ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビュー

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 GUARDIANS OF THE GALAXY VOL.3
レーベル MARVEL STUDIOS
制作年度 2023年
上映時間 152分
監督 ジェームズ・ガン
出演 クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ
画面 1.90:1(IMAXシーケンス)&2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

ノーウェアという宇宙船の中に本部を設置したガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々。そのノーウェアの本部にアダム・ウォーロックという男がロケットを襲撃しにやってくる。ウォーロックの力は強大で、ロケットは負傷してしまい、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々の奮戦により、なんとか撃退することに成功する。負傷したロケットの心臓にはキルスイッチが繋がっていて、救急キットを使おうとするとキルスイッチのために死んでしまうことが分かった。ロケットを救うにはキルスイッチを解除する必要があるため、キルスイッチを作ったオルゴ・コープのところに赴いて、解除するためのパスキーを入手する必要があり、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々はオルゴ・コープのもとに赴く。オルゴ・コープのボスであるハイ・エボリューショナリーは、実はロケットがただのアライグマだったのを改良して知性を授けた人物であり、彼は全宇宙で完璧な生命体を作るべく動物実験を繰り返していた。知性を授けられたロケットは、89P13という記号で呼ばれるが、同様に知性を授けられた実験体の他の動物と出会い、友情を育む。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々はロケットを助けるための行動をしていくが、ハイ・エボリューショナリーの命を受けたウォーロックや、彼の手下たちの妨害に阻まれ、なかなか前進できなかった。さらに死んだものの別の次元から来たガモーラの存在が事態をややこしくさせていた。

レビュー

マーベル・シネマティック・ユニバース・フェイズ5の第2作目に当たり、シリーズ完結編にあたるのが、この「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」です。フェイズ5の作品ではありますが、フェイズ4以降のテーマになっているマルチバースの概念は影を潜めており、どちらかというとフェイズ3までの印象が強い作品のため大ヒットを記録していて、2023年の興行収入では8月27日現在、北米、全世界共に第3位を記録している作品であります。映画の評価も高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は80%、観客評価は94%とかなり好意的な評価をされています。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ完結編にあたる本作は、主人公をピーター・クイルではなくて知性を持ったアライグマ、ロケットが担当していて、ロケットが知性を持った理由や、その時の体験をベースにしながら、ロケットの知性を狙うハイ・エボリューショナリーとのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの戦いをメインに描いた異色作になっています。特にアライグマなのに知性を持っていて、「俺はアライグマじゃない」と常々主張していたロケットの過去に何があったのか、というところにフォーカスが当てられている点は、大変興味深い話になっています。

ロケットが知性を持っているのは、ハイ・エボリューショナリーが完全な生命体を生み出すための動物実験を繰り返していた事例の一つに過ぎず、ロケット自身も実験ナンバー89P13と呼ばれ続けています。ロケットも自分が知性を持ったことに対する戸惑いを隠し切れないのですが、同じく動物実験で知性を持った他の動物たちと交流を交わすことで、自身の自己確立をしていくところは、しんみりさせるところであります。

その知性を持ったロケットの能力を欲しているハイ・エボリューショナリーは、手下やアダム・ウォーロックたちにロケットの拿捕を命じていて、ロケットはウォーロックの襲撃により瀕死の重傷を負ってしまいます。ロケットを助けるためにガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々がハイ・エボリューショナリーの行方を探すことになりますが、ここで、ロケットの過去が描かれることで、ロケットの他の実験体との心の交流と、ロケットの身を案じるガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々との友情関係が交差することになり、二重の意味で熱い友情が描かれているという単純なようで複雑な描写に驚かされます。

その一方で「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」で死んでしまったガモーラは、「アベンジャーズ:エンドゲーム」で別の次元のガモーラとして復活し、この作品でもスポットライトは当たっていますが、ピーター・クイルとの恋愛関係は完全にリセットされてしまっているので、この二人のチグハグな関係は笑いを取る元になっていると思います。この作品ではガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーとしてではない関係がガモーラに課せられていますので、彼女の行動が徐々にガーディアンズ・オブ・ギャラクシー流に染まっていくところが爽快感を与えるものになっています。

物語はシリーズ完結編ということもあってか、グルートを除くと結構それぞれにスポットライトは当たり、それぞれが笑いを取りに行っているところにおかしさがあると言えます。ドラックスとマンティスの凸凹コンビとか、ピーター・クイルとネビュラのやり取りのおかしさなど、見どころのある場面は多いです。そして、ラストでのメンバーのそれぞれの新たな人生の道を選ぶ展開は、少しジーンとくるところでもあります。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。IMAX ENHANCEDで配信されている本作は、エンドクレジットとラストのおまけ映像を除いては、IMAX画角の1.90:1で全編通じて描写されますので、映像領域の広さが映画の没入感を高める効果を発揮しています。DIが4Kですのでネイティヴ4Kでの収録になっていて、精細感のある映像と、DOLBY VISIONによる広帯域の色彩表現には魅力を感じるところであります。特にあるシーンで画面全体が白一色になる場面があるのですが、輝度がかなり高く、HDRの効果を発揮していると思います。

音響はDOLBY ATMOSで収録されています。Disney+での配信のダイナミックレンジが圧縮されているため音圧が低くて迫力に欠けるところはあるのですが、頭上を含むオブジェクトの配置は結構リアル感があり、音に包まれている感覚が強くてサラウンドによる没入感を高めるのに貢献しているといえます。

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