ビースト(2022)(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビュー

ビースト(2022)(4K UHD/iTunes Movies)|Apple TVで観た映画のレビュー

配信仕様

No Image

原題 BEAST
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2022年
上映時間 93分
監督 バルタザール・コルマウクル
出演 イドリス・エルバ、シャールト・コプリー、イヤナ・ハリー
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

医者であるネイトは、二人の娘であるメアとノラを連れて、ガンでこの世を去った妻であるアマーレの故郷であるアフリカを訪問していた。ネイトはアマーレと別居していて、アマーレがガンに侵されていることに気付くのが遅れたために、アマーレを死なせてしまい、二人の娘からは非難されていた。アフリカではネイトにアマーレを紹介したマーティンという友人と再会し、アフリカのサバンナを案内してもらう。サバンナの自然保護区ではマーティンはライオンたちと良好な関係を保っていて、ライオンたちもおとなしかった。しかし、自然保護区を出て、観光客が立ち入らない地区に向かったマーティンやネイトたちは、人間に敵意を向けるライオンに襲われてしまい、マーティンもネイトも負傷してしまう。無線も通じない土地であったために救援を呼ぶこともできず、ギリギリの立ち位置でライオンの襲撃を交わすネイトたちであったが、襲撃を繰り返すライオンは密猟者によって仲間を失い、その復讐のために人間に襲いかかってきていたのだった。ネイトたちは密猟者とも出会うが、密猟者はライオンを仕留めようとしながら、ライオンによって殺され、ネイトたちは残された密猟者のジープを奪って逃げ出そうとする。

レビュー

新型コロナウイルスの感染拡大期に公開されたパニック・サスペンス映画であり、イドリス・エルバ主演の映画が、この「ビースト」です。興行収入としては北米だけでは制作費を回収できず、全世界の興行収入で制作費回収をするというあまりヒットはしていない映画であります。映画の評判はそんなには悪くなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は68%、観客評価は77%とそこそこの評価を得ています。

物語は、アフリカの大自然の中、医者であるネイトと二人の娘、ネイトの友人であるマーティンが密猟者によって仲間を殺されたライオンに襲われ、彼らがどうライオンの襲撃を逃れつつも生き延びていくかと言った内容になっています。

その中でテーマになっているのは、ライオンに襲われるネイトたちの必至のサバイバル術ではありますが、それ以外にも重要なテーマが隠されていると思います。それは、ネイトと二人の娘であるメアとノラとの親子の愛情関係の修復ではないかと思います。ネイトは妻であったアマーレと別居状態にあったのですが、別居していた時にアマーレがガンに侵されていることが判明し、別居していたために医者であるはずのネイトはアマーレを救えず、死に追いやってしまったため、二人の娘であるメアとノラはネイトに対して不信感を抱いており、それをライオンの襲撃の時にどう関係修復していくかが、物語の重要なポイントになっていると思います。ネイト自身は二人の娘に対して愛情は抱いており、不信感を抱く娘たちとの関係修復に努めるべくアフリカに来るわけですが、それがライオンの襲撃に襲われてからより強く関係修復に発展していくようになっていると思います。

さらに、ネイトとマーティンの友情関係も見逃せないポイントだと思います。ネイトにアマーレを紹介したのもマーティンですし、ネイト一家をアフリカの大自然を案内するのもマーティンですから、彼の存在感というのはネイト一家と同じぐらい強いものになっていると思います。彼は自然保護区内ではライオンたちと良好な関係を築いているのですが、自然保護区外でライオンの襲撃に遭い、負傷してからは、どうネイト一家を守るかという立ち位置に変わっていきます。マーティンの最後も物語のターニングポイントになっており、一旦は完結するのかなと思わせながらもそうはならないところに、スリリングなところがあると思います。

もう一つ重要なポイントは、密猟者という自然破壊を行う集団がいるという事実です。密猟者はライオンを密猟し、ライオンの毛皮や爪などを密売組織で売り捌いているのですが、彼らがライオンの群れを殺しまくった結果、生き残ったライオンに反撃されているわけで、自然に逆らう行為をしている人類に対する自然からの逆襲であると捉えることもできます。物語冒頭と中盤に登場する密猟者ですが、彼らの生死の行方は同情できるものではなく、ライオンに殺されても仕方ないと思います。

映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。DIが4Kですので、ネイティヴ4Kでの収録になっています。カメラのソースフォーマット自体は一部6.5Kという部分もあるようですが、配信で見ている限りでは思ったほどの高精細感は感じられないところもあります。もちろんHDよりは高精細かなとは思いますが、アップスケール4Kに感じられなくもないです。色彩も赤のトーンが優勢で、いかにもフィルムルックな色調をしています。ただ、夜明けのシーンなどはHDRの効果がよく出ていて、魅力的な映像には仕上がっていると思います。

音響はDOLBY ATMOSで収録されています。アフリカの大自然が舞台ということもあり、自然の環境音が周囲に広がる効果を発揮しています。特に、ライオンに殺された村人たちにたかる蠅の羽音などはオブジェクト満載の効果を発揮していて、自分の周囲で蝿が飛んでいるかのような感覚に陥ります。そして、ライオンの襲撃シーンは頭上を含めた音響効果が抜群で臨場感を感じます。

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