『シューテム・アップ』Blu-ray(輸入盤)レビュー|銃撃が物語を駆動する。ニンジン片手に突き進む超過激ガンアクション【SDR / dts-HD MA】
物語を語るためにアクションがあるのではない。本作『シューテム・アップ』は、アクションそのものが物語を前進させるという、極端かつ潔い発想で作られたガンアクション映画である。
ニンジンを齧る謎の男スミスが、赤ん坊を抱えながら無数の敵を撃ち倒していく──。その荒唐無稽さを一切言い訳せず、86分間ひたすら銃撃戦で押し切るスタイルは、理屈ではなくテンションで観る映画として強烈な個性を放っている。
Blu-ray版では、dts-HD MA 7.1chによる音響強化も相まって、この“撃ちっぱなし映画”の快楽性がホームシアターで最大化されている。
『シューテム・アップ』Blu-ray 基本仕様
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邦題 | シューテム・アップ |
|---|---|---|
| 原題 | Shoot 'em Up | |
| レーベル | New Line Home Entertainment | |
| 制作年度 | 2007年(劇場公開版) | |
| 上映時間 | 86分(劇場公開版) | |
| 監督 | マイケル・デイヴィス | |
| 出演 | クライヴ・オーエン, ポール・ジアマッティ, モニカ・ベルッチ | |
| 画面 | 2.35:1 / SDR | |
| 音声 | dts-HD MA 7.1ch 英語 | |
| 字幕 | 英語, スペイン語 | |
| リージョン | BD=A | |
| パッケージ | BD 1枚(本編 + 特典) |
あらすじ(短縮版)
ニンジンを齧る謎の男スミスが、偶然出会った妊婦と赤ん坊を守るため、無数の殺し屋たちを相手に銃撃戦を繰り広げる、ノンストップ・ガンアクション。
あらすじ(詳細)
夜のバス停でニンジンを齧る男スミスは、組織に追われる妊婦を目撃する。見過ごすことができず介入したスミスは、激しい銃撃戦の最中に赤ん坊の誕生を迎えるが、妊婦は命を落としてしまう。
赤ん坊を守るため、スミスは売春婦のD.Q.に保護を依頼するが、そこにも殺し屋たちの魔手が迫る。やがて、この襲撃の裏には、ハーツという男を中心とした巨大な陰謀が存在することが明らかになる。
赤ん坊から生体肝を抽出するため妊婦を殺してきた組織、銃製造会社、政治家──。あらゆる勢力が赤ん坊の抹殺を望む中、スミスはただ一人、銃を手に戦い続ける。
見どころとテーマ
- アクションが物語を牽引する異色構成
冒頭からラストまで、アクションの連鎖が物語そのものを形成する。 - ニンジンを齧り、武器にする主人公
名前すら仮の存在であるスミスの、異常なまでにスタイリッシュな戦い方。 - 恐妻家という意外な顔を持つ悪役ハーツ
凶悪な殺し屋でありながら、妻との電話に怯えるギャップが強烈。 - 絶対に死なない主人公が生む安心感
絶体絶命でも決して倒れないスミスの存在が、娯楽性を保証する。 - 86分という潔すぎる上映時間
無駄を削ぎ落とした構成が、異常なテンポ感を生み出している。
Blu-ray 映像レビュー【HD / SDR】
35mmフィルム撮影・2K DIによるマスターで、Blu-rayとしては必要十分な解像度。
意図的に白飛びを多用し、緑に寄せた色調設計が特徴的で、全体的にモノトーン的な印象を受ける。
黒潰れはなく、暗部階調も安定しており、過剰な演出を映像設計でも支えるバランスになっている。
映像スコア:82点 —— 演出意図を忠実に再現した、実直なHD画質。
音響レビュー【dts-HD MA 7.1ch】
劇場公開時のDolby Digitalから、Blu-rayではdts-HD MA 7.1chへと大幅強化。銃撃音・着弾音が全方位から飛び交い、視聴者自身が戦場の中心に放り込まれる感覚を生む。
dts Neural:Xで再生すると、音場は天井方向にも拡張され、弾丸が頭上をかすめるような疑似イマーシヴ体験が可能。
低音も豊かで、ガンアクション映画としての快楽性は極めて高い。
音響スコア:88点 —— 本作最大の魅力を引き出す、攻撃的7.1ch。
総評
『シューテム・アップ』は、アクション映画の文法を極限まで単純化し、「撃っていれば面白い」という開き直りを徹底した快作である。
物語に深みはないが、それは欠点ではなく設計思想そのもの。短時間で一気に駆け抜けるポップコーンムービーとして、極めて完成度が高い。
Blu-ray版は、特に音響面で本作の価値を大きく底上げしており、ホームシアター向けの“瞬間最大風速系アクション映画”として強く薦めたい。
総合スコア:85点 —— 割り切りの美学が光る、超過激ガンアクション。

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