ザ・キラー(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビュー

ザ・キラー(DOLBY VISION/Netflix)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 THE KILLER
レーベル Netflix
制作年度 2023年
上映時間 118分
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 マイケル・ファスベンダー、アーリス・ハワード、チャールズ・パーネル
画面 2.35:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

暗殺者はフランスのパリである要人の暗殺を試みていた。暗殺者には自身に課している誓いがあり、そのために冷静な状態で暗殺を試みることができた。しかし、要人の暗殺は失敗に終わってしまう。証拠を次々に始末してパリを離れた暗殺者は、自分の隠れ家であるドミニコ共和国に戻る。隠れ家で自身の痕跡を消し去ろうと思った暗殺者だが、その隠れ家にいた暗殺者の恋人は負傷していた。要人暗殺の依頼をかけた依頼者は失敗による自身の立場が発覚するのを恐れて、別の暗殺者に暗殺者を始末させようと企んだのである。暗殺者は依頼人と自分を付け狙う別の暗殺者を始末するべくアメリカに渡り、弁護士を通じて依頼人と別の暗殺者の正体を掴む。そして、依頼人と別の暗殺者に次々に接触して抹殺していく。

レビュー

フランスのグラフィック・ノベルを原作にして、「セブン」等で異彩を放ち続ける監督デヴィッド・フィンチャーが生み出したサスペンス映画が、この「ザ・キラー」です。Netflixオリジナル映画ですので、一部劇場で限定公開もされていますが、基本は配信オンリーの映画です。映画の評価は批評家と観客では分かれていて、Rotten Tomatoesでは批評家評価は85%と高いのですが、観客評価は59%と低い評価を得ています。

映画のテーマが暗殺者の物語ということで、派手なアクションを期待しましたが、実際はサスペンス映画であり、派手なアクションは皆無でした。暗殺シーンはアクションがありますが地味です。

映画の骨子で主人公である暗殺者はセリフを喋るシーンがほとんどなく、物語の大半を占めるのは暗殺者のモノローグですので、視聴者は暗殺者に感情移入することができず、突き放された状態のまま、ストーリーは進行していきます。

暗殺者のモノローグの中にも「相手に感情移入するな」という戒めがありますが、視聴者が暗殺者に感情移入できない状態で物語は進行していきますので、まさに暗殺者の気分で作品を鑑賞することになります。どこか冷たい雰囲気の中、ストーリーは進んでいきます。

暗殺者に感情移入はできないですが、物語は意外と面白いです。突き放された状態で物語が進んでいくため展開が予想できず、次はどう展開するのだろうと疑問を持ちながら作品を鑑賞することになります。

物語自体は6章から構成されていて、それぞれの章にタイトルがついているので、物語の進行をわかりやすくする工夫がされています。章ごとに暗殺者の行動パターンが決まっているので、物語の進行がわかりやすくはなっています。

暗殺者が標的を暗殺するために自分の精神状態を冷静に保つ戒めがストイックで、個性のあるキャラになっています。特に自分の脈拍数をモニタリングしていて、標的を暗殺する際にも脈拍数が60bpm前後を保つようにする、というシーンではインパクトがあります。僕自身は脈拍数を測っても60bpsになることは寝ている時以外ないですから。

また、暗殺者が標的を暗殺する時や任務後の後始末が用意周到であり、また、準備も現代のテクノロジーを駆使しているところが驚愕の設定です。会員制スポーツジムに潜入するための暗号鍵を複製するために、デバイスを手に入れる方法がAmazonでの通販であり、配送先を宅配ロッカーにしているところは現代的です。

映像は4K/DOLBY VISIONで配信されています。IMDbではDIが4Kである、と書かれていますので、ネイティヴ4Kでの配信になっています。解像度は高精細でありますが、色彩は映画冒頭ではDOLBY VISIONというよりSDR的色彩であると感じました。映画が進むにつれ、夜のシーンでの光の輝き方や暗部階調の描き方、昼のシーンでの鮮明な色彩表現により、DOLBY VISIONの効果は出てきます。

音響はDOLBY DIGITAL 5.1chサラウンドです。サラウンド効果は素晴らしく、サラウンドチャンネルをフルに活用して視聴者を取り囲む音場感を創出しています。サラウンドチャンネルからの効果音も積極的に出てきており、これがDOLBY ATMOSだったら効果がもっと素晴らしかったのではないかと思わせるものでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました