ラビリンス 魔王の迷宮(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

ラビリンス 魔王の迷宮(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image 原題 LABYRINTH
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1986年
上映時間 101分
監督 ジム・ヘンソン
出演 デヴィッド・ボウイ、ジェニファー・コネリー、シェリー・トンプソン
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

「ラビリンス」という本を愛読書にしているサラは、継母と父から赤ん坊であるトビーの子守役を仰せつかわり、腹を立てていた。継母と父は外出してしまったために、サラはトビーの面倒を見なくてはならなくなる。サラは、愛読書である「ラビリンス」の中のマジックワードを口にして、トビーがいなくなればいいと願う。そのマジックワードを口にした時、魔王であるジャレスがサラの目の前に現れ、トビーを城に連れ帰ってしまう。ジャレスは「サラの願いを叶えるためにやってきた」と言い、トビーを返してもらうためには13時間の余裕をサラに与える。サラは、マジックワードを口にしたことを後悔し、トビーをジャレスから取り戻すため、ジャレスのいる城まで向かうことにする。しかし、その城の前には迷宮が立ちはだかっていて、サラは迷宮の中でさまざまな試練に立ち向かう。そのうちに、サラはホグルやルード、ディデュモスといったゴブリンと仲間になり、ジャレスのいる城までの冒険を繰り広げる。

レビュー

パペット使いの第一人者であるジム・ヘンソンが監督をして、実写でファンタジーの世界観を作り出した映画が、この「ラビリンス 魔王の迷宮」です。「スター・ウォーズ」のジョージ・ルーカスが制作総指揮に加わり、魔王ジャレスをグラムロックスターのデヴィッド・ボウイが、主人公のサラをジェニファー・コネリーが演じています。興行収入的には制作費の半分しか稼げず失敗作とみなされていますが、映画を見た人の評価は意外と高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は75%、観客評価は86%とまずまずの評価を得ています。

この映画はどちらかというと子供向けのファンタジー映画に属すると思います。主人公のサラが魔王ジャレスに奪われた弟のトビーを取り戻すべく、異界の世界で冒険を繰り広げる、という物ですが、主人公が少年ではなく、少女のサラという設定にしたところに、この映画の特徴があると思います。また、魔王であるジャレスをグラムロックスターのデヴィッド・ボウイが演じているところも、妖しい雰囲気が十分で、インパクトがあります。少女が中性的な魔王と戦うという設定そのものが映画を印象付けるものになっていて、従来のファンタジー物とは一線を画すると言えるかと思います。

ただ、子供向けファンタジーにしたせいか、サラが遭遇する危機がそんなに危険性のある物とは言えず、割と楽々と危機を突破してしまうところは、作品の出来としては物足りないところもあります。迷宮を彷徨うサラが途中でゴブリンであるホグルやルード、ディデュモスといったメンバーを仲間にして、ジャレスのいる城まで向かっていきますが、彼らの存在も結構サラの危機を助けたり陥れたりするところはあります。それでもキャラ設定が可愛いので、今のCGで生み出す怪物たちとは違って愛嬌があり、そのせいで危機感を感じづらくなっているとは思います。

魔王ジャレスを演じたデヴィッド・ボウイは劇中で何曲か歌いますが、その辺はミュージカル映画的演出を成していて、デヴィッド・ボウイの出番を印象付けるものになっています。妖しい雰囲気を漂わすジャレスが、歌を歌うことで世界観を語る様は、まさに彼の独断場であると言えます。

1986年製作の映画ということもあって、特殊効果シーンはCGではなく、アナログのパペットや光学合成、ワイヤーフレームなどを駆使して撮られていますが、それが一昔前の味のある特殊効果シーンを生み出しています。パペットを操るワイヤーが見えてしまうシーンも何箇所かありますが、当時の映画の雰囲気が十分出ていて、今見ると懐かしい雰囲気が十分にあります。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターは35mmフィルムですが、2016年に4Kデジタルマスターを制作しているので、ネイティヴ4Kでの収録になります。HDR効果はやりすぎな感じすら受けるほど効果を発揮していて、どのシーンでも明るい輝度が映えるようになっています。解像度もシーンによってばらつきはありますが、比較的良好な精彩感を提供しています。光学合成で特殊効果を上げているために、そのシーンでのフィルムの劣化が見られるところはあります。

音響はDOLBY ATMOSでミックスされ直しています。オリジナルはDOLBY STEREOの3-1サラウンドですが、DOLBY ATMOSにミックスされ直した結果、環境音こそそんなにサラウンドはしないものの、ルードの唸り声とか、雷の鳴るシーンなどで頭上を飛び越えて頭上の空間に広がるサラウンドを構築していて、結構よくできたリミックスサラウンドになっていると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました