スカーフェイス(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

スカーフェイス(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 SCARFACE
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1983年
上演時間 170分
監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 アル・パチーノ、ミシェル・ファイファー、スティーヴン・バウアー
画面 2.35:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 1980年にアメリカは、キューバに住んでいる人たちの中で、その人の家族がアメリカに移民している場合、アメリカに移住することのできる権利を行使する。キューバからはたくさんの人たちが移民をしていったが、その中にトニー・モンタナがいた。彼は母と妹がアメリカに移民していたが、それをアメリカの移民局に言わずにアメリカのマイアミに滞在することになる。トニーは、そのうちに麻薬の取引に関わるようになり、麻薬を扱っているフランクという男の部下になって、麻薬の取引で生計を立てることになる。金を手に入れたトニーは、母と妹に金を渡そうとするが、母は汚れた金を拒否する。そのうちにトニーは、コロンビアの麻薬生産業者と交渉を持つようになり、フランクを抜きで取引をしようと企む。次第にフランクが邪魔になったのとフランクの女であるエルヴィラを自分の女にしたいトニーは、フランクを抹殺し、自身の帝国を作り上げる。しかし、その栄華も長くは続かなかった。

レビュー

 1932年に公開されたハワード・ホークスの「暗黒街の顔役」を、ブライアン・デ・パルマがリメイクしたマフィア物が、この「スカーフェイス」です。脚本に「プラトーン」で有名になったオリバー・ストーンが脚本を担当し、興行収入としては製作費を上回る成果を出しています。また、Rotten Tomatoesの批評家評価は82%、観客評価は93%と高い評価を得ていて、IMDbでもファンが選ぶトップ250の中で118位に位置するぐらいに人気のある作品であります。

 映画はリメイク物ではありますが、舞台設定を1980年のアメリカのマイアミにしていることで、現代風にアレンジされています。1980年にアメリカが実際にキューバに対して行った施策を物語に生かし、主人公トニー・モンタナをキューバから移民してきた男として描いています。物語最初から顔に傷のある「スカーフェイス」の様相を呈しているトニーですが、トニーは顔の傷を子供の頃に作った、と話しています。

 アメリカに入国はできたものの、難民扱いされていたトニーですが、麻薬の取引に関わったことで、次第に麻薬の帝国を作っていく大物に成り上がっていきます。その辺はアル・パチーノの太々しい態度と共に、納得させられる物があります。とにかく、この映画はアル・パチーノの迫真の演技が物語の肝になっているので、彼の脂の乗り切った演技が見どころであるといえます。

 共演者にミシェル・ファイファーや、メアリー・エリザベス・マストラントニオが華を添えています。どちらもまだ若い頃の出演作ということで、美人だなと感じるところがあります。ミシェル・ファイファー扮するエルヴィラは、トニーの親分であるフランクの愛人という設定ですが、トニーはエルヴィラを自分のものにしようとしています。その他の野望もあってフランクはトニーによって殺され、エルヴィラはトニーのものになりますが、トニーと一緒になった後は堕落の人生が待ち受けていたとは、驚きです。メアリー・エリザベス・マストラントニオは、トニーの妹役で出演していますが、ラストは結構悲劇のヒロイン的演出がなされていて、トニーとの兄妹関係を見出すことができます。

 この手の犯罪物では、バイオレンス色がどれだけ強いかが物語の展開を決めていくところにありますが、映画は結構派手にバイオレンスシーンを演出しています。それが為に、トニーが麻薬犯罪の世界でどのようにのし上がっていくかが血糊の多さで表されていて、効果的演出がなされているといえます。そして、帝国を作ったトニーが最終的に転落してしまうクライマックスの銃撃シーンは、派手でエグいシーンが多いと感じます。

 物語は、麻薬の世界の話ですが、業界だけの話ではなく、麻薬を取り締まる側にあるはずの警察も麻薬の世界に首を突っ込み、手を汚して賄賂を掴もうとする汚い世界を余すところなく描いています。そんな中で、トニーがフランクを蹴落として、自分の帝国を作り上げ、大金を手にするものの、税金逃れの罪を負ってしまい、それから交わそうとする展開に面白みがあります。上映時間は長いですが、気の抜けない展開が多く、飽きさせるところがありません。

 映像は4K/HDR10で提供されています。マスターフィルムが35mmのフィルムということもあって、4Kネイティブでの映像提供になります。解像度はかなり効果的に精彩感を持って提供されています。色彩はマイアミが舞台ではありますが、マイアミ独特の色彩が映画に現れているかというとそうではなくて、映画独自の世界観を表した色彩を施しています。HDR10での映像は、コントラストが効果を発揮していて、綺麗な色合いを演出しています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chのサラウンドですが、ハイファイ音響が物語を演出しています。派手な銃撃シーンなどでサラウンドの効果を発揮していますが、オーケストラの音響も音が広がる感覚を覚えます。

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