コッポラの代表作にして、マフィア映画の傑作と評されているのが、この「ゴッドファーザー」です。マリオ・プーゾの原作小説を元にプーゾとコッポラが脚本を書いています。製作費6百万ドルに対して興行収入が北米だけで136.4百万ドルを稼ぎ出し大ヒットを記録していると共に、1972年のアカデミー賞では、作品賞、主演男優賞、脚色賞の三冠を獲得しています。また、評価が極めて高く、IMDbのトップ250のランキングでは2位に位置し、Rotten Tomatoesの批評家評価は97%、観客評価は98%と高評価を記録しています。

 物語は、ヴィトー・コルレオーネとそのファミリーであるマフィアの家族愛と、他組織との抗争を同時に描くことで、マフィア映画としては優れた脚本になっています。物語冒頭がヴィトー・コルレオーネの娘の結婚式を描いているところで、すでに家族の絆を強く映し出すものになっていると言えます。その結婚式の最中にもヴィトーの元には様々な仕事の依頼があり、ヴィトーはそれを引き受けることで名声を高くしていきます。当然マフィアの仕事ですから、裏家業の仕事であり、決して褒められたものではありませんが、それでも仕事を引き受けることで組織の強大さがわかるようになっています。

 そのヴィトーの元に、他のマフィア組織であるタッタリアが、麻薬の売買について力を求めてくることから、物語の本筋が始まります。ヴィトーは麻薬を取り扱うことに対して否定的で、タッタリアの申し出を断ってしまうのですが、その為にタッタリアの怒りを買い、コルレオーネ・ファミリーは危機に陥ります。物語前半でヴィトーが殺されそうになり、重傷を負ってしまう展開は、意外と言わざるを得ません。

 その後、コルレオーネ・ファミリーは、タッタリアの攻撃に次第に劣勢になっていきますが、ヴィトーの実の息子であるマイケルはシチリアに逃れ、シチリアで一目惚れした女性と結婚してしまいます。その時点で別の恋人がいるのにも関わらず、です。この辺りがマフィア、イタリアの家系というか、女性に手の早い一面を見せているかと思います。その女性もタッタリアの攻撃の犠牲になってしまい、マイケルは元の恋人とヨリを戻す羽目になります。

 一命を取り留めたヴィトーは、抗争が激化し、息子であるソニーが殺されたのを機に、5大ファミリーを招集し、抗争の終結を提案します。その中でバルジーニだけは、麻薬を黒人に限って売買するという提案を出し、それで5大ファミリーの了承を得ますが、ヴィトーはこの黒幕がバルジーニであることを察知します。ヴィトーは自身のドンの座を息子であるマイケルに譲り、マイケルがコルレオーネ・ファミリーのドンになりますが、当初、ファミリーの仕事から距離を置いていたマイケルが、最終的には暴力による抗争の集結を図るところは、マフィア映画らしいなと思います。

 マイケルやヴィトー、ソニーといったキャラクターの家族愛は結構じっくりと描かれています。血のつながりのある、ないに関わらず、コルレオーネ・ファミリーの一員である人に対しての絆の強さは、家族を大切にするイタリア人の気質そのものを描いているような気がします。だから、ファミリーの誰かが傷付けば、その報復に出る、といった行動が明確に描かれています。マイケルの女性に対する態度も、家族愛に溢れていて、人間らしい側面を持っていると思います。そのため、裏家業で人を殺める行為をするところにギャップを感じるところでもあります。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターは35mmフィルムであり、それを4Kスキャンしていますので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。ネイティヴ4Kではありますが、解像度は思ったほど高くないと言えます。また、色調は赤みがかった調子であり、ナチュラルな色調とはちょっと違う印象を受けます。明暗さも明るいシーンは結構トーンが素晴らしいものがありますが、暗い場面ではフィルムグレインが結構乗り、暗部階調も潰れがちでDOLBY VISIONを持ったとしてもオリジナルのフィルムの調子を再現するところが限界です。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドで収録されています。EXOFIELD THEATERではdts Neural:Xでの再生になり、擬似イマーシヴ・サラウンドで音場感が再現されるので、結構リアルなサラウンド・フィールドが構築されています。

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