ジュラシック・パーク(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ジュラシック・パーク(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 JURASSIC PARK
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1993年
上演時間 126分
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム
画面 1.85:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 恐竜の化石を発掘することで、恐竜の生態を調べていたグラント博士とサトラー博士は、ハモンドという老人からあるテーマパークの調査を依頼される。ハモンドはグラントとサトラーの調査に毎年寄付を募っていて、それを今後も続けると約束することで、グラントとサトラーがテーマパークに来ることを了承させる。そのテーマパークの調査には、その他に保険会社の調査員と、マルコム博士が加わっていた。南米の島に作り上げられたテーマパークとは、実は太古の昔に絶滅したはずの恐竜をDNA操作で現代に甦らせ、恐竜と人間が触れ合えるテーマパークにしていたのだった。しかし、一部恐竜の危険性から保険会社が承認を渋っていたため、グラント博士たちが呼ばれて安全性を担保にしようとハモンドは考えていた。マルコムは、最初からこのテーマパークの危険性を訴えていたが、なかなか他の人には伝わらなかった。島に到着したグラントたちは、ハモンドの孫たちと基本ツアーに出かける。しかし、恐竜の胚を他社に横流しにして大金をせしめようとしたネドリーの手によって、バリゲートのシステムがシャットダウンさせられ、グラントたちは嵐の中、ティラノサウルスの襲撃を受けてピンチに陥る。そこからグラントとハモンドの孫たちは、恐竜たちから逃げ延びる羽目に陥る。マルコムはティラノサウルスに襲撃され、足を負傷し、サトラーはグラントたちの心配をする。

レビュー

 1993年に公開され、現代に蘇った恐竜たちをCGで描き、観客の度肝を抜いたブロックバスター映画が、この「ジュラシック・パーク」です。マイケル・クライトン原作の同名小説をスティーヴン・スピルバーグが監督をして、映像化を果たし、前述のCGによる恐竜描写で世間をアッと言わせた名作であり、興行収入もメガヒットを記録し、映画批評家、観客の評価も非常に高い優れた映画になっています。

 まず、マイケル・クライトン原作の「ジュラシック・パーク」という発想自体が斬新です。太古の昔に恐竜の血を吸った蚊の化石から恐竜のDNAを抜き出し、それを蛙のDNAと掛け合わせることで、現代に恐竜を復活せさるという設定が秀逸です。それをテーマパーク化して観客を集めようとするハモンドという老人の計画は、計画だけなら優れたものになっているかと思います。

 しかし、テーマパークを事前に見てもらおうと呼んだマルコム博士が最初から警告していた通り、フェイルセーフのシステムは職員の裏切りに遭い崩壊し、結局のところグラント博士やマルコム博士たちがティラノサウルスに襲われるという危機を迎えてしまいます。いくら安全性を強調しても、それを操作する人間が意図的にしろ、意図的でないにしろその安全性を破棄すれば、後は危険性が増すだけだという現代のコンピューター世代に対する警告のように思えます。

 恐竜はティラノサウルスを筆頭に、ヴェロキラプトルという馴染みのない恐竜が大活躍します。正確には大活躍ではなく、人間に対して危険性を帯びた恐竜で、人間に対する脅威になっているのですが、このヴェロキラプトルという馴染みのない恐竜を登場させたことで、危険性の増大という点で大正解のような気がします。しかもヴェロキラプトルはかなり知能のある恐竜で、人間の裏をかいて行動するので、恐怖感がありありです。

 1993年の当時、スクリーンに映し出されるCGの恐竜を見て、度肝を抜かされたものですが、2021年の現代、4K映像でCGの恐竜を見ると、そのシーンだけ解像度は低くなり、また、動きもぎこちない部分もあり、CGの黎明期であることを実感させられます。それでも、この映画を見たジョージ・ルーカスが、「スター・ウォーズ:エピソード1-3」を製作する気になったという逸話もある通り、CGによる恐竜という描写はこれまでの映画史になかった映像表現であると言えます。

 実際には恐竜はCGだけでなく、アニマトロニクスによる実物大の機械も作られており、シーンによってCGと機械の使い分けをしているので、結構臨場感を感じるところがあります。また、嵐が来ているという設定で雨が降っている夜のシーンが多いので、CGと機械によるシーンの使い分けが絶妙で、あまりアラが見えないようになっているかと思います。

 映像は4K/HDR10での収録になっています。35mmフィルムでの撮影であり、ネイティブ4Kで収録された映像は、CGによる恐竜のシーンが解像度が甘いという欠点も持ちますが、全般的には良好な解像度を保っており、細部まで映像が描かれています。また、HDR10による色の描き分けや、高コントラストに夜光の扱いなど、見せ場は多いと言えます。音響は配信なのでdtsは使えず、DOLBY DIGITAL 5.1chでの収録になっています。4K UHD Blu-rayではdts:Xにグレードアップしていますが、配信ではDOLBY DIGITALなので、三次元サラウンドになってはいません。とはいうものの、サウンドフィールドは広大で、また、dts Neural:Xによるデコードで擬似的に三次元サラウンドしています。ティラノサウルスの咆哮など、重低音がひびき、自分の周囲を取り巻く唸り声など、聞きどころは多い作品であると言えます。

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