丘の湯

よみうりランド 丘の湯

2004年4月24日

温泉入りたい!!!

 2004 年 4 月、僕の精神状態はよくなかった。例年この時期は花粉症と季節の変わり目ということもあって元々気分が落ち込みやすかった。それに加え会社の職場異動で自分の望まない部署に異動になったことや、会社の経営が思わしくなく近々リストラが始まるということがますます気分を落ち込ませていた。こんなとき頭に浮かんでくるのは、その 1 ヶ月前に訪れた韓国でのあかすりのことだった。 1 ヶ月しか経っていないのに「温泉に行きたい。のんびり体を伸ばしたい。」という思いが頭の中を駆け巡っていた。そんなある日、いつものごとくネットサーフィンをしていると「よみうりランドにお風呂が完成!」という記事が目に飛び込んできた。自宅からはわずか15km、原チャリでわずかに2-30分、自転車でサイクリングしながら行っても 1 時間もあれば到着できるだろう。そう思った僕は気分転換をかねてこのたび完成した「よみうりランド 丘の湯」へ行ってみることにした。

「丘の湯」体験記

 朝 10 時に自宅を出発。天気はいいが風が強く、少々寒い。数日前にはまるで真夏を思わせる陽気だったことを考えると、体に堪える感じである。自転車に乗り、府中街道を稲城方面に向けて走り出した。相変わらずあちらこちらで渋滞が発生。こういうときに自転車に乗っていることの優越感を感じる。走っているうちに体も温まってくるが、ここ最近運動不足なのが手伝って、息が切れがちだった。やはり定期的に運動しないとな、と改めて思う。多摩警察署交差点で左折し、小田急線と平行にしばらく走ると、「読売ランド前」駅に到着。しかし、実際はここから「丘の湯」のある丘の頂上まで 2 km ほどあり、それなりに急な坂だったので、きつかった。

坂を上りきると、右手に観覧車やジェットコースターなどが見えてきた。よみうりランドに到着だ。標識を見ていると、「丘の湯」へは進行方向を直進となっていたのでそのまま進んだ。50 mほど進むと駐車場のマークが見える。駐輪場に自転車を止める。まだ午前中ということもあってか、さほど混んではいない様だ。入り口には券売機が置いてあった。入場料は、平日だと 600 円、休日でも 700 円と、首都圏のクアハウスにしてはかなりの低料金だったが、その代わりに他のクアハウスでは当たり前のようにサービスされているタオル、手ぬぐい、館内着といったものが一切提供されていなかった。ここは基本的にタオル、手ぬぐいは持参、という方式のようである。持参してこなかった人は券売機でタオルや手ぬぐいを購入したり、レンタルしたりする必要があった。僕はHPでその辺のことはつかんでいたのでタオルと手ぬぐいを持参したが、券売機の値札を見ると、タオルや手ぬぐいを買ったりするとそれなりに金額がかかってしまうようである。

 チケットを購入し受付を済ませると、早速大浴場へ向かった。更衣室のロッカーは他のクアハウスよりも小さい感じである。入り口の靴箱でもそうだが、更衣室のロッカーも 100 円を入れないと鍵をかけることが出来ないタイプである。(後で 100 円は戻ってくる) 客層を見てみると、時間帯のせいか近所の方々が多いようである。皆タオルや手ぬぐいを持参していたし、館内着を着ている人も皆無だった。

 まず内風呂で体を洗う。内風呂の大きさは、さほどでもない。内風呂にはボディソープと、リンスインシャンプーが用意されているので一安心である。石鹸まで持参だと面倒である。しかしこの手のクアハウスでお馴染みの使い捨てカミソリだとか、歯ブラシは置いていなかった。これらも入り口の券売機、または更衣室に設置されている自動販売機で購入する必要があるようだ。ちなみに更衣室においてある自動販売機では下着類の販売もしているので、いざというときにも(何がいざというときなのかよく分からないが)便利である。

