SHOOTER/ザ・シューター/極大射程/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SHOOTER

SHOOTER DVDジャケット 邦題 ザ・シューター/極大射程
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2007年
上演時間 125分
監督 アントワーン・フークア
出演 マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローヴァー
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語、スペイン語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 エチオピアのアメリカ軍の行動をしやすくしようと、現地の反乱兵の狙撃を行ったスワガー。しかし、反乱兵たちの増援により仲間を失い、味方からも切り捨てられ、ただ一人生き残ってしまう。それから3年、スワガーの元にジョンソンと名乗る軍人がやって来る。彼は大統領の演説を守るという使命を帯びていて、スナイパーとしての腕を見込んで引退していたスワガーをスカウトに来たのである。最初は渋るスワガーだったが、結局その役割を引受る。しかし、大統領の演説会場で何者かによる暗殺未遂事件が起こり、スワガーにその罪を着せられてしまう。警官に撃たれ負傷したスワガーはほうぼうの体で、何とかかつてのパートナーの恋人の元を訪れ、傷の手当をした後に復讐を開始するのだが。

レビュー

 スティーヴン・ハンターの小説「極大射程」(新潮社刊)を映画化した作品がこの「ザ・シューター/極大射程」です。マーク・ウォールバーグ主演のアクションものということで、それなりのヒットを記録している作品であります。とはいうもののアメリカの興収だけでは制作費を回収できず、全世界興収でなんとかなっているというところですから、アメリカでの評価はそんなに高くないのかもしれません。

 物語のイメージからすると、マーク・ウォールバーグ演じるスワガーがスナイパーとしての腕を見込まれて困難な重要人物殺害を行う、という展開かと思いましたが、実はそうではなくスワガーが暗殺犯の汚名を着せられて、反撃に転じるというスリラー型の作品であるということに面白みを感じました。

 特に物語前半のテンションの高さは特筆すべきものがあり、冒頭のエチオピアの現地の反乱兵との戦いのシーンから始まり、大統領側近の暗殺の容疑をかけられ、警官に撃たれてしまうという展開には「この先どうなるのだろう?」と思わせるだけの説得力がありました。物語にはまっていて、ふとテンションが落ちたときに時間に目をやると、すでに1時間ぐらい経っていたのには驚きます。

 その分後半はやや物語がスローになり、スワガー対ジョンソン、上院議員との対決が物語の中心になってきます。また、前半は誰もスワガーを助けることをしなかったのに対して、後半はメンフィスというFBI捜査官が独自の調査でスワガーの無実を信じ、相棒となっていくシーンがあることや、紅一点、スワガーの相棒だった男の恋人がスワガーの怪我を治療し、彼女が物語に絡んでくることからもテンポが変わっている要因かと思います。

 結局物語的には、アクションというよりスリラーの部類に入るのではないかと思うのですが、要所要所でスワガーのスナイパーぶりを見せられるので、その凄さに面白みを感じることの出来る作品だと思います。

 そのスワガーに対して、自身の政治キャリアを持って対立してくるのが黒幕の上院議員で、彼の部下となるジョンソンなどは、ある種の不気味さを持っていると思います。こういったスリラー・追い詰められ型の映画の場合、敵が不気味なほど効果は高いと思うのですが、今作でもその辺をクリアにしていると思いました。

 ただ、物語的には後半一度スワガーは黒幕に屈し、捕まるという展開になりますが、この辺で展開が読めなくなり、ちょっとテンションが下がるかなと思いました。その後溜飲を下げるシーンがあることで、ラストはすっきりするという展開なのですが、少々後半はダレているなという気分は残ってしまいます。

 映像は、フィルム調で、鮮やかな色調をしています。色乗りが十分で、解像度的にも不満のない映像になっています。ただ液晶テレビ特有の映像がパンするときの映像のブレが多少目立っているなと思う点はありました。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chでしたが、サラウンドは要所要所で働いているという感じです。サウンドトラックは前方重視の音響設計をされているようで、音楽がリスナーを取り囲むという感じではありません。その代わり銃撃シーンなどは、サラウンドもうまく使ってリスナーに銃弾の位置関係を知らせています。

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