『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』Blu-ray(輸入盤)レビュー|冴えない刑事×金融犯罪——“その他大勢”からの逆転を描く痛快バディ・アクション【SDR / dts-HD MA】
アダム・マッケイ監督が、ウィル・フェレル&マーク・ウォールバーグを奇跡的な相性でぶつけたポリス・アクション・コメディ。派手な“英雄刑事”たちの影で書類仕事に追われていた落ちこぼれコンビが、巨大金融犯罪に巻き込まれ、嫌々ながらヒーローへと変貌していく。35mmフィルム×4K DIベースの映像と、包囲感の豊かなdts-HD MA 5.1chが、アクションとギャグのメリハリを軽快に支える。
『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』輸入盤 Blu-ray 基本仕様
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邦題 | アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! |
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| 原題 | The Other Guys | |
| レーベル | Sony Pictures Home Entertainment | |
| 制作年度 | 2010年(劇場公開版) / 2010年(完全版) | |
| 上映時間 | 107分(劇場公開版) / 116分(完全版) | |
| 監督 | アダム・マッケイ | |
| 出演 | ウィル・フェレル, マーク・ウォールバーグ, エヴァ・メンデス | |
| 画面 | 2.39:1 / SDR | |
| 音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語, フランス語, ポルトガル語 / Dolby Digital 5.1ch スペイン語 | |
| 字幕 | 英語, フランス語, ポルトガル語, スペイン語, ヒンディー語 | |
| リージョン | Blu-ray=A,B,C, DVD=Digital Copy | |
| パッケージ | BD 1枚(本編 + 特典) / DVD 1枚(Digital Copy) |
あらすじ(短縮版)
派手な英雄刑事コンビが殉職し、“その他大勢”扱いだったギャンブル刑事とホイツ刑事に突然チャンスが巡ってくる。ぎこちないバディが追うのは、金融界を揺るがす巨悪の陰。失敗だらけの二人は、果たして事件を解決できるのか。
あらすじ(詳細)
ニューヨーク市警で人気を誇るダンソン&ハイスミス刑事は、破天荒な捜査で街を賑わせていた。しかし宝石強奪犯を追う最中、無謀な行動からビルから転落し死亡。突如“看板刑事”を失った市警は、代わりに事務作業中心だったギャンブル刑事とホイツ刑事に白羽の矢を立てる。
仲の悪い二人は渋々共同捜査を開始するが、金融界に潜むアーションという男の周辺に怪しい影が見え隠れし始める。尾行も取り調べも失敗続きながら、やがて二人は企業犯罪の大きな構造に気づき、妨害する勢力と危険な駆け引きを始めるのだった。
見どころとテーマ
- “その他大勢”の逆襲: 派手なヒーロー刑事の影で雑務をこなしていた二人が、実力でのし上がる痛快な逆転劇。
- バディものの快感: 最悪の相性から、互いを認め合う“真の相棒”へ変化していく過程が爽快。
- スター退場の大胆さ: ドウェイン・ジョンソン&サミュエル・L・ジャクソンが冒頭であっさり退場する衝撃の構成。
- 庶民派アイテムの笑い: プリウスを捜査車両にするシュールさが作品のトーンを象徴。
- メロディアスBGMのミスマッチ: アクションに“甘い歌”を重ねる意図的なズレが最大のギャグ装置。
Blu-ray 映像レビュー【HD / SDR】
撮影は35mmフィルムで、仕上げは4K DI。Blu-rayは2Kだが、4Kマスター由来の精細感がしっかり残る。フィルムグレインは控えめで全体はシャープ。SDRながら色彩表現は豊かで、屋外の自然光や夜景も滑らか。ただし、強い光源のカットでは一部白飛びが発生する。
映像スコア:84点 —— 4Kマスターの恩恵が乗った活きの良いフィルム画質
音響レビュー【dts-HD MA 5.1ch】
セリフ主体のコメディながら、アクションではしっかりとサラウンドを活用。車両、銃撃、追跡の“包囲感”は充分にあり、低音も豊か。ただし瞬発力は控えめで、アクション映画としての迫力は中庸。Neural:Xを使うと天井方向が補強され、包まれる音場になる。
音響スコア:80点 —— コメディとしては上出来、アクションとしては控えめの5.1ch
総評
“落ちこぼれ刑事が巨悪に挑む”王道のバディ・コメディに、アダム・マッケイらしい政治風刺とメタ視点が散りばめられた快作。序盤のスター退場からラストの金融皮肉まで、笑いと社会性が緩急をつけて走り抜ける。輸入盤Blu-rayは画音ともに堅実で、作品のテンポを十分に支える仕上がりだ。
総合スコア:82点

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