 お湯は無色透明。建物の入り口の看板を読む限りでは地下水をくみ上げているということだが、温泉としては認定されていないのか、普通のお湯そのものに思える。塩素の臭いが少々鼻につく。湯船は、どちらかというとジェット噴射風呂が多いようだ。早速「座・マッサージ」と名づけられたジェットバスを試してみる。かなり水圧が強く、腰などにいいマッサージとなった。普段から会社の業務で椅子に座りっぱなしのため、腰に負担がかかっているようで、ジェット水流のマッサージで腰に痛みが走るのが実感できる。その後更に水圧の強い「スーパージェットバス」なども試してみる。マッサージ効果も高く、大変心地よい。お湯が温泉でないのは物足りないが、気分がよくなってくるのが実感できる。

 適当に内風呂を試した後は、露天風呂へと足を進める。さすがに高台にあるだけあって、新緑に囲まれた風景はなかなかなものである。一番端にある「岩風呂」に入ってみる。壁に掲げられた説明を読むと、四国は道後温泉の成分を入れているということである。気分だけは温泉気分、といったところか。ここからは稲城や府中の町並みを一望することが出来るので更に気分がよくなってくる。改めてお湯が温泉でないのが残念である。ロケーションのことなどから、改めて掘削することが出来なかったのだろうと思うが。露天風呂にはその他にも白濁したお湯の「絹の湯」や、背中にだけお湯が流れている「寝転び湯」などもあって、天気のいい日にはのんびり出来そうである。(残念ながらこの日は風か強く、濡れた体には少々寒かったのだが。) 「岩風呂」の横には、「壷湯」という名称がつけられている五右衛門風呂に入ってみた。気分は石川五右衛門である。もっともお湯は適温、というか少しぬるいくらいなので茹で上がることはなさそうだ。「壷湯」の反対側には、「漢薬蒸風呂」があった。これは45度前後の低温度のサウナで、入ってみると漢方薬の匂いが充満していた。いかにも体に効きそう、という感じである。部屋の内部には壷が二つあって、そこには焼けた石のようなものが置いてあった。なぜ「…のような」と書いたかというと実際は作り物だからである。一定時間ごとに壷から蒸気が吹き出して室内の湿度と温度を上げているみたいである。しばらく「漢薬蒸風呂」で汗を流す。低温度なので体に無理がない。

 一通り湯船につかったので風呂から上がる。更衣室で体を拭き、もってきた着替えを身に着ける。さて頭でも乾かそうか、と思い洗面台に足を進める。ドライヤーは4つあったが、どれも動かない。「なぜだろう」といろいろ周りを見回してみると、とんでもないことが判明した。なんとドライヤーを使用するのにもお金が必要だったのである。 1 回 6 分間の使用で 10 円とのことで、まるで地方の旅館の TV についているかのようなコイン投入機に 10 円を入れないとドライヤーが動かないようになっていたのである。確かに入場料が低料金なのはいいが、これにはびっくりである。あいにく 10 円の手持ちがなかったので( 100 円玉は大量にあったのに…)、ドライヤーは諦めた。

 ちょうどお昼を回っていたこともあって、館内の軽食コーナーに向かう。やはり風呂上りはビールだろう、と勝手に決め付け久々に昼から生ビール。うまい(笑)。昼食にこの店自慢の十割そばを注文する。出てきたそばは、まあこんなものかな、というところで普通の蕎麦屋のそばとかわらなかった。特に香りもしないし、本当においしいそばを食べるのも難しいものだ。

 ビールと食事も終わりマッサージをしてもらいたい気もするが、それなりにお金もかかるので今回はパス。その代わりに 100 円で動くマッサージチェアと、足つぼマッサージ器でお茶を濁す。でもこんな機械式でも結構心地いいものである。マッサージ室のほうを覗いてみると、お客が誰もいずにマッサージ師たちも手持ち無沙汰な様子。まあ近所の人たちがお客の中心なら、そうそうマッサージなんかしないだろうとは思うが、あまりにお客がいないのでびっくりしてしまう。

 その後もう一度露天風呂を楽しみ、午後の早い時間にここを後にした。短い時間ではあったが、それなりに心も体も軽くなったようである。値段が手頃なことから、時々ここに来てもいいのかな、という感じであった。

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